2012年01月01日

歯科衛生士を募集します!

この募集は終了しました。

この募集は常に表示されています。通常の記事はこの下からです。

勤務開始 : 相談に応じます。

経験 : 臨床経験1年以上

所在地 : 京都市下京区河原町四条下る 地図はこちら

診療日 : 月曜日〜金曜日 (土曜日曜、祝日は休診です。)

出勤時間 : 診療開始は午前9時ですが、出勤は午前8時35分です。

終了時間 : 診療は午後5時まで。残業はほぼありません。
       遅くとも午後5時20分ぐらいには終わっています。

休憩時間 : 午後1時〜午後2時

給与 : 経験、能力に応じ考慮します。(20万円〜)
     年齢、既婚未婚は問いません。

賞与 : 年2回
 
各種保険 : 歯科医師国保 厚生年金 労災保険 雇用保険

交通費 : 全額支給

休暇 : お盆に4日、年末年始に5日程度休みます。

有給休暇 : 100%消化

歯科医師 : 丸岡芳充1人です。

スタッフ : 衛生士2名 歯科助手1名 清掃の方1名 詳しくはこちら

チェアー : 3台

来院患者 : 一日に来られる患者様は10〜15人
         治療時間は最低1時間です。

試用期間 : 3ヶ月(延長する場合があります)

私たちの治療方針、診療室の雰囲気、スタッフ同士の人間関係などはこのブログを読んでいただければよくわかっていただけると思います。
診療室は個室で、プラークコントロールの指導やメインテナンスなど、衛生士本来の業務をじっくり行っていただけます。
患者様は担当制で、基本的に初診からメインテナンスまで同じ衛生士が担当します。

現在の知識、技術は問いません。
ただ最初はかなり勉強をしていただかなければなりません。
そうでなければ大変ありがたいのですが。

研修期間は患者様にはあまりタッチせず、当院の衛生士から指導を受けたり、模型上での研修をします。
なので、とにかく明るくて、やる気のある前向きな方の応募をお待ちしています。

ご連絡:TEL 075-361-7164 (月曜日〜金曜日の午後5時まで)
    
    上記曜日、時間以外は丸岡携帯090-1482-3332までお願いします。

【 蛇足 】
勤務時間の短さと、有給休暇だけにひかれて応募されることはご遠慮ください。

 
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2009年01月14日

またまた谷川俊太郎質問箱

  

またまたた谷川俊太郎質問箱から・・・・


(質問)

医学部生です。
ちょっと気になったのですが、
谷川さんが「このお医者さん、いいな」
って思うお医者さんて、どんなお医者さんですか?

(谷川さんのお答)

病んでいる部分だけを診ないで、
カラダ全体を診てくれて、
カラダだけではなく、
ココロを含めた患者の人間そのものを見てくれて、
死を話題にするのを恐れない医者。



いいなぁ。
私もそう思う。
私は医者ではなく歯医者だが、いつもこう思っている。

歯だけを見るのではなく、その人がどういう人かを第一番に見て考えよう。
その人がどうしたいのかを、第一に問題としよう。

私の師である川村泰雄先生がいつも言っていた。

「歯が一人で歩いてきて、あなたのオフィスのドアをノックしますか?
 歯は人間の体のなかに植わっているんです。
 あなたが治すのは人間・・・その人自身なのです。」


そして患者さんに、自分の診断や考えを押しつけてはいけないと思ってる。
選択肢を常に用意し、「私はこう思います。あなたはどうしたいですか?」と必ず一度ボールを返すようにしている。

医者と患者はいつもキャッチボールができないといけない。
いくらストレートど真ん中でも、素人が剛速球をキャッチすることはできないから。

そしてごく近い将来抜かないといけない歯でも、それはきちんと伝えている。
しかし必ずその時に、抜歯をした後、どんなことができるか?どういう未来になるのか?を優しく明るく説明する・・・もちろん選択肢を用意して。
そうすれば必ず安心してもらえるし、心構えをしていただける。

 
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2007年07月31日

「援助者」TさんFさんへ#6

8月1日より勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「衛生士としての品格」より続く

いよいよ明日から勤務ですね。
ドキドキしてますか?
私たちも同じですよ。(笑)

8月1日に勤務して一番最初に見てもらうのはEXAM2という時間です。

これはその前にレントゲン撮影などの詳しい検査をし、それをもとにお口の中全ての状態の分析と治療計画を説明するもの。
そして、「虫歯はなぜできるのか?」「歯周病とはどういうものか?」を担当衛生士がパソコンを使って説明した後、プラークコントロールの練習をし、グロススケーリング(大まかな歯石とり)までします。
これはどんな患者様でも1時間30分の予約を取っていただきます。
ここで、私たちが一番重要視するのが「フロス」です。

ですので、ブラッシング指導とは言わず、あくまでもプラークコントロールと呼びます。

お二人が当院に勤務されたとき、多分気づいてもらえるだろうと思います。
治療が始まり、形成や充填をするとき、歯肉縁に近い部分を削ってもほとんど歯肉から出血をしないということを。
これは私のテクニックというより、その時点で、ほとんどの患者様がフロッシングの習慣を身につけているからです。

十数年前、私の師の川村泰雄先生からフロッシングの重要性を教育されました。
その東京の講習会から帰ってきた翌日の月曜日。
私はスタッフに言いました。

「今日から全ての患者さんにフロスの説明をする。」

スタッフの反応はどうだったと思います?
衛生士全員が反対したのです。

「どうせ説明しても、患者さんは絶対してくれませんよ。」

というのがその理由でした。

その前の講習で、私は川村先生からプランニンングについても教えてもらっていました。
川村先生の治療計画は常に最上のプランでした。
内容も、もちろん治療費においてもです。
そのとき川村先生はこう言われました。

「こんな大掛かりで治療費もかかる治療プランを説明しても、患者さんは絶対に『うん』とは言わないと思うでしょう。
ほとんどの歯科医がそう考えます。
でも、なぜそれをあなたが決めるのですか?
それを決めるのは患者さん自身ではないですか?」

その言葉に感動をした私はスタッフにもこう言いました。

「フロスをするかしないかは、患者さんが決めることだろ?
やりもしないで、何でしないと決めつけるの?
とにかく、今日からやる!」

スタッフは半信半疑だったと思います。
正直なところ私もそうでした。(笑)

で、結果はどうだったか?
それは8月1日が来ればよくわかっていただけます。

私はパンキー先生の書かれた本にある日出会いました。
「パンキーフィロソフィー(パンキーの診療哲学)」という本です。
大変感動をしました。
しかし、そこに書かれていたのは診療に対する哲学でしたので、実際にはそれをどう診療に生かしていけばよいのかわかりませんでした。

そして川村先生の講習会に参加したとき初めて、川村先生がそのパンキー先生に直接指導を受けられていたことを知りました。
不思議な縁でした。

その「パンキーフィロソフィー」の中にこんな言葉があります。


あなたのするべきことは、歯科医学のできうる最適の方法を患者に告げることです。
その上でどうするかは、患者が自分で決定することなのです。
患者との間に妥協を図るつもりであるなら、あなたが前もって判断するのではなく、患者の知識を基本において妥協することです。
あなたはすべての患者に最適な歯科治療がどういうものかを話すべきです。
そして、患者がどこか他へ行く決心をしたときにも、戻ってこられるようにドアをあけておきなさい。


                              Dr.ダニエル・ハリースミス


一昔前のアメリカでは、虫歯になればお金をかけて治療をするより抜歯をすることが常識でした。
それについて疑問を感じていたパンキー先生は、母親からのこの手紙を契機に変わります。

「あなたの診療はうまくいっているようで何よりです。
でも、私がうけたようなことを、患者さんにしてはいないでしょうね。
私は歯をすべて抜かれてしまって、今では義歯をしています。これは私の人生にとって最高に不幸な経験です。」

このとき、彼女はまだ42歳で美しい女性でした。

それから、いい治療をするためにパンキー先生は奮闘していました。
しかし、なかなか理解されません。
そのため貧乏だったパンキー先生は、よき理解者のブランチャード夫人の援助でパリの国際歯科学会に行きます。

パンキー先生を援助したブランチャード夫人は富豪の未亡人でした。
パンキー先生をパリに行かせるため、夫人はこう言いました。

「あなたは前途有望な若者なのです。
この小さな治療室の外の世界で何が起こっているのかを出かけていって見るべきです。
そこで、世界的に有名な数多くの歯科医師と接触できるのではないでしょうか。
あなたはそこで何かを学ぶはずです。
私はあなたがとても大きな可能性を持っていると確信しているのです。」


そこで紹介された Dr.ダニエル・ハリースミスにこう言われたのです。
Dr.ハリースミスはパリで超一流の歯科開業医でした。
アラブの王様なども治療にきており、治療のお礼にロールスロイスをプレゼントされたこともありました。

私の診療室では一貫して流れている方針があります。
それがこれです。

私は常に患者様にこう問いかけます。

「あなたはどうしたいのですか?」

全ての決定権は患者様にあります。
私たちは、患者様がよい決定をするための援助者なのです。



援助をするためには「力」が要ります。
それは「お金」であったり、「強い意思」であったり、「体力」であったり。
その中で、大事なことは「見識」でしょうか。
ブランチャード婦人の見識は素晴らしいものでした。
なぜならパンキー先生の業績はこのように発展したのですから。

このパンキー研究所には世界中の歯科医が勉強のために訪れます。
私が行ったときも、「あなたが帰った後には、スペインからの歯科医のグループがやってくる。」と言っていました。
素晴らしいことに、この研究所は営利目的ではなく、すべて寄付でまかなわれています。



患者様の援助者となるべきあなたたちに一番必要とされるのは、「人間を理解できる広い心」です。
そのためには、衛生士の勉強だけでは足りません。

新聞を読んでください。ニュースを見てください。それで世間の動きを常に知って、それについて考えてください。
知っているだけでは足りません。
自分の心で考えることが大切です。

本を読んでください。特に古典を。
映画を観てください。ドラマを観てください。ドキュメンタリーを観てください。もちろん質のいいものを。
そして、感動を忘れないようにしてください。

美味しいものを食べましょう。料理をしましょう。
料理は総合芸術ですし、人をもてなす心が養われます。

いい人達と付き合いましょう。
良くない人と付き合っていると、全てがそんなものだと思ってしまいます。
あなたの友人は誠実ですか?そして有能ですか?

お洒落もして下さい。それは決して高価である必要はありません。
創意工夫と美的センスが養われます。

美術館にも行きましょう。
本物に触れることは大事です。

そして一番やって欲しいこと・・・





院長を大事にしてください!(爆)




【業務連絡】

Thinksellさんへ

打ち合わせの日程のご連絡が遅れてすみません。
次回は、この新人達に「衛生士として、何を学ぶべきか?」についてお話をして欲しいのです。
時間は40分ほどを予定しています。

明日その日程を決めてご連絡します。
よろしくお願いします。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月30日

「衛生士としての品格」TさんFさんへ#5

8月1日より当院に勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「勤勉、辛抱、分相応、もったいない」より続く

ボクシングで今活躍中の一家がいますね。
兄は確か世界チャンピョンです。
私は格闘技が好きなので、ボクシングの試合はよく見ます。
でもK家の人たちの試合は決して見ません。
なぜなら彼らには「品位」というものが全くないから。

外国出身の横綱がいます。
非常に強いですね。
でも今回「腰椎損傷のため、6週間の加療、安静を要す」という診断書を出して、巡業を休み母国に帰ってしまいました。
しかしその母国で、元気にサッカーをしている姿がビデオにとらえられました。
元サッカー選手がこう言いました。
「この診断書の内容だと、絶対にサッカーなんてできないですよ。」

「Noblesse Oblige」という言葉があります。
騎士道の精神を表したものです。
日本語に訳すと「位高ければ努め多し」となりますか。
位が高ければ偉いわけではないのです。
強ければ何をしてもいいというわけではないのです。
その地位における振る舞いかたがあるということ。
亡くなった小説家の開高健は、これを「漂えど沈まず」と訳しました。

あなた方が医療関係の仕事ではなく、もし他の仕事をしていた場合、「オイ」「ちょっと」「ねーちゃん」などと呼ばれることがあります。
しかし、私の病院で働いている限り、まずそういうことはないでしょう。
ほとんどの患者様は、敬意を持ってあなた方に対応してくださるはずです。
なぜでしょうか?

お二人は衛生士学校を卒業するとき、戴帽式を経験しましたよね。
頭を下げ、ナースキャップを頭に載せてもらい、衛生士となるための誓いをたてたはずです。
一時期、このナースキャップを廃止しようとする動きがありました。
清潔には関係ないし、反対に業務の邪魔になるというのがその理由です。
もちろんそれにも一理はあります。
でもここで忘れられていることがあります。
それが「Noblesse Oblige」です。

このナースキャップは清潔には直接関係しませんが、「清潔感」を表しています。
そして、私たち医療人の誇りの象徴なのです。
単に役に立たないから必要ないというようなものではありません。
反対にいうと、これがあるからあなた達の身分が保障されます。
もうよく知っているように、私の病院では全員がこのナースキャップを被っています。
それなくして診療室に入ることは許されません。

全ての権利には義務が伴います。
あなた方が患者様に敬意を持っていただくということは、あなた方も患者様に対し大きな義務を負っているのです。
その義務とはなんでしょう?
奉仕の心?治療技術?医学的な知識?

私が、衛生士として一番大事なことと考えるのは「衛生士としての品格」です。
では「品格」とはなんでしょうか?
「オホホホホ」と上品に笑うことでしょうか?
一見優雅な振る舞いでしょうか?
それはただうわべのことにしか過ぎませんよね。

小山衛生士のことがよく出てきます。
もちろんあなた方の直接の指導教官ですし、上司になりますから当たり前のことですが。
しかし、その他の理由があるのです。

小山衛生士は結婚しても働いてくれていました。
そして妊娠し、出産のため退職することになりました。
その当時はなかなか後任の衛生士が決まらず、正社員での勤務が終っても、結局は臨月まで受付を手伝ってくれました。
もう限界となり退職しましたが、その一週間後に出産しました。
もしかしたら受付で産気づいていたかも知れません。

1年ほどは完全に子育てに専念していましたが、その後不定期に教育のためなどに来てもらっており、この5月より正式に復帰したところです。
あなた方の指導教官を選ぶときに多少は考えました。

この「メインテナンス」のカテゴリーの2004年12月28日以前の記事をみていただくとよくわかります。
小山衛生士が退職した月の担当患者様たちの様子です。
これを見ていただければあまり説明は必要ないかもしれません。
退職する前でも、担当するメインテナンスの患者様が多く、インプラントや補綴の複雑な治療の介助につくことがあまりできませんでした。
もちろんブランクもあります。


その中でも私は小山衛生士を選びました。

時間は誰にでも平等です。
私と彼女との間には15年ほどの時間を共有した歴史があります。
松下幸之助が言いました。
「人は10年付き合ってみないとわからない。」

もう15年ですので、お互いによくわかっていると言ってもいいでしょう。

彼女の患者様はなぜメインテナンスに必ず来られていたと思いますか?
話術が巧みだからでしょうか?
スケーリングが上手だからでしょうか?

残念ながら、小山衛生士が退職してからメインテナンスに来られなくなった患者様が何人かいらっしゃいます。
ショックなことに、私が大掛かりな治療をしたにもかかわらず、病院を変わられた方が1名いることも知っています。
それも、彼女から聞きました。
つまり、彼女はそうなってもその患者様とコンタクトがあるということです。

なぜでしょうか?
患者様は、歯といえども自分の体を任せる立場です。
自分の体を任せるのには勇気がいります。
そのためには信頼できる人かどうかが基準になるのだと思います。
信頼できない人に自分を任せようとは思わないでしょう?
患者様はそれを敏感に感じるのだと思います。

これが小山をあなた方の指導教官に選んだ最大の理由ですし、そして「何をもって『衛生士としての品格』とするか?」の答えです。



だれでも、あなたのところに来た人が

前よりもっと気分よく もっと幸せな気持ちで帰ることができるように。


                            マザー・テレサ




そしてもちろん、これがあなた方になって欲しい衛生士像です。
信頼関係を築くには時間も必要です。
私はTさん、Fさんとは長いお付き合いができそうだと感じています。
開業してもう19年ですからそれはわかるのですよ。
二人は間違いなく神様からのプレゼントです。




【 業務連絡 】
8月2日は、診療終了後、四条烏丸の近くで少し飲みながらお話をしたいと思ってます。
説教じゃありませんよ。(笑)
緊張しているでしょうから、少し気分をほぐして欲しいと思ってのことです。
できたら時間を空けておいて下さい。
もちろん都合が悪ければ結構です。


「援助者」へ続く

 

posted by maruoka-yoshimitsu at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月29日

「勤勉、辛抱、分相応、もったいない」TさんFさんへ#4

8月1日より当院に勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「すべては患者様のために」より続く

私は戦後50年経って日本人が忘れたことは、「勤勉、辛抱、分相応、もったいない」だと思っています。
今日はそのことについて。
一般的な話はここまでにして、明日からは衛生士の業務について書きますね。


@勤勉

サッカーのオシム監督は知っていますか?
最近「日本人よ!」という本を出されました。
とてもいい本だと思うのでよければ読んでみてください。
その中に、こんな言葉があります。

「今の日本人が勤勉であるかどうかは疑問だ。
現在、日本人は非常に高い生活水準を保っているが、それは勤勉だった先代が作ってきた生活水準を今の人々が享受しているだけなのではないか?」

今から14〜15年ぐらい前でしたか、まだバブルのころ。
当時は「時短」と言って、働く時間を短くし、また働くことが悪いことのように言われていました。
そのときに私はこう言っていました。

「日本は国土も狭いし、資源もない本当は貧乏な国なんや。
ただ勤勉だけでもってきた。
時短、時短と言うが、中国見てみ。
屋台でご飯食べて、女性も共働きで一生懸命働いている。
そのうちに中国に負けるよ。」

事実かどうかは、小山に聞いてみてください。
まあ最近はモラルの問題もありますし(「チャイナリスク」を参照)、一概には言えませんが、近い状況にはありますよね。
お二人が勤勉であることはよくわかっていますよ。
私は勤勉こそが美徳であると考えています。
なので、それをもう一度認識しておいて欲しいのです。
何かを身につけようと思ったら、勤勉に勝ることはありませんから。


A辛抱

よく字を見てください。
辛抱は、「辛さを抱く」と書いてあります。
言い換えれば「痛みに耐える」ということかと。

これからいろんなことを勉強し、実習していきますが、もちろんすぐにはできません。
うまくなろうと思ったら、先ず、うまくいかなくて辛いその状況に耐えることが大事です。
そこで逃げ出したり、安易な道に走れば状況は悪くなるばかりです。
私が尊敬する内田樹先生がよく書かれている「中腰で耐える」ということ。

そうしながら周囲をよく見渡し、うまくいかない原因についてじっくり考えてください。
その原因に気づかず、闇雲に同じ失敗を繰り返せば消耗するだけです。

苦しい修業時代を送って専門家になるためのライセンスを受けるのは大変意義がある、とわたくしは思う。
後で思うと、苦しい時代が実は一番楽しい時代であったことに気がつくものだ。
自分の為だけに、5年も6年も修行するなんて、なんて贅沢なのだろう。
           柳田充弘 京都大学元教授



B分相応

もうこの言葉は死後でしょうか。
Tさんはインプラントに興味があると言っていましたので、ここでは治療の範囲について私の考えを述べてみます。

先々週でしたか、東京のある歯科医院でインプラントの手術中に出血が止まらなくなり、その患者様は他の病院に搬送されましたが、翌日死亡されたということが報道されていました。
これだけですぐに「ミスだ」とは言い切れません。
人間の体の反応は実に様々です。
とても特殊な体質の方もいますから。

Tさんの面接のとき、「私はインプラントはしますが、それを前面に打ち出しているわけではありません。成功するであろうと予想できる手術しかしません。」と言いました。
ちょっと不思議でしたか?

その理由がこの「分相応」なのです。
歯科医はよく講習会に出かけます。
私も今日インプラントの講習に行きます。

そこで問題なのは、昨日聞いたことをすぐに今日患者様にしてしまうことです。
もちろんそれはいい場合もあるのですが、特に外科処置についてはそうではないと思います。
それだけの技術があればいいのですが、患者様は実験台ではないのです。
先ほどの死亡例も、どういう状況で、どういう手術をしていたのかわかりませんので、推測は避けますが、最近はインプラントでも骨の移植などとても大掛かりな手術をするようになってきています。

問題は、それを普通の歯科の診療室で行ってもいいのか?ということです。
私は町の開業医です。外科の専門医ではありません。
町の外科の開業医で骨の移植手術はしないでしょう?
それは設備の整った大きな病院の、それも麻酔医のいる(麻酔医は麻酔だけではなく、全身管理を受け持ちます)手術室で行われます。
ですので、私は今そこまでの手術はしていません。

そうです。それが私の分相応です。
なので、トラブルが起きないのです。
トラブルは歯科医にとっても、患者様にとっても悲惨です。

私は常に80%の治療を心がけています。
つまり100%の能力を持って、その80%までの能力でできる治療をします。
そうしておけば、トラブルが起きても後の20%の能力でそれを解決できますから。

そして、常に検査、診断、計画、準備、確認を怠らないことが大事だと思います。
これもよく言うことですが、

「アレッと思ったらそれをそのままにしない。
それを誰かに言いなさい。
自分だけで抱え込んだり隠したら、後で取り返しがつかなくなる。」

これはとても大事なことです。
私はミスを責めませんから、このことは心に留めておいて下さい。

「準備ができていないのに、戦いのフィールドに立つな。」

       アール・ウッズ(タイガー・ウッズの父親)


Cもったいない

これも死語に近いものだったのですが、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんがこの言葉を世界中に広めました。
国連で「mottainai」の大合唱が起こったのですよ。

これは日本人の美徳です。
古来日本人は多神教でした。
存在するあらゆるもの、特に自然に感謝し、そこに神の存在を感じていました。
だから、昔はおくどさんや、便所にまで神様がいました。
私も田舎のおばあちゃんの家で便所の神様を見たことがあります。(ウソです)

そこには全てに感謝し無駄にしない生活がありました。
地球温暖化対策など、一昔前の日本人の知恵と習慣を思い出せば結構いい案が出るはずです。
でもここで言いたいのは、物についてのことではありません。

一日一日を大事に過ごして欲しいのです。
あなた方がこの世に存在するのは、奇跡に近い確率なのですから。

しないといけないことをせず、後悔するのはもったいない。
愛されないのはもったいない。
怠惰に過ごした時間はもったいない。
満たされない一日の積み重ねで一生を終るのは、本当にもったいない。


どうか心をつくし、能力をつくし、
また、これまで蓄えた力を全て発揮して、
出し惜しむことのないようにしてください。

もし成し得ぬというものがあるならば、
それはまた、なさないのであり、
できないのではない。


               吉田 松陰

「衛生士としての品格」へ続く

  
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月28日

「すべては患者様のために」TさんFさんへ#3

8月1日より当院に勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「人間というもの」より続く

Tさん、Fさん、あなたたちは何のために働きますか?
一言で答えて下さい。




じゃあ、私の答えを言います。
私はお金のために働いています。

どうでしたか?
同じ答えでしたか?
それとも違いましたか?

誤解されてもいいんです。
もう一度言いますが、私はお金のために働いています。

お金を稼ぐのは大変です。
嫌な思いをして、我慢をして、クタクタになるまで働かないとお金は得られません。
でもそれは私たちの患者様も同じですよね。
嫌な思いをして、我慢をして、クタクタになるまで働いて得たお金で治療費を払って下さっています。
それが私たちの生活を支えているのです。
それを決して忘れてはなりません。

私もお金は使います。
それは自分のために使います。
そのために働いています。
本であったり、映画のDVDであったり、色んな人と話をしながら楽しく飲んだり食べたり、服であったり(お洒落は美的感覚を養うためにとても大事なことだと思います)、趣味のものであったり。
そういうものにはお金を惜しみません。
それは私の心を豊かにし、治療や患者様に対する接し方に大きな影響があると思いますから。
でも私の車は日産のノートの試乗車落ちの中古です。
祇園には最後いつ行ったのかもう憶えていません。

私が一番贅沢をしているのはスタッフだと思っています。
これからはスタッフは7人になります。
お掃除の安井さんを入れると8人です。
日によっては一日に来られる患者様の数より多いときがあるかもしれません。
それでいいと思っています。
それは全ては患者様のためにと思っているからです。
もうわかるでしょう?
だから私は懸命に働くのです。


「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない。」 『鏡の国のアリス』



あなた方の教育にお金も時間もたっぷりとかけるつもりですが、それは患者様のためです。
今回結婚のため退職する衛生士も、私のクリニックに来た当初は小山衛生士がまだ小さい子供を妹さんに預け、週に1〜2回でしたがその教育のためだけに無理をして来てくれ、一から衛生士業務を教えました。
確かに経費はかかりましたが、それは全て患者様のためだったのです。

これからの研修期間の間、このことを絶対に忘れて欲しくはないのです。
決して私のためではありません。
最初に戻りますが、患者様からいただいた治療費でその経費がまかなわれます。
あなた方が患者様に喜ばれる衛生士になることができたとき、初めてそれが患者様に還元されることになります。

昨日のエントリーでは仕事というものについて、かなり厳しいことを書いたかもしれません。
でももうわかってくれてはいると思いますが、診療は5時には終ります。
過酷な労働をしろと言っているわけでは決してありません。
あくまでも姿勢のお話です。

今から80年前、デビスカップの決勝戦に出場し、ウインブルドンのセンターコートで当時の王者チルデンを苦しめた日本人がいました。
そのテニスプレーヤーの名前を清水善三と言います。
彼の言葉にこんなものがあります。

「タバコをすって、お酒も飲んで、夜更かしして、それでテニスも上手くなろうなんて欲張りだよ。」

私はこの言葉が好きなんです。

言い換えれば

「楽をして、人に頼って、休みもたっぷりとって、それでいい技術を身につけようなんて欲張りだよ。」

となるでしょうか。

しばらくは、診療が終っても多少の居残りはしてもらうことはお話しましたよね。
私もできるだけお付き合いはします。
それは患者様のためでもありますが、もちろんあなた方のためでもあります。

私の病院で正しい知識と卓越した技術を身につけることができれば、あなた方は一流の衛生士になれます。きっとなれます。
どこへ行っても恥ずかしくはないはずです。
それはまた、私があなた方にできる最大のプレゼントです。

物やお金はいつかはなくなります。
でも内面に蓄積された財産は、いくら時間が経っても色あせたり朽ちていくことは決してありません。

今日のエントリーの最後に、今私が一番好きな言葉を書いておきます。
辛いときにはこの言葉を思い出してください。


あなたが 虚しく生きた今日は
昨日 死んでいった者が
あれほど生きたいと 願った明日



そうそう

もう1人非常勤のスタッフがいました。
今日は私に付き合って休日出勤してくれています。

「勤勉、辛抱、分相応、もったいない」に続く

 

   
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2007年07月27日

「人間というもの」TさんFさんへ#2

8月1日より当院に勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「迎春準備」より続く

先週スタッフに話をしなければいけないことがありました。
それを、これからの手紙の枕として使ってみます。
このブログはスタッフもよく見ていますので、嘘がないように、私が喋ったままをあえて加筆修正をせず、憶えている限りそのまま載せます。
( )で説明が必要な部分は補ってあります。
そして、この話の後半の部分は削除をしています。

............................................................................................................

今日はいい機会なので、「仕事、医療、休み」について俺の考えを言っておく。
俺は困った患者さんがいたら、どんな夜中でも、どんなに(お酒を)飲んでいても、どんなに熱があってもここに来ているのは知ってるよね。
なぜだと思う?
医者だから?
違うよ。もっとシビアだよ。
それはそれで俺の生活が成り立っているから。
そうしなければならないから。

俺の家は文房具の商売をしていた。
俺は小さいころからこう言われて育った。

「商売人と言うのはたとえ1円のものでも買ってもらったら、領収書を書いて『ありがとうございました。』と頭を下げるのが商売人だ。」

それが仕事っていうものだよ。
まだ新しい人は知らないと思うけど、病院が(経営的に)楽になったのはここ数年。
その前は、月末になったら嫁さんがやってきて、
「来週、(治療費は)いくら入る?」
と聞いていた。(月末の支払いのため)
そして、請求書を順に並べ、
「この順番に払っていこう。」
とよく相談していた。
10数年間、年のうち半分はそんな状態だったと思う。
数百万円の赤字が出た年もあった。

小山さんはよく知っているよね。
当たり前の話だけど、そんなときでも給料の支払いが遅れたことは一回もない。
ボーナスを下げたことも一回もない。
普通の会社なら利益がなければボーナスは出ないんだよ。
そして、どんな損害が出てもそれを責めたことも一回もない。

なぜだと思う?
それは俺がそうしたいから。
その反対は絶対にしたくないから。
だから懸命に働く。
自分のプライドのためにそうしている。
今でも、しておかなければいけないことに気づいて夜中に目が醒めたら、そのままここに来て仕事をしている。
いちいちそんなことは誰にも言わないけど。
仕事とはそういうもの。

次は休みについて。
有給休暇を100%消化して下さいということは、「休みは有給で取ってね。そのかわり病院はできるだけ開けますよ。」ということ。
どんないい治療をしていても、しょっちゅう閉まっている病院なんか、なんの役にも立たない。
俺も今は少し余裕もできたので、1週間でも10日でも休んで旅行に行くことはできるし、行きたいよ。
でもなぜそれをしないと思う?
そうしたら、患者さんが困るから。
だから行かない。

有給休暇なので、いつ、だれと、どこに行こうがそれは自由だ。
俺は「有給下さい」と言われて、そんなことを聞きもしないだろ?
仕事と有給休暇では仕事のほうが優先されるんだよ。
でも、いくら忙しい時でも「その日はダメ」と言ったことも一回もない。

時間はきちっとしていると思うよ。
普通はミーティングは仕事が終わってからだよね。
でも俺は勤務時間内にやっている。
これもね、俺がそうしたいからそうしている。

以下・・・・・

............................................................................................................

話しをしたまま正直に書きました。
それで私の仕事に関する考え方、姿勢をよく理解してもらえると思いますから。

衛生士としての教育というと、「スケーリングのテクニックから」なんて思ったでしょう?
私の病院と他の歯科医院と多少差があるとすれば、治療技術の上にある「人間というもの」を大事にしていることではないかと思っています。
「人間というもの」というのは患者様についても言えることですし、私たちについても言えることなのです。

私の師である川村泰雄先生がよくおっしゃっていました。

歯が1本だけやってきて、『治して下さい。』とあなたの診療室のドアをノックしますか?
歯はその人のお口の中に植わっているのです。
あなたが治すのは人間、その人自身なのですよ。


皆さんは私の病院の今の姿を見られて、最初からこうだったと思うかも知れません。
しかしこうなるのには19年かかりました。
でも決して苦しいとか、やめたいとかは思いませんでした。
まだ若かったですし。
なんと言っても仕事が好きでした。
仕事が好きというより、何かに集中して懸命に努力することがとても面白い。
それが人生の醍醐味かと。

ストレスこそ人生。修羅場は男の花道。(by 丸岡芳充)


またあなた方にとって幸運なのは、指導教官になる小山衛生士が本格復帰した直後だったことです。
小山衛生士とは川村先生の講習会のため泊りがけで大阪まで一緒に行きましたし、それで10年以上前に私の診療室がダイナミックに変わっていった過程を経験してくれています。
私の右腕でもありますし、それよりもはや戦友と言っていいのかもしれません。

ああっ!もちろん他の講師たちも充実してますよ。
(「また、小山さんばっかりー」って言われそうですし・・・ 笑)

一つ一つについての解説は明日から始めます。

「すべては患者様のために」へ続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

抜きたくない感情#8

抜きたくない感情#7より続く

そろそろまとめに入ります。
これを見ている知り合いからは、あのこともこのことも書けと言われるのですが、それを書き出すと終わりませんから。

さて、「抜きたくない感情」はどなたにもあるでしょう。
また「抜きたい感情」があることや、ご本人は「抜かないとダメだろうなぁ」と感じていても、抜かずに治療することがあることもお話しました。

私は、どれが良い悪いという問題ではないと思っています。
「歯を治療する目的は何か?」ということを見失っていなければ。

何度も言いますが、私は、歯を治療する目的は「人生を幸せに生きるため」だと思います。
誤解を恐れず言いますが、「たかだか歯」です。
私の子供のころ、田舎に行くと一本も歯がないジイチャン、バアチャンたちが、入れ歯も入れず、歯ぐきだけで結構何でも食べて元気でした。
そのお年寄りたちは不幸だったか?
私はそうは感じませんでした。
たぶんいい総義歯をプレゼントしても「こんなんイラン」と言われたように思います。


「歯の延命処置はあるのか?」というコメントをいただいたのですが、厳密に言うとありません。
処置ができるということは、治療が可能な歯ということですから、正確に言うと、抜歯をしなくてもいい歯ですよね。

歯周病に関して、「骨の移植は?」とのご質問もありましたが、この治療は適応症(やってうまくいく)が限られます。
それを考えずにやたらと手術をした場合は、何もしないより急激に炎症が広がることが多いです。
また、無駄な苦痛を味わうのは誰でしょう? 詳しいお話はこちら

「延命」とは命を延ばすということです。
では命とは?
医学的に言うと、心臓が動いているか、脳が生きているか?
では人工心臓につながれている人は生きている?

そんな状態でも人は生きていると言えます。
医学の力で命を延ばしています。
でも動けません。考えることもできないかもしれません。
その状態は「人として」生きていると言えるでしょうか?

では「歯の延命」とは?

歯の一番の存在価値は「咬む」と言うことです。
「咬む」=「食べる」=「生存」
咬むのに不自由な歯を抜かずに残すことは歯の「延命」でしょうか?

グラグラして咬みにくい。
頻繁に炎症を起こしてよく痛みが出る。
いつも気になっている。

こんな歯の延命に価値はありますか?

「あー。抜かないといけないと言われてるけどなー。嫌だなー。」と思いながらの毎日はどんな気分ですか?



あなたが 虚しく生きた今日は

昨日 死んでいった者が

あれほど生きたいと 願った明日

(韓国小説 「カシコギ」  趙 昌仁)


続く






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2007年06月27日

抜きたくない感情#7

 
抜きたくない感情#6より続く

今日は、本来ならば抜歯の判定をすべき歯を残して治療をしたケースをご紹介します。


70歳台後半の女性。
いつもきれいにされ、とても明るく素敵な方です。
とてもそんなお年には見えません。


詳しい治療経過はまたアップしますが、こんな状態のところもあり、残っている前歯もグラグラで、「咬むのが怖い」とおっしゃっていました。


まだ治療途中の段階です。
詳しい治療経過はまたアップしますが、通常でしたら抜歯の判定をするであろう歯を3本残してここまでになりました。
もちろん咬むことには何の不自由もありません。
では、なぜそれらの歯を残したか?


もしそれらの歯を抜歯してしまい、義歯をはずすとこんな状態になってしまいます。
このお口を鏡で見たらどんな気持ちになるでしょうか?

この方は「治療プランを立てる段階でつまずかない」方ですので、この抜歯プランをご説明したとしてもそれで納得されたかもしれません。
しかし、私は治療プランのご説明のとき、

「下の歯が1本だけしか残っていない状態、上の前歯が半分しか残っていない状態を御自分で見られたら惨めな感じがすると思うのです。
ですので、問題がある歯を3本抜かずに残して治療をしようと思います。
そうすることによって、義歯を外してもきれいな口元を作ることができます。

もちろんその歯は先々で問題を起こして、抜歯が必要な時がくるかも知れません。
そのときは抜歯をしますが、その時点では義歯を改造することで、大掛かりな治療をすることなく後のフォローが可能です。
いわば二期工事が必要になります。
どうお考えになりますか?」

とご提案しました、

「はい。それで結構です。そうして下さい。」

とお答えになりました。

この方のご年齢を考えると、あと10年、いかに活き活きと生きていくのか?が大きな問題となります。
女性ですので、活き活きと生きるためには外見は大変重要な要素だと思います。
そのための非抜歯の判定なのです。

もう少しで最終の義歯が入り治療が終了しますが、私はご満足いただいていると感じています。

抜きたくない感情#8に続く

 




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2007年06月26日

抜きたくない感情#6

抜きたくない感情#5より続く

何が幸せか?は人によって違います。
医療について考えてみると、例えば、進行性のガンになっていることがわかったと仮定します。。
治療をしなければ余命は6ヶ月と宣告されました。
その場合、こんな予後が考えられます。

1.手術も抗がん剤も辛かったが、10年たっても再発せず元気
2.手術をしたが、あちこちに再発しており、3ヶ月で死亡。
3.手術をし一応生還したが、抗がん剤の副作用でほぼ寝たきり。
4.手術を拒否し、抗がん剤だけで3年生存。
5.一切の治療を拒否し5ヶ月目で急変、6ヶ月で死亡。

もっといろいろなケースはあるとは思いますが、これで考えてみましょう。
もちろん一番ベストなのは1.ですよね。
でも最近は手術や抗がん剤での治療を希望されない方も増えています。
抗がん剤の副作用はつらいですから。

では、2.と3.と4.では?
では5.の状況はどうでしょう?

これは価値観ですよね。
またこれらの選択は、年齢や状況によって変わると思います。

今の私なら、子供もまだ小さいですし、積極的な治療を選択するでしょう。
でも70歳のわたしなら4.を、80歳の私なら5.を選ぶのではないかなと思います。

京子さんは、これからの10年間女性としてもっとも輝く時期です。
もし矯正治療をするとなった場合の2年間の見た目の悪さ、苦痛(矯正治療は決して無痛ではありません)はかなりのものです。

「たった2年」か「2年も」はそれこそ価値観です。

京子さんの今の価値観はこの治療を選択したわけです。

 ⇒ 
             治療前                              治療後

この時期にこのような治療に踏み込めず、京子さんが40歳になっていたら・・・
そのときは京子さんはこのような治療は選択しなかったかもしれません。

また、治療前の状態は見た目もよくありませんが、クリーニングも大変やりにくいので、このままだと40歳の時には急速に歯周病が進行していたかもしれません。
現在はクリーニングには問題がありません。
状況は変わりますし、なかなか全てを見通すことは難しいですね。

確かに抜歯をしました。
でも現在の京子さんは大変満足しています。
口元を気にせず、素敵な笑顔を見せていただいています。

これが「戦域」で考えるべき抜歯の選択だと思っています。
その人が、今から幸せになれる治療は何か?
人生に何を求めているのか?

明日は、抜歯の判定をする歯を残して治療をした例をご紹介します。

抜きたくない感情#7に続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月25日

抜きたくない感情#5

抜きたくない感情#4より続く

抜きたくない感情があるように、また抜きたい感情もあります。

この方は20歳台の美しい女性です。仮に京子さんとします。
でも歯並びがこのような状態でした。

ホームページをご覧になっておこしになられ、きれいな歯並びにしたいとのことでした。
でも条件がありました。
それは、
「絶対に矯正はしたくない。」
というものでした。

かなり悩みましたが、ご希望どおりに治療をすることにしました。
もちろん事前にプランニングを行ってからです。⇒詳しい経過


下の歯から抜歯をします。


上の歯の抜歯。


最終のセラミッククラウンをセットしたところ。

この治療に関しては賛否あると思います。
確かに歯は抜かないほうがいいと思います。


この方もきれいになりたいとのことでした。


このように、


矯正をしてきれいにすることができました。

しかし、この方のケースは大掛かりな矯正ではありません。
ワイヤーを入れている期間は3ヶ月ほどでした。

でも「矯正をしたくない」京子さんのケースは、もし矯正治療で治療をするとなると非常に大掛かりになります。
皆さん矯正というと、歯を抜かなくてもいいと思っておられるかもしれませんが、決してそうではありません。
歯がきれいに並ぶスペースがないから、歯並びが悪くなるわけですから、歯を動かす前にスペースを作らなければなりません。
そのために、通常は犬歯の後ろの上下左右の小臼歯を、合計で4本抜歯をしてスペースを作ることが多いのです。
また、京子さんのケースでは金具とワイヤーを歯に装着する期間は2年ほどになるかもしれません。

では私はなぜこのような治療をしたのか?

これが「戦域」を考えた結果です。

人生は楽しま(め)なければ意味がありません。
私は「幸せとは?」と尋ねられたら、「何の心配事もない状態」と答えます。

お金がいくらあっても幸せであるとは限りません。
私が尊敬する中村天風先生が書かれていました。(うろ覚えなので不正確です。)

ある日、ロックフェラー夫妻(だったと思います)が面白くなさそうな顔で、食事をしていました。
それを見た天風先生は、近づいて尋ねました。
「あんたがたみたいな大金持ちは幸せだろ?
それなのに、なんでそんな苦虫を噛み潰したような顔をして飯をくってるんだい。」
「いったい私たちにはいくらお金があるのかわからない。
それがまた減りやしないかと心配で仕方がない。」

結婚して配偶者と子供を得たとしても、安定しない家庭は不幸の元となります。

何が幸せか?は人によって違います。
医療について考えてみると、例えば、進行性のガンになっていることがわかったとしましょう。
治療をしなければ余命は6ヶ月と宣告されました。
その場合、こんな予後を考えてみましょう。

1.手術も抗がん剤も辛かったが、10年たっても再発せず元気
2.手術をしたが、あちこちに再発しており、3ヶ月で死亡。
3.手術をし一応生還したが、抗がん剤の副作用でほぼ寝たきり。
4.手術を拒否し、抗がん剤だけで3年生存。
5.一切の治療を拒否し5ヶ月目で急変、6ヶ月で死亡。

すいません。
今日はもう限界なので、また明日。

抜きたくない感情#6に続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 16:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

抜きたくない感情#4

抜きたくない感情#3より続く

昨日の最後に、アメリカ人は一つ一つの技術は多少雑であっても、トータルでの成功を達成できる能力があることをお話しました。
学会発表を見ていてもそうです。

1本1本のセラミッククラウンの美しさや、部分的な歯ぐきの手術などは日本人の歯科医の腕がずっと上だと思います。
しかし日本人の歯科医は、その歯を残すことで後々どうなるかをあまり考えずに治療を行っているように感じます。

「戦略」「戦域」「戦術」という言葉があります。
似ていますが、それぞれちょっと違います。

「戦略核」というと、これは大陸間弾道ミサイル(ICBM)を意味します。
つまり「戦略」とは国家間や世界大戦レベルの戦い方です。

「戦域」とはその中間、都市や日本でいうと県レベルの広さでの戦い方。
なので、ICBMに比べて短射程で低威力の弾頭しか積めないこととなる潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM)などは「戦域核」といえるかもしれません。

「戦術」は戦闘の起こっている局地での戦い方です。
例えば「あの陣地をどう落とすか?」など。

私が治療計画を立てる場合には、常にこの3項目を分析しながら考えます。
どれが欠けても、うまくいきません。
治療がうまくいかないというより、患者様が納得をされないのです。

では治療における「戦略」とは?
それを考えるときには3つの要素に分けます。
1.顎関節までを含めたお口全体の調和をどうとるか?
2.生涯にわたってどういい状態を保っていくか?
3.その方の価値観と感情はどうなのか?

「戦域」的な考え方とは、その方の現在の年代や性別、生活状況だとととらえています。
つまり、子供なのか?青年なのか?老年なのか?
女性なのか?男性なのか?
現在の職業や経済状態、先々の見通しなど。

「戦術」とはもちろん1本1本の歯をどう治療していくのか?ということです。

こう考えていただくとわかりやすいかと思います。

アメリカ人の歯科医は「戦略」から考えます。

日本人の歯科医は「戦術」から考えます。

もうわかっていただけたでしょう。
是非この記事を読んでいただきたいと思います。

世界のトップの歯周病専門医の抜歯の判定は、通常の日本の歯科医よりも厳しいということです。
言い換えると、それは現在の治療技術と自分の治療技術の限界を熟知しているということでしょう。

ということは、そのような明確な判断基準を持たない歯科医が「まあ、やってみましょうか?」ということは・・・・・?

でも日本においては、この「まあ、やってみましょうか?」的な歯科医が名医とされます。
「あの先生は抜かないいい先生だ。」と。

このあたりに関しては、医療保険、医療訴訟、宗教観も関係するのですが、そこまで書き始めると終わりませんので、そのあたりはまたいつか。

つまり、全体の構想と言える「戦略」を抜きにして「戦術」のみに目が行くから勝てないのです。
そして、このように手術の方法や治療技術について大部の著書をお書きになっている歯科医の診療室で、顎関節症が治らないということが起こります。

また、いくら局地戦で勝利を収めても、首都を押さえられたら負けです。
後述しますが、「戦域」的な考えも必要になります。

太平洋戦争の開戦当初、日本軍は連戦連勝でした。
しかしその間、アメリカは国民から強制的ではなく軍費を募り、日本軍の補給路を断ち、着々と戦闘機と空母を建造していました。
結果はどうなったか?

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。」の孫子の兵法においてもその根底にあるのは、「勝つことより、負けないことを考える。」であり、最終的には「負けるとわかっている戦いはしない。」ということ。
それが自軍の消耗を最小限にする最上の方法ですから。

そろそろ本題に戻りますね。
では私の「戦略」を決定する「治療哲学」とは何か?
私は何のために治療をするのか?ということ。

それはその人の人生を豊かにするため。
その人が日々を幸せに生きられるようにするため。

言い換えると、「歯科の治療によってその方を決して不幸にしてはいけない」ということです。


抜きたくない感情#5に続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

抜きたくない感情#3

抜きたくない感情#2より続く

さて、歯を抜きたくない感情はどなたにもあります。
私はそれをよく理解していますし、その感情を意味のないものと思ったりはしていません。

ただ歯科医としては、「そんなに抜きたくないのなら、なぜもっと早く治療を・・・」と思う気持ちはあります。
また、患者様にそう言うと、「いや〜。わかってはいたんですがどうしても・・・」とお返事が返ってきます。
そのときはそっと心の中でつぶやきます。
『そんなら、もうアキラメをつけてよ。』

これも私の感情ですので、否定はしないでくださいね。
もちろん決して口には出しませんが。

では、なぜ歯を抜かないといけないのでしょう?
私が何を基準にして「抜歯が必要」と判断しているかということです。

まず第一に、もう歯がグラグラになって、咬むこともできない状態になっている歯でしょう。


このような場合はあまり問題がありません。
患者様自身が「抜いて欲しい」とおっしゃいますから。


それでも・・・・・
「これを抜かずに治して欲しい」と3時間かけてこられた患者様もいらっしゃいます。
この上の前歯は息をするだけで動きます。
もうこうなると「抜きたくない感情」というより、魔法の治療法を探しておられるのでしょう。
それは神様でも難しい。

では次の抜歯の基準は?

三浦綾子さんの小説に「裁きの家」というのがあります。
中学生のときに読んだと思うのですが、その中に「小事に忠実なものは大事にも忠実なり。」という言葉があり、それは私の心にずっと残っています。

つまり、「小さいことをきちんとやっていく人は、大きなこともちゃんとできる」と言う意味です。
私はよく「細かい」と言われます。(笑)
小さいこと、細かいことをおろそかにしては、決していい結果はでないと思いますから。

スタッフを教育するときも、「いいか。こういう細かいことを疎かにしてはいけない。これが最終的な完成度につながる。」と言い聞かせます。

確かに1本1本の歯を大切にすることは重要なことです。
それがお口全体の健康を守ることにつながりますから。
でも、「木を見て森を見ず」という言葉もありますよね。

ここで一例をあげます。



■の歯も、●の歯も状態が良くありません。
特に■の歯は重度の歯周病が進行しています。
歯の根の周りの骨(すりガラスのように写っている部分)が大きく吸収しています。
歯周病菌が出す毒素で骨が溶けているのです。
問題なのは▲の部分。
ここの骨は奥のほうに向かって大きく失われています。
詳しい説明は避けますが、この歯周病の進行を止めることはできません。
つまり、この歯があるために、この部分の骨はこれからもっと溶けていきます。
ということは、その前の歯の周囲の骨(歯を支えている骨)も失われていくということです。

今、■の歯を抜歯すれば、その前の歯をいい状態で残すことが可能です。
そして、インプラントや入れ歯のことを考えずとも、見た目はブリッジで歯があるのと同じように治療ができます。

しかし、抜歯をためらっていれば・・・・

■の歯がいよいよグラグラになって抜歯の決断がついたときは、その前の歯が今の■の歯と同じ状態になっているでしょう。
そのときにはどういう判断、いや考え方、それとも悩み方をしましょうか?

私が大学を卒業した当時は、アメリカの技術を学ぶだけでした。
アメリカの治療技術にとても太刀打ちできませんでした。
インプラントをはじめ、優れた材料、技術、機材。
しかし、今は変わってきています。
ちょうど大リーグでたくさんの日本人選手が活躍しているように。

しかし、私はまだアメリカには勝てないと思っています。
それは、材料や機材のハードの優劣だけではないからです。

日本人の研究者がNASAに行くと驚くそうです。
「なんであんな雑な奴らがスペースシャトルを打ち上げて、きちんと帰ってこさせることができるのかわからない。」と。

日本人は器用です。
これは決してアメリカ人にひけはとりません。
しかし、アメリカ人は、チームプレーで全体を考えて結果を出す能力に長けているのです。
一つ一つの技術は少々雑でも、トータルでうまくいけばよいわけですね。

もちろん全ての技術が完璧であるべきですが、どちらかと言えば日本人は力を注ぐべきところに力を注がず、自分がしたいことをする傾向があります。

面白い例ですが、宇宙空間のような無重力の状態ではボールペンは使えません。
そのためNASAは巨額の資金を投じて、無重力でも書けるボールペンを開発しました。
しかし、ソ連(当時)はどうしたか?

全て鉛筆にしました。

笑い話のようですが、物を考える仕事をしていると、このような考え方は大変大事なことだと実感します。
だからソ連はアメリカより先に、有人宇宙飛行を成功させることができたのかも知れません。

抜きたくない感情#4に続く

 

posted by maruoka-yoshimitsu at 12:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月20日

抜きたくない感情#2

抜きたくない感情#1より続く

指紋も一つとして同じものはないと言われますが、『心の基礎構造』もそうです。
しかし指紋は誰の指紋を見ても指紋とわかります。
指紋は指紋です。
しかし『心の基礎構造』の個人差はだれも理解できないほど大きいと思っています。

それはこの「ザ・セル」などを観ていただくとイメージし易いかと思います。

しかし、歯を抜かなければならないとなった時の皆さんの反応には
あまり差が無いように感じています。
なぜ、心のありようには大きな差があるのに、この場合の反応にはあまり差が無いのでしょう?
とても不思議でなりませんし、私ははっきりした解答を持っていません。

しかし、私の患者様の治療に関し、ある場合においてはそうではありません。
丸岡歯科クリニックのホームページやこのブログでも、かなり大掛かりな治療の症例を載せています。
そのような治療には費用がかかります。
となると、そのような治療を受けられる方は、社会的な地位が高かったり、経済的な問題がない方となります。

そういう場合、一般の方々は、「そんな人の治療は難しいだろう。」と思われるかもしれませんが、それは違います。
全くの正反対。
治療は非常にスムーズに進みます。

まず予約時間を厳密に守られます。
遅れて来られることもなく、早く来られることもなく、ジャストタイムで来られます。
またお忙しいはずなのに、急な用事で予約をキャンセルされることもほぼ99.9%ありません。
これは感心します。

また、大掛かりな治療ですので、当然抜歯や手術、1回の治療時間が3時間ほどになることもあります。
しかし、そんな治療のあとでも、「痛い」「つらい」はおっしゃいません。
反対に、長い時間の治療が終わった後など、「長い時間ありがとうございました」と深々と頭を下げていただけます。

しかし、このような方の治療がスムーズに進むその一番の理由は、「治療プランを立てる段階でつまずかない」ということです。
私たちはこのような治療の進め方をしています。

精密な検査をし、完成模型を作成し、それをもとにレントゲンや今までの治療例をお見せしながら、私の治療プランをお話します。
そのときにお話するのは、「この歯を抜歯して、最終このようにします。」ということだけではありません。

「なぜこの歯を抜歯しなければならないのか?」その理由を詳しくお話します。(その理由は後述します)
その場合、迷われないのです。
「後々のことを考えると、AとBの理由でこの歯は抜歯をするのが妥当です。抜歯をした後はこのようにすることができます。○○さんは、どう思われますか?」
「はい。そうしてください。」
「ではこのプランどおりに進めていってよろしいですか?」
「はい。お任せします。」

この場合も、私のご説明したことを100%理解していただいているとは思っていません。
もしかしたら、50%?  いや10%ぐらい?
でもこのような方は、『心の基本構造』の中に「人を信用する能力」
「何が自分にとって有利かを見極める能力」「無意識に科学的、理論的に考える能力」「感情をコントロールする能力」を持っておられるのだと思います。
また、それがあるから今までうまくやってこられた。(歯以外は)

ここで、「どうしましょう?」「抜歯は気が進まないんです。」「もう少し考えます。」このようなお返事が返ってくる場合の90%は治療には至りません。


もちろん当初は抜歯をご理解いただけても、やはり感情は動きます。
この方の下顎の治療経過(ちょっと長いです)
このように上顎も治療をしていました。
プランニングの段階では、上顎の歯は全て抜歯して下顎と同じように、インプラントでサポートをする総義歯にする予定でしたし、この方ももちろんそのプランに同意をされました。
そしてインプラントの手術をしていました。



2本のインプラントを入れたところです。
2本の歯が残っていますが、歯周病が進行しているため抜歯が必要です。
しかし、この歯を抜いてしまうと義歯を維持することができません。
なので、インプラントの手術が終わるまで、現在の義歯を維持させるためだけに残してありました。


残してある歯の前の部分の手術

そして、全ての手術が終わったため、「そろそろ抜歯を」とお話したところ、

「先生、この2本の歯。残せませんか?」
前よりしっかりしてきましたし、できるだけ残したいのですが。」
「その歯は重度の歯周病であることはお話しました。
そして、それを治療することはできません。
徐々に歯周病は進行します。
たぶん、1〜2年でグラグラになってしまいます。
今、その歯を残して下顎と同じようなゴールに到達することは可能です。
しかし、その歯を残すことによって、その周囲のインプラントがどのような影響を受けるかが予想がつきません。
また、どうしても抜歯をしなければならなくなったとき、インプラントが使えたとしても、そのときにはまた治療時間と、費用がかかります。
それでもかまいませんか?」
「はい。それで結構です。」


なので2本の歯を残して最終段階の治療に入っています。
この方が私を信頼していただいているように、私もこの方を信頼していますので、それはそれでいいのだと思います。
これが「自己責任」と「信頼」かと思います。

抜きたくない感情#3に続く

 


posted by maruoka-yoshimitsu at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月19日

抜きたくない感情#1

いつもこのブログを見ていただいているてらさん、歯抜けさんからコメントをいただいていますので、ここで私の考えを書いてみます。

歯抜けさんからのコメント
............................................................................................................
またまた突然失礼します。

>ご自分で自覚症状が無いときにはなかなかわかっていただけない。。。

すっごくわかってるんですよ
でも 抜きたくない
抜かずにどうにかしって勝手な事を思うんです

(*_ _)人ゴメンナサイ
............................................................................................................

てらさんからのコメント
............................................................................................................
「抜きたくない!」
の気持ちは私もわかります。
理屈では解っているのですが感情の方が…。

こういう場合、
気休めに「何かの処置」をしてもらえる可能性はあるのですか?

延命処置が有効であれば試したい気もします。
以前に「骨」を移植されてましたよね?
あれは、どの程度の患者まで有効な手段なのですか?
............................................................................................................

先日、スタッフが誕生日を迎えました。
そのときに、こう聞かれました。
「先生が私の年のときと、今の先生の年とでは何が一番違いますか?」

私はこう答えました。
「それは、『人の違い』『人は実に様々』ということが理解できるようになったことだと思うよ。
そういうと、『そんなこと私もわかっています』と言うと思うけど、その理解の深さが全然違う。」

では、その人をその人と規定するものは何でしょう?
つまり丸岡芳充はなぜ丸岡芳充であるのか?

顔でしょうか?声でしょうか?
では、顔が変わったら丸岡芳充ではなくなりますか?
声が出なくなったら丸岡芳充と認識してもらえなくなりますか?
顔も声も変わってしまって、おまけに四肢も失って全く動けなくなったら?

それでも私は私以外の何者でもありません。
なぜか?

その人をその人と規定するのは『振る舞い』です。
振る舞い方を決定するのはその人の『考え方』です。
その『考え方』を支配するのが『感情』です。
『感情』というと「かなしい」「うれしい」だとか「怒りっぽい」とか「やさしい」というイメージが真っ先に出てきますが、そんな表面的なものの奥にある『心の基礎構造』ということのウエイトが大きいと思います。

この『心の基礎構造』は一つとして同じものがありません。
そこに表面の感情や考え方、環境、経験でさらに修飾されますので、まさしく人の心は様々です。

抜きたくない感情#2に続く

 


 


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2007年05月05日

珈琲でもいかがですか?#2

珈琲でもいかがですか?より続く

先日知り合いのFさんとお話をしていたら、こんなことを教えていただきました。
「今、メディアで、『患者さん』なのか『患者様』なのかが問題になって、論争をしているところがありますね。」

二人で、「そんなことドーデモいいじゃない」と大笑いになりました。
私はこのブログでは『患者様』としていますが、別に『患者さん』でもいいのです。
でもまあ、患者様にいかにリラックスしていただけるか?を考えてリッツ・カールトンをその手本にしていますので、『患者様』としています。
ラーメン屋のおねーちゃんなら、テーブルについた人に『お客さん。何にしましょう?』と言いますが、リッツに行けばどんな人も『お客様』と呼ばれるでしょうから。
ただそれだけのことです。

でも『患者様』と呼ぶのはこのブログだけです。
スタッフ同士では『患者さん』といいますし、もちろん患者様をお呼びするときはその方のお名前を呼びます。
余談ですが、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ぶことはありません。
なぜなら、私たちはその方の孫ではないからです。

私たちは決して形だけを問題にはしていません。
なぜリッツ・カールトンを手本とするのか?

それは、その精神に共感するからです。
これがリッツ・カールトン・ホテルのクレドです。
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リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命と心得ています。

私たちは、お客様に心温まる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために、最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは、感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感、そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。
............................................................................

仕事は人生の大半を占めます。
寝る時間を除けば、家にいる時間より職場にいる時間が長いですよね。
その仕事と職場が苦痛であれば、人生そのものが苦痛ということになります。
それはとても不幸なことです。

私たち自身が幸福でなければ、患者様を幸福にすることはできません。
イライラしている状態で、人には優しくできませんから。
丸岡歯科クリニックは、診療は午後9時から始まって午後5時で終ります。
土日は休診ですし、有給休暇は100%消化されます。
もちろん法人ですので厚生年金等も法定どおりです。
現在スタッフは5名います。
衛生士が4名(ほぼ10年選手です)と技工士の免許を持った歯科助手が1名で、一日に治療する患者様は10〜15名ほどです。

歯科医院でこのような待遇は通常はあまりありません。
なぜそうしているのか?
それは、スタッフが仕事と職場に不満やストレスを感じていては、患者様に十分なサービスができないと考えているからです。
私たちが提供する治療とサービスに共感していただける患者様にいらしていただき、そしてそれなりの治療費をお支払いいただけるからこのようなことができるのです。
スタッフはそのことをよく理解してくれています。
ですので、目の前にいる患者様を大事にしようと思えるのだと。

また、自分たちがやっていることが表面だけのサービスではなく、心からのものであること。
そして治療自体に誇りを持てること。
それもしっかり認識しています。

この循環は何処が欠けてもうまくいきません。
表面だけの気遣いになってしまっては、もはや医療機関ではなくなります。

先日ミーティングで、私たちの考え方の中心をはっきりと再確認しました。
私たちは高額な治療のみを重要視しているのではありません。
来院していただく患者様に、このようなシステムをご理解いただいて、長くお付き合いをしていただきたい・・・。

つまり、精密な検査をして異常を早期に発見し、その原因をしっかり知っていただきそれを取り除く方法を身につけていただく。
そして、きちんとした治療を行い、治療終了後も定期的なメインテナンスを継続していただくこと。

これが私たちのクレド(考え方)です。
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私たちはあなたを一人の人間として尊重し、信頼関係を築き上げられるよう、親身になった心遣いをいたします。
あなたは私なのです。

治療に関しては、まず不快感を取り除き、その上で精密な検査をし、確かな治療計画を立案します。
それから、お口の状態を悪くする原因を知っていただき、それをあなたの努力で取り去ることができるようご協力いたします。

私たちはあなたとの出会いを大切にし、どんな状況であっても納得していただけるご説明、笑顔で再会できる確実で感動的な治療を行い、そして明るく和やかな雰囲気のなかで、あなたとの永遠の絆をつむぎそれを深めていきます。
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で、このようなシステムにしたがって治療を受けていただける患者様をなんと呼ぼうか?言う話になったとき、あやや衛生士がさっと手を上げて、

「パーフェクト ペイシェント」(完全な患者)

と言いました。

あやや衛生士は衛生士歴9年です。
私のところに来る前に確か2件の歯科医院に勤務をしています。
いつだったか「なぜここにいるのか?」という話になって、

「ここにいるのは、自分の時間ができることと先生の考え方に共感したからです。」

と言ってくれていました。
今回のあやや衛生士の提案による珈琲サーバーの設置は、このような考えやベースがあってのことなのです。

続く

 



posted by maruoka-yoshimitsu at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月02日

価値観#4 リターンズ

価値観#3より続く

これから「メインテナンス」という言葉が出てきます。
メインテンナスとは治療が終わった後、その患者様の状態に応じ、2ヶ月から6ヶ月に一度来ていただき、特に治療後の歯、そしてもちろんお口全体の状態をチェックし、クリーニングをすることを言います。


この衛生士(K)は2年前出産の為退職しました。
これはと思う後任の衛生士がなかなか見つからず、ギリギリまで働いてくれました。
そして退職してその1週間後に出産したのです。
もし受付で産気づいていたら大変でしたが、このころのことも今となってはいい思い出です。

その子供がもう2歳。月日の経つのは早いものです。
そして、昨年から週に1〜2回主に後任のトレーニングのために来てくれていたのですが、本格的に復帰を考えてくれるようになりました。

現在丸岡歯科クリニックスタッフは、衛生士が3名、歯科技工士の免許も持つ歯科助手が1名です。
診療台が3台で、一日に治療する患者様は10名程度ですので、充分な数のスタッフです。

通常なら「欠員が出るまで待っててね。」と言うことになるのでしょうが、病院を変えていくにあたってこれはいいチャンスかも知れないと考えていました。
というのは、この衛生士が持つ魅力です。

退職するその月には、Kによる最後のメインテナンスを受けるため、実にたくさんの担当患者様がお見えになりました。
その様子はこちら。(これ以外にもメインテナンスのカテゴリーにたくさんアップしています。)
たくさんの、プレゼントもいただいていました。(ちょっとうらやましいぐらい)

今年になって、Kが以前担当していて、退職してからメインテナンスが中断していた患者様にもう一度ご連絡をしたところ、かなりの数の患者様が帰ってこられました。

ある方にお葉書でご連絡したところ、奥様からお電話をいただき、
「実は主人は亡くなりました。
Kさんのことはよく聞いておりました。
よくしていただいていると。
せっかくお葉書をいただいたのですが、そんなことで。
ありがとうございました。」
というようなこともありました。

このKの能力をみすみす埋もらせてはなりません。

私が一番重要視しているのはメインテナンスです。
それは治療に関する全ての結果が問われます。
丸岡歯科クリニックに関する評価の全てなのです。

私の病院の雰囲気が嫌。
治療が苦痛だった。
治療に納得できなかった。
治療した歯にトラブルが起きた。

このような評価をされていたら、患者様はもう二度とお越しにはなりません。
このメインテナンスは私にとってはとても厳しいものなのです。

治療後の評価は患者様と衛生士が行います。
ですので、私がいくらごまかそうとしても無理なのです。
異常があれば、衛生士は容赦なくチェックして報告してきます。
ある患者様が大掛かりな治療が終わり、第一回目のメインテナンスに来られる日、私は朝から緊張します。
「どのような評価を下されるのだろう?」

その場、きれいに仕上げることはそんなに難しいことではありません。
しかし、何ヶ月、何年も、問題なく快適に生活ができるような治療はたやすいものではないのです。

でも私はこれに目を背ける気にはなりません。
それが私の価値観なのです。
歯科医として生きる醍醐味というところでしょうか?

ですから、そのためにはKの能力が必要になるのです。

価値観フューチャーズ#1に続く

 


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2007年03月01日

価値観#3



価値観#2より続く

私は歯科医ですが、一日の診療時間のどれくらいを本当の治療に当てられているかを考えます。
かなり多いのですよ、それ以外にさかなければいけない時間が。
ですので、「プランニング」「本当の治療」「私が必ず説明しなければいけないこと」この3つに集中できるようにしたいと考えていました。

歯科医院は超零細企業です。
ですので、院長といえども「なんでも屋」でなければならないのですが、それでは本来の仕事に集中できません。
なので、病院を変えていくために一種の冒険をしてみようと思って、準備をしていました。
そこで出会ったのが、さいとうたかをさんの特集だったわけです。

つまり、さいとうさんは家内工業だった漫画を描くという作業を
分業化、それも専門化し、そして自分はゴルゴを描くという仕事に集中できるようにしました。
またそれだからこそ、50年間一度も休載がないという結果も出せたのでしょう。

今、安部内閣が揺れていますね。
振り返ってみて、小泉前総理はどうだったか?
功績の評価はしませんが、決して自分の信念を曲げることはせず、それを基盤としていわゆる「まる投げ」で結果を出していきました。
あれを「まる投げ」ととらえるのか?それとも部下を信頼し、任せていったととらえるのか?

時間の問題もありますが、実は私、今日誕生日なのです。
感じるのですよ、年々体力と気力の衰えを(笑)。
疲れてイライラしていては患者様に優しく接することもできません。
だからこそ、体制を変えていく必要があるのです。

価値観#4リターンズに続く

 

 
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2006年09月12日

9.11

昨日は9.11でしたね。
いろんな報道や特別番組が組まれていました。
勇敢なアメリカ人、親切なアメリカ人が中心になっていますが、やっとアメリカのやり方に批判的な報道も見られるようになってきました。

私がよく見るこのサイトの運営者の方から、メールマガジンが送られてきます。
これは昨日送られてきたメールマガジンの一部です。

◇        ◇        ◇


5年前の10月1日、私はグラウンド・ゼロに立ちました。

    母から「今は危険すぎるから、絶対に行ってはいけない」と
    猛反対されましたが、テレビでは伝わらないものがあり、
    傍観者でいてはいけないという強い信念から、渡米しました。

  
    現場を一言で表現すると、巨大な絶望エネルギーの塊でした。    

    カタチのない、何千人もの犠牲者が埋まったままの瓦礫の山、
    あちこちに貼り尽くされた、遺族の情報を求める貼り紙。

    “人が焼けた臭い”と言われる異臭が漂い続ける中で、
    瓦礫と貼り紙を背景に、Vサインで記念撮影をしている
    観光客を見たときの、あの虚脱感。


    私は生涯で唯一、あの現場で、命を絶つことを真剣に考えました。

    瓦礫に埋まった人は、どう考えても生きていない。
    生きている人間は、押し合いながら、
    記念写真を撮ることだけに必死になっている。

    こんな世界で生きていても、意味がないじゃないか。
    本当に、心からそう思いました。

        
    自分自身の絶望から、なんとか立ち直るキッカケになったのは、
    遺族の方の存在を思い出したときです。

    遺族の方は、私とは比べものにならない絶望の中、
    それでも生きている、と思ったのです。

    そして、私以上の絶望を感じた遺族の方々は、
    同じような絶望を与える『報復』は、絶対に望まないはずだと
    確信したのです。この確信だけが、私の中の希望でした。


    しかし、私が帰国した10月7日、その日の深夜から、
    アフガニスタンへの報復が始まりました。
    現在も、テロとテロに対する報復は、世界に存在しています。


    それでも私は、新しい希望を持つことができるようになりました。
    テロ・報復・戦争、そういった方法とは全く別の解決方法を、
    現代の多くの人が、真剣に望むようになったと思うのです。

    そう考える人が、もう少し増えて、ある割合を越えたとき、
    4足歩行から、直立の2足歩行に人類が進化したように、
    本当に平和な時代へ、大きな進化が見られるはず・・・。
    今の私は、真面目にそう信じています(^^)。

  ◇        ◇        ◇

この件に関する報道は、当時日本でも少しありましたが、ここまで酷かったのかと思うとショックです。
アメリカ人というのはこういう民族なのかもしれません。

一方古い歴史と文化を持つフランスのル・モンド紙などは「アメリカは文化と文化の戦争をひき起こしてしまった。」とアメリカを批判しています。
文化とは競い合うものでもなく、優劣を決めるものでもなく、それはその文化自体に存在意義があるものです。
人と同じように。

「怨みは怨みによっては決して静まらないであろう。
 怨みの状態は、怨みの無いことによって静まるであろう。」

 お釈迦さま

今日は朝礼でこのことをスタッフに話ました。

一人の人間もこのアメリカと同じように多様な要素を持ちます。
正直に言うと、私たちにとって「嫌な患者様」「困った患者様」という存在があるのも事実です。
しかし、悪い一面だけ見ていると物事は前に進みません。
素晴らしいアメリカ人もたくさんいるように。

そのような場合は、悪い面だけに目を向けずに、

@怒らない
Aあわてない
B嫌いにならない

この3つの原則を頭において対応をするようにと話を締めくくりました。
怒りだすと、怒りは必ず倍化していきます。
あわてると冷静な判断が出来なくなりますし、良い考えも浮かびません。
嫌いになってしまうと、その嫌な人に対応している間、私達自身がずーっと嫌な気分で過ごさないといけなくなります。

この3つの原則は私が22年間歯科治療を行ってきて、いろんな場面で悩み考えて出した結論です。
スタッフの心の琴線に触れてくれればうれしいのですが。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:05| Comment(1) | TrackBack(1) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月05日

ミーティング06.9.5

ミーティングは2週間に一度1時間をとり、定期的に
に行う。
今回は、この流れを汲んでのミーティング。


テーマはいかに患者様に自分の思いをしゃべっていただくか?
なかなか患者様は本心が言いにくいものである。
それをいかに自然に引き出していくか?
それについての話合いを行う。

とにかく私たちがしゃべり過ぎないこと。
常に質問を投げかけること。
「〜とは、こういう意味なのですね。」と必ず確認をしていくこと。

そのような患者様の思いや歴史を記入し、誰が見てもすぐにわかるチャートも作成した。
さあ、これがどれだけ根付き、活用できるかがこれからの課題である。

みなさん、どんどん喋ってくださいね。
私たちはしっかりと聞く準備をしてお待ちしています。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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