2008年04月24日

警鐘を鳴らす

 
昨夜7時すぎ、自宅にいたら消防車のサイレンが鳴り響いた。
それも何台も。

近所の人達が慌しく行きかっている様子。
近くだ。

外に出てみる。
消防車が見えるところに止まっている。
自宅周辺は狭い道が碁盤のようになっている。
なので、給水孔(マンホールみたいなやつ)のところに一台一台と停車し、ホースをつないでいる。
ホースをたどっていくと、人だかりがしている。
なにか臭いがする。
が、煙などは見えない。

事情がわからない。
顔見知りの人達の話から断片的に・・・・

「あの三階立ての家がありますやろ。
あの上(カミ:京都では北のこと)に、路地があって、その奥に三軒あるんやけど、そこが皆、空き家」
「そこかいな。燃えたん?」
「いや。そうやない。臭い。」
「臭いから電話したん?」
「いやきな臭い。」

わかったようなわからん話。
別の人が、

「消防の人が、『放火かもしれんなぁ』って言っとりましたで。」
「ああ、やっぱり。」
「この辺も物騒になりましたなぁ。空き家も増えたし。」
「うちとこ、こないだ、車のナンバー、前も後ろも盗られましたわ。」

別のうるさいオッサン。
火事はそっちのけで・・・・・

「ほれ、あの○○のとこ。ややこしいのが入りよって。」
(1年ほど前にできたマンションの入居者のこと。○○さんはそのマンションの持ち主)
「へーぇ」
「ワシ、最初に言うたのに。コレや。」(人差し指を頬に斜めにあてる)
「そうかいな」
「出て行きよらへん。居住権があるしなぁ。」
「そらややこしい」
「ほいでな。○○が『町内でなんとかしてくれまへんか?』やて。何を言うとるんやっちゅうやつや。」
「ははは」
「そのコレ(頬に指)、このまえ、新聞沙汰になっとった。××で事件起こしたって。」
「そんなんわからんかったんか?」
「女が借りにきよる。」
「ふーん。女がなぁ」

○○さん大変やなぁ。
そうこうしているうちに、消防士さんたちがホースをはずし丸めだした。
事なきを得た様子。
雨がパラつきだしたので、私も撤収。

帰る途中、ある料理屋の前。
そこの大将が二人連れに向かって
「よう。ご両人おそろいで。」

どこかで見た中年のご夫婦。
「あれー。はさまれてしもうた。」
「あれまあ。」
「あそこと、あそこ。動かれへん。」

よく見たらお二人とも患者様。
消防車に前後をはさまれ、車が動かせない。
ご愁傷様。

で、皆さん知ってます?
消防車が出動するとき、サイレンだけの時と、サイレンと鐘を鳴らしている時があります。
あの鐘は何か?
小さいころ、母親が「あの鐘は火事が近くにあるんやで。」と言っていたが、コレは間違い。

あの鐘は、警鐘と言いう。
消防車が、火災で出動する場合は、サイレン音「ウーウー」と警鐘「カンカン」を鳴らし走行する。
火災以外の救助や他の出動の場合は、サイレン音のみ。
これで、消防車が火災で出動しているのか、他の理由で出動しているのかがわかる。
また、火災現場から引き揚げる時に、警鐘のみを鳴らして帰る。
これは、鎮火信号と言って、『火災が消えましたよ』と知らせるためのもの。
『今火災からの帰りですが、火災には注意してください』という火災予防の意味も含まれている。

で、そんなこんなで、同日の午後8時25分。
少し遠いが、またサイレンと警鐘が鳴っている。
連続放火か?


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2008年02月18日

おはようさんどすA

おはようさんどすより続く

「おはようさんどす。」

今日もこの言葉で一日が始まった。
といっても、電話。

今朝、午前9時から予約を取られていたのだが、

「すいません。
 今日、いけへんようになってしもたんどす。」

なので、予約変更。


治療はこのようにして行っている。


これがご持参していただく舞妓さん用の枕。
高さは調節できる。
毎日これで寝ているんだ。
大変ですね。

ガンバレ!

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月28日

今日で今年の診療は終わり

最後の一日となりました。
今日一日をきちんと終えて、新年を迎えたいと思います。

12月28日から1月3日まで休診です。
1月4日より診療を開始します。

今年も様々なことが起こりました。
でもそれはそれ。
するべきことをするだけだと思います。



「幸せになる秘訣とは、

悩みごとの足し算をするのではなく、

自分が恵まれている面を数えることだ。」


                  ウィリアム・ペン(イギリスの宗教家)



「成功していない人は、何かにつけて愚痴を言い、

成功している人は、あらゆる機会をとらえて感謝します。」


                  アンソニー・バーグランド(「人生が変わる習慣」)



「自分に欠けているものを嘆くのではなく、

自分の手元にあるもので大いに楽しむ者こそ賢者である。」


                  エピクテートス(古代ギリシアの哲学者)


 




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2007年05月11日

絵画展


当院の患者様に現代画家の方がいらっしゃいます。
その奥様も患者様です。
高島屋で開催されている絵画展に出品されているとのことで、奥様からご案内をいただきました。
「京の芸術家たち、現在そして未来」という絵画展。
いい機会ですので、診療が終わったあと、スタッフと見に出かけました。

日本画、油絵、陶芸、漆芸いろいろあって、いい展覧会ですよ。
14日までやっていますから、一度見に行かれては?
入場は無料です。
入場無料といっても、上村淳之さんの絵も出品されていますからかなりレベルは高いと思います。

 
私の子供のころは、こんな風景があたりまえでした。
今はもうあまりみかけません。
その絵画展で、こんな水辺の風景を描いた油絵がありました。
昔を懐かしく思い出し、またとてもいい絵で気に入ってしまいました。
絵画展は入札形式で販売をしていましたので、入札をしてきましたが、まあ、無理でしょうね。(笑)

 
おばあちゃんの家に遊びにいったらこんな感じだったなー。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月02日

珈琲でもいかがですか?


コーヒーサーバーがやってきました。


院内改善のひとつ。
あやや衛生士から「待合室にコーヒーサーバーを置きたいんです」との提案がありました。
「すぐやる。明日からやる」がモットーなので、あややが担当者となりすぐに設置されました。
ユニマットで扱っています。
「高いんでしょう?」って?
サーバー自体は無料です。
珈琲豆だけを買えばよいのです。

これは単に珈琲をサービスするのが目的ではありません。
患者様に珈琲をゆっくり飲んでいただきながら、受付のスタッフとゆっくり会話をしていただくことが目的なのです。

珈琲は一杯105円(税込み)です。医療費控除がききます。

ウソですよ!(笑)

珈琲だけでも飲みに来ていただいてかまいませんから。
お待ちしています。


これも小さな院内改善の一つ。
待合室にトイレの案内板がなく、患者様に時々「お手洗いはどこですか?」と聞かれることがありました。
で、設置することに。


ホームセンターに行ってみましたが、安っぽいものばかりで、待合室の雰囲気に合いそうにありませんでした。
仕方がないので、コルクボードを買って・・・・・作りました。
でも、案内板をつけたからと言ってそれで終わりにはしません。
今初診の患者様の予約があるときは、その時間の10分前には担当になる衛生士が入り口で待機し、いらっしゃったら「○○さんですね。ようこそ。担当の衛生士の△△です。」と名刺をお渡ししてご挨拶をしています。
そして、受付のときも横でお世話をします。
診療室に入っていただくときに院内の案内をするのですが、そのときに「お手洗いはこちらです。」と言うように統一をしました。

珈琲でもいかがですか?#2に続く

 

 

posted by maruoka-yoshimitsu at 10:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月17日

ううう

 
 



風邪です。
熱はないのですが、少し悪化しました。
患者様も風邪でのキャンセルが多くなっています。
流行っているようですので、皆さんもご注意を。
明日は難しいインプラントの手術があります。
早くよくなることを祈ります。





こんな毎日ですわ。

 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

役得と極上のサービス

さてこの方のその後


2週間後の状態。
すっかりきれいに治っている。

で、このお礼にということで今日はお食事に誘っていただいた。
まあたまにはこんな役得もある。


四条縄手下がる「廣びろ」というお店。
ちなみに、お品がきには一切金額は記入されていない。


カワハギの薄造り
これは私の大好物。
肝で作る共ダレが大好きなんである。
フグより美味しい。






タグのついた超一級の蟹
残念ながら、この蟹は私の口には入らなかったのだが、いいものを見せていただいた。(この蟹ではない)

食事をしていると、スーツを着た60歳ぐらいの男性が入ってこられた。
店主と親しげにお話をされている。
常連さんらしい。
この蟹はその方のご注文。
一体いくらするのか?

しばらくすると妙齢の女性が入ってこられた。
「時間ぴったりやろ?」
一目でその筋の方とわかる。
いわゆる「同伴」と言うやつ。


お二人で焼き蟹にして、バリバリと召し上がる。
一匹あっというまに無くなった。
そこでホッと一息つかれていると、店主が男性に「これ忘れてはったでしょ?」とラップに包んだ小さな箱を差し出した。
「何や?」
「この間、タバコ忘れて帰られましたよ。」
「そうか。酔ーてて全然覚えてへんわ。」

店主がラップをはがす。
一枚。
さらにもう一枚のラップで包まれていた。

そう、気が抜けないようにラップで二重に包んであったのだ。

これが心のこもったサービス。
もちろん最高級の蟹を一匹オーダーできる常連に対するサービスであるということがミソだが。(ちなみに蟹ミソは甲羅焼きで食べられていた)


雲子とウニたっぷり。
とても熱くて、唇を火傷。


写真をとる前に、食べてしまった。




蟹の身たっぷりの蒸寿司。
(実は私は蟹はそう好きなほうではありません。蟹より伊勢えびのほうが好きです。何かの折にはお気にとめておいてください。笑)

 

  
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2006年11月01日

四柱推命

皆さんは占いって信じますか?

私は現実主義者ですので、霊や幽霊などは全く信じないのですが、ある事情があり、8年前に四柱推命で占ってもらったことがあります。
そのときに突然あることを言われ、とても不思議に思っていました。
それが最近現実となり、それもそのときには予想もしなかった形で。
とても妙な気分です。

妻も独身時代に友人に連れていかれ、別のところで占いを受けたそうです。
そのときに、
「あなたは先生と呼ばれる人と結婚する。
子供は二人でき、一人は娘。
その娘とは切っても切れない関係になる。」
と言われたそうです。
先生と呼ばれる人と出会う確率と娘との関係はまだわかりませんが、あとは全て現実となっています。
子供がいないから、3人できるまでのパターンがあると仮定すると、上記を的中させる確率は17%になります。
決してすごい数字ではありませんが、あてずっぽうで的中させるのは難しい確率です。

やはり中国四千年の歴史の賜物でしょうか。
おかしいでしょうか?

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2006年07月13日

ジダンは示談にするのか?

W杯のあの頭突き事件。
どのテレビニュースででも大きく取り上げられていますが、そこまでして報道しなければいけないことでしょうか?
単にサッカー選手同士の喧嘩でしょう?
いくら世界が熱狂するW杯といってもねー。

パックスロマーナがなぜ終焉を迎えたか?
そんなことも考えてしまいます。

大変疲れており、今日も忙しいので、今日はこれだけ。

 
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2005年11月29日

内田先生からメールが来た。

内田樹先生のブログを読んでいたら、こんなエントリーこんなエントリーがあった。
どうしても内田先生のお話を聞きたいので、こんなメールを送った・・・

..................................................

大変お忙しいことは重々承知のうえで初めてメールをいたします。
毎日ブログを拝見し、先生の著書も愛読しております。

今週の土曜日に同志社女子大で日本イスラエル文化研究会があり、
そこで先生が研究発表をされるとのこと。

どうしても拝聴したいのです。

日本イスラエル文化研究会に関していろいろ検索しましたが、
事務局が早稲田大学文学部にあり、代表者が大内宏一先生とまでしかわかりません。

失礼は重々承知しておりますが、このメールが幸運にもお目に止まりましたら、
場所(京田辺キャンパスか今出川キャンパスか?)と開始時間を教えていただけませ
んでしょうか?
どうしても先生のお話をおうかがいしたいのです。
よろしくお願いします。
..................................................

そうしたら、返事をくださった。

..................................................

丸岡さま

聴講希望ありがとうございます。
イス研の研究例会は公開しておりまして、新聞でも告知するのですが、いつもぜんぜ
ん人が集まりません・・・

私のブログのevent 欄に今朝ほど告知を載せておきましたので、詳細はそちらをご覧
下さい。
12月3日(土)午後2時から5時まで、同志社女子大のジェームズ館203教室に
て開催されます。
もちろん無料ですし、事前の申し込みも不要です。

内田樹
..................................................

と言うわけで、現在大人気の内田樹先生の講演(それも「レヴィナスの時間論」)をですよ、無料で聞けるわけですから、絶対に行かないと。
案内はここに載っていますが、再掲しておきます。

..................................................

日本イスラエル文化研究会研究例会

ユダヤ学のコアでディープな研究者たちが一堂に会し、「マッド・サイエンティストの会」とひそかに囁かれる、「あの」イス研の例会がことしもひっそりと京都の一角で秘密裏に開催される。
意外なことに、イス研は『エンサイクロペディア・ジュダイカ』に「日本におけるユダヤ学のセンター」として言及された唯一の団体なのである(私もたまたま「日本」の項目を読むまで知らなかった)。
そして、私はその秘密結社的学会の古株の会員なのである。
ふふふ。
秘密裏といったけれど、実は公開なのである(新聞で広告しても誰も聴きに来ないが)。
今回の研究例会では「あの」山本尚志さん(ご存じない方はウチダのブログを検索してください)と私が発表担当。

日時:12月3日(土) 午後14時ー17時
ところ:同志社女子大学ジェームズ館J203
ゆきかた:地下鉄烏丸線今出川下車 御所を右手(つまり南側)に見ながら東へ200メートル
題目と報告者
 「カスペ事件再考・ハルピン昭和8年のピアニスト誘拐殺害事件」山本尚志
 「レヴィナス『時間と他者』を読む」                   内田樹

「ユダヤ人が出てくる」という以外にまったく関係のない論題が二つ並ぶというのがまことに「らしい」ですなあ。
..................................................

 


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2005年10月29日

時間外指定

先日夕ご飯を食べていましたら電話が鳴りました。
家内がそれを取り、

「患者さん。」
とのことで、私に受話器を渡しました。

「はい。お電話かわりました。」
「あのー。丸岡歯科の方ですか?」
「はいそうですが。」
「8時半に見て欲しいんですが。」
「はぁ?」

 沈黙

「8時半に見て欲しいんです。」
「どうされました?」
「歯が痛いんです・・・」
 
 沈黙

「はあ。」

 沈黙

「それでは今回は特別ですよ。」
「はい。」

雰囲気わかっていただけますでしょうか?
別に「有難く思え」というわけではないのですが、「スミマセン」とか「見ていただけますでしょうか?」とか「ご都合は?」とかは全くおっしゃいません。

仕方なくご指定の時間に病院に行って用意をしました。

8時半にお越しになりましたが、ほとんど何もおっしゃいません。
ごくごく普通の20歳台の女性です。
保険証を見ると近所のデパートで働いているのがわかりました。
8時閉店ですので、それから来られたわけでしょう。

診療室に入っていただきましたが、恐縮するわけでもなく普通の診療と全く同じです。

突然痛くなったわけではなく、どこかで治療を中断し放置していたものが悪化していました。
その歯だけではなく他の歯も何本かそのような歯がありました。
痛い歯の処置を済ませました。

受付にて

このような方は経験上、きちんと通院されることは100%ありませんので、「ハイ サヨウナラ」と言いたいのですが、医師としての勤めは果たさなければなりません。
「どうされますか?」
とお聞きしたところ、
「来たいと思います。」
とのことでしたので、次回のご予約をお取りしました。

「さようなら。」
全く普通にお帰りになりました。

そして次回のご予約の時間・・・

お越しになりません。

電話をしました。

出られません。

もうビックリもしないマルオカです。
「あーあー。そんなもんよ。」

この方がガングロ、茶髪で「オメーヨー」みたいなヤツならわかるのですが、これが今の普通の状況なのです。
職場でも普通に仕事はこなされているのでしょう。
確かに、時間外の時間指定を一方的にされたのは始めての経験でしたが。

私が脳について考える時、よくコンピューターの仕組みを参考にするのですが、人間の脳は有機物で構成されており、色々な柔軟な反応ができるのです。
しかし、このような方の脳は粗悪なシリコンとバグだらけのOSでできているのだから、もうしかたがないのだと腹を立てる気にもなりません。

患者様を見ていると、お母さんが時間にルーズな場合、その子供も100%時間にルーズです。
お母さんがきちんとしているのに子供はルーズというケースはありますが、その反対、つまりお母さんがルーズなのに子供はキチンとしているということは100%ありません。
恐ろしいのはこのような若い女性達がもう数年もすれば母親になるということです。

このようなもはや「物体」と呼ぶべきモノが、ジワリジワリと増殖していっている日本・・・もうあきらめるべきなのでしょうか?

 




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2005年10月18日

歯の健康相談 2

歯の健康相談1の続き

七条署の警察官の方とマウンテンバイクが本当にマルオカのものか確認しに行ったところ、趣味の悪いシールがべたべたと張られている。

「これですが、間違いないですか?」
「はい。間違いないのですが、こんなシールは張っていませんでした。」
「ああそれね。ばれんようにそんなことするんですわ。」

これでは軽量アルミのピカピカスタイリッシュボディーが台無しである。
おまけに大きな「Jeep」のロゴもはずされている。
まったくとんだ災難だ。


それから書類に記入である。
住所、氏名、職業 etc.いろいろ書かないといけない。

「書けました。これでいいですか?」
「はいはい。どれどれ。
 それと盗難したやつ●●というのですが、どうします?
 被害届だされますか?
 それともこちらで厳重注意ということでよろしいでしょうか?」

こんなことはしょっちゅうなんだろう。

「いいですよ。おまかせします。」
これ以上面倒はゴメンである。

「はー。歯医者さんなんですか。
 エーと。私歯槽膿漏でねー。
 アレやコレや。
 ・
 ・
 ・
 いろいろ。」
「そうですか。
 それは、こうで、ああで・・・」
「なるほど。ありがとうございました。
 それでは手続きをしますので、あちらでしばらくお待ちいただけますでしょうか?」
「わかりました。」

イスに座って待っていた。
すると前に何やら人影が・・・

「あのー。私時々歯ぐきがはれるんですが。」
「はぁ?」

その後ろにももう一人立っている。

つまり、ヒマそうな(実際はそうではない)歯医者が来たという情報が七条署内にまわったらしく、歯の何でも相談が始まったわけです。

5人ほどの相談を受けたところで、1時間は過ぎたと思う。

「あのー。もう帰っていいですか?」
「あっ あっ すいません。
 それでは、この件は厳重注意ということで。」
「はいはい。」

警察官のみなさんも歯はお大事に。

  
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2005年10月17日

歯の健康相談 1

昼休みに自宅から電話があった。

「七条警察から電話で、あなたの名義の青いマウンテンバイクが捨ててあるって。」
「えー。そんなん知らん。青いマウンテンバイクなんて乗ったことがない。」

不思議な話である。

もう5年以上前になると思うが、Jeep社のかっこいいマウンテンバイクに乗っていたことがある。
いきつけのバーで飲んでいたら、その間に盗まれた。

まもなく七条署から見つかったと連絡があり行ってみた。
名前はもう忘れたが、どこかの40歳のおっちゃんが盗み、職務質問で発覚したらしい。


と書きかけで・・・

実は、今日の診療が今終わったところ。
3時間半連続の治療は患者様も辛いが、私も辛い。
なので、続きはまた明日。

 


posted by maruoka-yoshimitsu at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月04日

国勢調査と魚の骨

今年は国勢調査の年である。
私は町内会長であるので、その調査をしなければならない。
そのため総務大臣からの委託を受け、一時的な国家公務員である。


昨夜こんなのをもらった。

昨日は、朝から昼ごはん抜きでプランニングをしていたので、午後4時ごろビールを少し飲んでローストビーフをつまんだ後うたた寝をしてしまった。

その前までは午後7時より国勢調査の説明会があることを覚えていたのだが・・・

6時ごろに家族とご飯を食べている最中、冷蔵庫からキムチを出そうとしたとき容器を落としキムチを床にぶちまけてしまった。
あわてて片付けようとしたら、開いたままだった冷蔵庫のドアの角に激しく・・・とても激しく頭をぶつけた。
そしてイスに座ると息子が、

「血でてるで。」

ハッと首筋に手をやると手の平が真っ赤になるほどの血が付いてた。
頭皮を切ると出血が多い。
ひょっとしたら裂けたのかな?と思うほどの出血だった。
圧迫をし、とにかく出血を抑える。
(止血の基本は圧迫。消毒の基本は水洗い)

出血は幸いすぐに少なくなった。
裂けていたら縫合が必要だが、残念ながらブラックジャックではないので、自分の頭は縫えない。
(手は2度自分で縫ったことがある。ちなみに上の親知らずは自分で抜いた。)
土曜日の夜だが、近所の外科もできる先生とお互い患者同士なので、もし縫合が必要になってもそう心配はない。

手探りでよく調べてみる。
たんこぶはできているが、幸い表面の傷だけのようで大事はないよう。

「よかった」と思い、食事を済ませテレビを見ていた。

・・
・・・
ウッ!7時40分だ!
しまった。
国勢調査の説明会を忘れていたー!

あわててすぐ近くの元小学校の会議室に走った。
当然みなさんおそろい。
うー。かなりはずかしい。
しかしあわてず騒がず、何事もなかったように席に着く。

大分説明は聞き逃したが、まあまあなんとか分かった。
しかし、少々ややこしいところもあり、近所の町内会長のおっちゃん達は説明をしている京都市の職員にかなりきつい言葉をぶつける。
12月に4万円前後の報酬もいただけるそうなのだが、
「そんなん、ワリニアワン。」
と怒鳴るおっちゃんもいたりする。

公務員も大変だ。
(ちなみに国勢調査は法律で定められた義務である。)

8時半ごろ終了し、家に帰ると、
「おらんし、どこいったんか?と思た。」
「国勢調査や。忘れとった。」
「そうやろー。行くっていうとったのにおかしいなーと思とった。」
「あほ。おかしい思うたら言わんかい。」

「それと、Tさんから電話で、息子さんが魚の骨が刺さって困ってるって。」
「どこに?」
「よー分からんから、電話してあげて。」

Tさんは近所。歩いて2分。
「とりあえず行きますわ。ライト用意しといてね。」

Tさんの家に着くと、中学生の男の子が「オエッ。オエッ」とえずきながら出てくる。
「もう一時間ぐらいこんな感じなんです。すみませんねー」
とお母さん。

「そこに座って、上向いて壁に頭つけて。どのへんや?」
「のどチンコの横あたり。こっちこっち。」
と指を視力検査のように斜めに指す。

「とりあえず見るわ。ここで手に負えんかったら病院いこ。」
懐中電灯で照らしてみるのだが、ライトの焦点が合わずかなり見にくい。
のどチンコの周囲を見てもそれらしきものがない。

うーん。弱った。
これは診療室開けて、診療用のライトで見ないとあかんかなあ。
ちょっと面倒と思った。

そこで全体を見てみると、喉の横のほうにちらりと半透明のものが見えた。
かなり奥である。
おまけに襞の後ろ。
ピンセットがギリギリ届くかどうか?

1度目失敗。
暗くて分かりにくい。
感だけでつかんでみる。

2度目・・・
掴めた。引っ張ると、細いが2cmほどの骨が出てきた。

M「どや?」
t「あっ。取れた。」
T「さすがー」
M「レスキュー完了やな。」

「ありがとうございました。どうさしてもらいましょう?(治療費のこと)」
「病院にきてもらってたらもらいますが、今日はいいですよ。」
「ありがとうございます。」

「魚骨除去」という治療行為の項目があり、治療費はいただいてもいいのだが、実はTさんのお父さんは前回の国勢調査のとき町内会長であり、調査の経験があるのでいろいろご教授いただく必要がある。
そのため、本日の魚骨除去はサービスなんである。

 


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2005年07月26日

振り込め詐欺または恐喝

昨日は歯に関する長いエントリーをしたので、今日はなんのネタにしようか?と思っていたら・・・・来た来た。
鴨が葱しょってやってきた。

メールボックスをみたら件名の無いメールが一通ある。
メールアドレスがki-ki-ki@infoseek.jpなどどというふざけたもの。

本当は無視したいところなのだが、たまに、問い合わせや患者様からのメールで件名がない場合があるので仕方が無くあけた。




拝啓 

昨今、個人情報の漏洩が問題となっておりますが私達は先日貴方方病院の個人情報の一部を入手致しました。
入手先等は詳しくお伝えする事は出来ませんがこの情報は間違いない物と確認いたしました。件数にして約200件、保険証番号なども記載されています。
現在、個人情報保護法案が施行されまた、テレビなどでクレジットカードの情報が漏洩され社会問題となっている事はご存知の事と思います。
個人情報の漏洩が世間に漏れますと社会的信用はご存知の通りガタ落ちです。
やはり、誰でもその様な所には近づかなくなるのが必然です。

私達は、この個人情報を買って貰うのが目的です。
恐喝と言われてしまえばそれまでなのですが・・・金額は100万です。
これが高いと思われるかは私達には分かりません。
逆に、警察に通報されてしまうのが普通です。
しかし、考えてみて下さい。
私達も馬鹿ではありませんので、保険は沢山掛けています。
正直、警察に通報されても良いです。
後悔するのは貴方方ですから・・・それでは、支払い方法です。
本日午前11時までに下記口座に振り込みをお願い致します。  
三井住友銀行 立売堀支店 普通 1328100 ヤマザキヒロユキ です。

最初に断っておきますが、入金が無い場合はどの様な事態になっても私達は関知致しません。なお、個人情報は入金確認後至急メールにて送付致します。
最後にこれは架空請求でも悪戯でもありません事実です。




歯科医院にはこんなメールやファックスが時々来る。

最近では、保健所職員を名乗る者から、
「あなたが不正を行っている事実をつかんだ。この件が上司の耳に入る前に何とかしたいので・・・」の趣旨のメールがあった。
ただこの自称保健所職員は話を作りすぎており、稚拙な文章とあいまって全く迫力がなかった。

これはメールできたか、ファックスできたかうろ覚えなのだが、
「あなたのプライベートに関する情報を得た。暴露されたくなければ・・・」
などというのもあった。
これは、簡潔でなかなか迫力は感じられたが、私はこんな状態であるので、日々、病院と自宅、それと行き着けの居酒屋「和」の間の三角運動である。
私が行方不明になったときに家内はこの「和」に電話をかけてくる。
そんなわけなので、私にはプライベートの秘密はないのだ。

こういうメールが届き始めると、歯科医師会から、
「こんなメールが会員に送られてきています。
注意をしてください。」
の警報ファックスが送信される。
もちろん文面は全く同じである。
だれか、歯科医師会の名簿を手に入れた人がいるのでしょう。

この前、自宅にはがきが届いたらしい。
「なんとかの料金が未払いになっている。示談にしたければ〜時までに、〜万円振り込め」
というもの。
内容があやふやなのは、現物を私が見ていないから。
このはがきを取っておくように言っておいたのだが、いつの間にか捨てられてしまった。
そのはがきには電話番号が書いてあったらしい。

そこで家内はその携帯に電話をした。
中年の男性がでた。

「振込みをしようにも時間が迫っているので間に合いません。
それで電話をしました。
あのー。これって振り込め詐欺ですか?」

「ウッ。・・・・・」  プツッ

うちの家内にやられるようでは、ご愁傷様である。

さて、これは推測なのだが、今日来たメールのなかに、「貴方方」という言葉が2度出てくる。
確かに、「病院の皆様」という意味かもしれないが、このような脅迫の場合はふつう「貴方」
ではなかろうか?
「貴方方」という言葉は、多数のあて先に同じメールを送っている行為が無意識に出てしまっているように思えるのだが。

まあ、ウソはなかなかつききれるものではない。
posted by maruoka-yoshimitsu at 13:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月10日

ピーポー事件

昨夜の出来事である。

12時ごろビールを一本飲んで、さあ寝ようか?と思っていた。
すると、「ピーポー ピーポー」が聞こえてきた。
ただし電子音ではなく、明らかに人間が叫んでいる。

「こんな夜中に誰や。迷惑なヤツ。」
と思っていたら、その声がだんだん近づいて来る。
ビールを飲みながら机の前の窓から外を見ていたら、自転車に乗った若いにいちゃんが「ピーポー ピーポー」と叫びながら、猫背で家の前の道を全力疾走していった。

アホである。
そして多分20mぐらい行ったところだろう、「キキーッ」とブレーキの音がして、声がやんだ。
「あー あー 酔ってたか?こけたんかなー。」
と思いしばらくテレビを見ていたのだが、その10分後ぐらい。
「ピーポー ピーポー ピーポー ・・・・・」

今度は本当の救急車の電子音がして、家のすぐ近くで止まった。
「ハハーン。あいつケガしよったな。」
そんなに私はうれしがりではないので通常は見に出たりはしないのだが、今回は外に出てみた。

家のすぐ近くの公園の前に救急車が止まっている。
そして3人の救急隊員がライトを照らしながら、公園や向かいの駐車場を探している。
「これは、あいつなんかしよったな?」
当然けが人も病人もいない。

しばらく見ていたら、無線の声が聞こえた。
「ガーガー。通報者は村上という20歳ぐらいの男性。ガーガー
 公衆電話からの通報です。ピー」

隊員A「公衆電話あるか?」
隊員B「そこにある。」
   (公園の中に小さな公衆電話がある)

やっぱりあいつである。

丸岡「あのー。私の家そこなんですが。
   さっき、にいちゃんが『ピーポー』いいながらこの道自転車で走っていきよりました。」
隊員A「エーッ。」
隊員B「20歳ぐらいやった?」
丸岡 「そうです。白い服着て。そいつちゃいますか」
隊員C「そいつや。いたずらしよったんや。」
隊員B「なんや。いたずらか。かなんなー」
隊員A「えー。こちら該当者おらず。近所の方の話では、いたずらの様子。」
無線 「ガーガー 了解。」

人騒がせなにいちゃんである。
でも私がこういう出来事に遭遇する確率は普通の人よりかなり高いように思うのだが?

(またいつかエントリーするが、中学生の時、通り魔が私の前の人を包丁で刺した瞬間を見たこともある。おまけに2人も。)
posted by maruoka-yoshimitsu at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月17日

マグロのおじさん

日曜日の夜は外食が多い。
今日は、どこといっていい案がなかったので、子供達の希望を受け入れ回転寿司に行った。
いつも行列が出来る店で、今日はカウンターに家内、息子、娘、私の順に座った。
私の横は1席だけ空席だった。

食事も中盤にさしかかったとき、私の隣の席に中年の男性が座った。
ファミリータイプの店なので、1人で来る人は珍しい。
人間観察を趣味とする私は、その時点でこれは何かあるぞという予感がした。

何気なく、ちらちら見ていた。
その店は、目の前の液晶ディスプレイで注文ができる。
席に着くや否やそのおじさんは、赤だし1つとマグロを6皿注文した。
隣の娘に、
「横のおじさん、マグロ6皿注文したぞ。」
「へー。よっぽどマグロすきなんやな。」

それから、娘とまたちらちら見ていた。
その店のお茶は粉末緑茶というもので、小さなスプーンで1、2杯のお茶の粉末を湯のみに入れお湯を注ぐとちょうどよい。
そのおじさんは、最初に2杯粉末を入れ、お湯を注いだ。そしてその湯のみをしばらくながめていたが、スプーンに山盛りで1杯、また1杯と注ぎ足し、合計で7杯の粉末を入れた。
そしてやおらデザート用のスプーンでゆっくりとかき回し始めた。

次におじさんは生姜入れを手に取り、水用のコップに半分ほど生姜を詰め込み、そして生姜入れを持ち上げたっぷりと汁も注いだ。
もはやこのあたりで寿司どころではない。
「こらじろじろ見るな。」
「だって面白い。見てしまうんやもん。」

さあ次は、6皿のマグロをおじさんが無事に取れるかが問題である。
そうしているうちに赤だしが来た。赤だしは難なくカウンターの上に。
そのあと3皿おいて、問題のマグロの行列である。

1皿、2皿、3皿目まではスムーズに・・・が、
おじさん、4皿目でちょっとつまずき少しあわてていたが、何とか6皿のマグロがカウンターの上に並んだ。
さて、これからどうするのか?6皿並べて片っ端から平らげていくのか?
おじさんは皿の上のマグロを丁寧に移動させ、1皿に4貫ずつきれいに並べ、空いたお皿を3枚積み上げかたわらに。
「几帳面やな。」
「クスクスクス。」

そこで私は最後の一皿を食べていた。すると、
「ウソッ!お父さん。お父さん。甘だれや。」
「ウン?」
「マグロに甘だれかけはった。」

そこでまじまじと見てみると、
4貫ずつのった合計3皿のマグロの上にたっぷりの甘だれが・・・・・
そしておじさんは一口赤だしを味わったあと、その甘だれのかかったマグロをゆっくりと満足げに口に運ばれたのである。

蓼食う虫も好き好きだが、甘だれのたっぷりかかったマグロの味はあまり想像したくない。
しかし案外いけるのかも?(ウソです)

このおじさんの行動をもう少し観察していたかったのだが、店内は大変混雑していたのでここで席を立った。
湯のみには、スプーンが浸かったままだった。
気になるのはあの生姜の汁なんだが、どうしたのだろう?
posted by maruoka-yoshimitsu at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月26日

危機 アネさん

[危機 梅宮さん]の続き

そんなこんなで、ナオミさんの治療をしていたある日。
スタッフが、
「先生。梅宮さんの奥さんという方からお電話です。」
と言ってきた。
何だろうと思って電話にでると、
「梅宮の家内です。
主人から、先生のところへ電話をするように言われました。
実は、主人の母親が1週間前から歯が痛いと言って困っています。
診ていただくわけにはいきませんでしょうか?」
もちろん断る理由はない。
非常に上品な言葉使いをされる方だった。

お母さんを連れていらっしゃった。
奥さんは岩下志麻風で、芦屋の奥さんといっても充分通用する。
お母さんはかなり高齢で、今で言う「認知症」。
かなり痴呆が進行しており、通常のコミュニケーションはほぼ取れない状態だった。
どこが痛いのか?どのように痛いのか?わからない。
「痛い。痛い。痛い。」と大きな声で叫ぶだけだった。

奥さんはもう疲れきっていた。
私がお母さんをなだめながら診療室に連れて行くときは、心底ほっとした様子だった。
何とかお母さんの口の中を見ると、かなり汚れている。
時々手を咬まれそうになるので、もちろん充分には見られない。
ひどい痛みがあるような状態ではなかったので、ブラシできる限りきれいにした。
そうしたら、
「大丈夫?」
「ウン。大丈夫や。」
とまた大きな声で叫ばれたので、これで終わりとした。

奥さんに、
「大きな虫歯があるわけではないと思います。
きれいにしたら、大丈夫とおっしゃっていましたので、そう心配されることはないと思いますよ。」
「ありがとうございました。」
深々とお辞儀をされた。

私も職業柄、精神障害の方と接することが多い。
この場合、このような方に共通するのは独特な目の光である。
「目は口ほどにものを言い。」である。
言葉で表現するのは難しいのだが、『澄んだ瞳でキラキラ光る』といったところだろうか。キラキラといってもその中には少し不気味さが混じる。
このときの奥さんの目がまさしくこれだと感じた。
もちろん「頭がおかしい」という意味ではなく、このお母さんの介護をはじめ、いろいろな精神的重圧に押しつぶされる寸前だと思った。
まさしく崖っぷち。早く精神科に行かないと壊れてしまうのは間違いがなかった。
このお二人にももうお会いすることはなかったが、どうされたのだろうか?

そして、この奥さんのもう一つの大きなストレスの原因を目の当たりにすることになる。

  ___続く___
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2005年03月12日

危機 梅宮さん

「危機 やさしい人」の続き

まさか、それから梅宮さん一家とのお付き合いが始まるとは夢にも思わずに・・・

それから無事ナオミさんの問題の歯の治療を終えた。
「この歯はこれで大丈夫。」
「先生。私ずっとかみ合わせの具合が悪くて悩んでるの。
全体見て、治して欲しい。
もう顎がだるくて、だるくて。」
「ウッ。」

ここで断るわけにもいかず、顎関節症の検査をしてみた。
とりたててかみ合わせの異常はなかった。
顎関節のレントゲンを撮ってみると、左右の顎関節の形、位置のバランスが悪い。
このために軸ぶれを起こしているのかもしれない。
このことを説明して、とりあえずバイトプレートを作り、治療の必要な歯をかぶせなおした。
結果は、全く症状がなくなったとはいえないが、「だいぶマシ」となった。
(ナオミさんは、今でも不定期ながらメインテナンスに来られているが、最近は顎関節症の症状を訴えられることはない。)

そんなある日。
「先生。ナオミさんのお家の方で、梅宮さんという人からお電話です。」
「エッ!」

「ハイ。丸岡です。」
「先生。あの時に一回見て欲しい言うてたやろ。
今日治療中の仮の歯が取れたんや。
そんで、先生のとこ行きたいんや。」
「はあ。では一度拝見しましょう。」

梅宮さんが来られた。
かなり長い仮のブリッジが取れていた。
残っている歯と歯ぐきの状態もかなり悪い。

「先生。かみ合わせの具合が前から悪い。
仮の歯を何回もやり直したけど、しっくりいかん。
治るか?」
「ウーン。
かみ合わせをどうこういうより、歯と歯ぐきの状態がかなり悪いようです。
今ブリッジの土台になっている歯も抜歯が必要かもしれません。
一度詳しい検査をしてからのお話になります。
今日のところは、このブリッジを仮止めのセメントでつけておきます。
検査をご希望でしたらご予約をお取りください。」

さてどうなるかドキドキものだった。
お帰りになったあと、スタッフに、
「どうだった?」
「また電話すると言われてお帰りになりました。」

この後、梅宮さんとお会いすることはもうなかった。

顎関節症は心理的ストレスでも起こると言われている。
私はナオミさん、梅宮さんの症状はストレスが原因ではなかったかと推測している。
やはりこの関係の方々のストレスは大変なものなのだろう。

現にもう1人の顎関節症の方の治療をすることになった。

    ___続く___
posted by maruoka-yoshimitsu at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月06日

危機 やさしい人

昨日の[危機 府立病院にて]の続き。

前を歩いていた梅宮さんが振り返り、LARKのパッケージを取り出した。
そして、タバコを1本私に差し出し、銀のライターで火をつけた。

梅宮さんは自分もタバコをくわえ、深々と一服したあと、私の顔をじっと見た。

「先生・・・」
「ハイッ!」
「先生はやさしい人やなー。」
「ヘッ!」
「こんな夜中に、ここまで一緒には来てくれへん。」
「アッ。まあ、仕事ですから。」
「そうかー?
実は、ワシも歯が悪うて、高槻の歯医者に通ってるんや。
あの先生、こんなことしてくれへんやろなー。
それでな、相談やけど、先生見てたら、ワシ、先生に治療してもらおかと思うてるんや。」
「エッ。なんでまた。」
「いろいろやってるんやけど、も一つ具合が悪い。
ワシも先生のとこ行っていいか?」

一難去ってまた一難。
前門の虎、後門の狼。
新たなる危機である。
待合室に梅宮さんが座っている光景を想像すると・・・

「ウーン。どうでしょうかねー。どこが具合が悪いんです?」
「かみ合わせがなー。前からずっと悩んでる。」
「でも、かかりつけの先生があるのでしたら、やっぱりそちらで治療してもらったほうがいいんじゃないですか?
私の所へこられても、また一からですしねー。」
(クッ クッ 苦しい・・・)
「そんなもんかー?」

そこへナオミさんが出てこられた。
「終わったよ。」
「おい。大丈夫か?」
「だいぶ、楽になってきた。」
「そうか。
ほな、先生送るわ。」
「先生。家どこや?」
「病院の近くです。」

帰り道は最高級のベンツの乗り心地を充分に味わいつつ、もうあの話が出てこないように心底祈っていた。
家の前まで送ってもらい、別れ際に
「先生ほんまにありがとうな。」
と梅宮さんは言われた。
もうあの話は出なかった。

帰ったらもう午前1時をまわっていた。
それからワインを1本空けた。
3時ごろに寝たのを覚えている。

まさか、それから梅宮さん一家とのお付き合いが始まるとは夢にも思わずに・・・

    ___続く___
posted by maruoka-yoshimitsu at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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