昨夜7時すぎ、自宅にいたら消防車のサイレンが鳴り響いた。
それも何台も。
近所の人達が慌しく行きかっている様子。
近くだ。
外に出てみる。
消防車が見えるところに止まっている。
自宅周辺は狭い道が碁盤のようになっている。
なので、給水孔(マンホールみたいなやつ)のところに一台一台と停車し、ホースをつないでいる。
ホースをたどっていくと、人だかりがしている。
なにか臭いがする。
が、煙などは見えない。
事情がわからない。
顔見知りの人達の話から断片的に・・・・
「あの三階立ての家がありますやろ。
あの上(カミ:京都では北のこと)に、路地があって、その奥に三軒あるんやけど、そこが皆、空き家」
「そこかいな。燃えたん?」
「いや。そうやない。臭い。」
「臭いから電話したん?」
「いやきな臭い。」
わかったようなわからん話。
別の人が、
「消防の人が、『放火かもしれんなぁ』って言っとりましたで。」
「ああ、やっぱり。」
「この辺も物騒になりましたなぁ。空き家も増えたし。」
「うちとこ、こないだ、車のナンバー、前も後ろも盗られましたわ。」
別のうるさいオッサン。
火事はそっちのけで・・・・・
「ほれ、あの○○のとこ。ややこしいのが入りよって。」
(1年ほど前にできたマンションの入居者のこと。○○さんはそのマンションの持ち主)
「へーぇ」
「ワシ、最初に言うたのに。コレや。」(人差し指を頬に斜めにあてる)
「そうかいな」
「出て行きよらへん。居住権があるしなぁ。」
「そらややこしい」
「ほいでな。○○が『町内でなんとかしてくれまへんか?』やて。何を言うとるんやっちゅうやつや。」
「ははは」
「そのコレ(頬に指)、このまえ、新聞沙汰になっとった。××で事件起こしたって。」
「そんなんわからんかったんか?」
「女が借りにきよる。」
「ふーん。女がなぁ」
○○さん大変やなぁ。
そうこうしているうちに、消防士さんたちがホースをはずし丸めだした。
事なきを得た様子。
雨がパラつきだしたので、私も撤収。
帰る途中、ある料理屋の前。
そこの大将が二人連れに向かって
「よう。ご両人おそろいで。」
どこかで見た中年のご夫婦。
「あれー。はさまれてしもうた。」
「あれまあ。」
「あそこと、あそこ。動かれへん。」
よく見たらお二人とも患者様。
消防車に前後をはさまれ、車が動かせない。
ご愁傷様。
で、皆さん知ってます?
消防車が出動するとき、サイレンだけの時と、サイレンと鐘を鳴らしている時があります。
あの鐘は何か?
小さいころ、母親が「あの鐘は火事が近くにあるんやで。」と言っていたが、コレは間違い。
あの鐘は、警鐘と言いう。
消防車が、火災で出動する場合は、サイレン音「ウーウー」と警鐘「カンカン」を鳴らし走行する。
火災以外の救助や他の出動の場合は、サイレン音のみ。
これで、消防車が火災で出動しているのか、他の理由で出動しているのかがわかる。
また、火災現場から引き揚げる時に、警鐘のみを鳴らして帰る。
これは、鎮火信号と言って、『火災が消えましたよ』と知らせるためのもの。
『今火災からの帰りですが、火災には注意してください』という火災予防の意味も含まれている。
で、そんなこんなで、同日の午後8時25分。
少し遠いが、またサイレンと警鐘が鳴っている。
連続放火か?