2013年02月08日

バイオフィルムと歯周病と薬物療法(3DS)#1


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口内細菌「バイオフィルム」 肺炎など重い病気の原因にも
産経新聞 2月7日(木)8時1分配信

複数の細菌が固まり、ぬるぬるとした状態になった「バイオフィルム」。
口の中のバイオフィルムは、虫歯や歯周病だけでなく、肺炎など重い全身の病気の原因になることもある。(油原聡子)

 ◆菌の集合体

 東京歯科大の奥田克爾(かつじ)名誉教授(微生物学)によると、バイオフィルムであるデンタルプラークは複数の細菌の集合体だ。
バイオフィルムは、細菌が周囲にねばねばした物体を作って個体がくっつき合い、集団になったもの。実はバイオフィルムは身近な存在だ。「台所やお風呂場の掃除をさぼると出てくる、ぬるぬるしたものも細菌の固まり、バイオフィルムです」(奥田名誉教授)

注目されているのが、口の中のバイオフィルムだ。人の口の中には500種類を超える細菌がいるという。
奥田名誉教授は「口の中の細菌は、唾液成分や歯と歯茎の隙間からにじみ出る成分を栄養源にして繁殖する」と指摘する。バイオフィルムは、ねばねばした膜で包まれているため、抗菌剤や免疫機能が効きづらいという特徴がある。

口の中のバイオフィルムには、虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病の原因となる細菌も集団で潜んでいる。その中で、全身疾患に関わりがあるとして注目されているのが歯周病原細菌だ。

歯周病は主に歯周病原細菌によって起こる。歯の周りのバイオフィルムが、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)を作る。炎症を起こして歯茎が赤く腫れるほか、出血が見られることもある。
進行すると歯周ポケットが深くなっていき、歯を支えている組織に炎症が及ぶ。すると、口臭が発生し、歯を支える骨が溶けて歯がぐらつき、かめない状態になる。

 ◆高齢者は注意

歯周病は日本人成人の7割以上がかかっているとされる。歯周病原細菌が関わっている病気で、高齢者が特に注意したいのが誤嚥(ごえん)性肺炎だ。

誤嚥性肺炎は、歯周病原細菌などが唾液とともに肺に流れ込んで起こる疾病で、高齢者に多く発症する。通常は、唾液と一緒に飲み込まれた細菌は胃液によって「殺菌」される。寝ているときも唾液を飲み込む「嚥下(えんげ)反射」が起こり、細菌の気道への侵入を防いでいる。

元気な人なら、せきなどによって細菌を排除できる。また、気道粘膜に生えている細かい繊毛(せんもう)によって唾液が肺に流れ込まないようになっている。
しかし、高齢者は嚥下反射が低下しているため、細菌が肺や気管支に入り込んでしまうという。奥田名誉教授は「高齢者になると免疫力が低下し、抗菌作用のある唾液の量も少なくなり、歯周病になりやすくなる」と話す。

歯周病原細菌が関係している可能性がある病気では、脳血管障害や心疾患のほか、糖尿病や低体重児の出産との関連も報告されているという。

慶応大の中川種昭教授(歯科・口腔外科)は「歯周病原細菌が歯茎に入り込むと、歯茎を通る血管を通じて全身に回ってしまう」と説明。「口の中の細菌をコントロールするケアは、予防にも、治療後の再発を防ぐためにも重要だ」と指摘している。

 ■眠る前のケアが大事

口の中のバイオフィルムの予防には、毎日の歯磨きなどのセルフケアと専門家による定期的なチェックが重要だ。

中川教授は「特に眠る前のケアが大事」と話す。バイオフィルムは、口の動きが少なく、刺激によって出る唾液の少ない睡眠中に増加。
さらに、薬剤や免疫機能が効きにくいという。このため、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシで物理的に除去するのが有効だ。歯ブラシが届かない部分のケアには、抗菌性の高い洗口剤を日常的に使うと効果が高い。
バイオフィルムが歯石になってしまうと自分で除去するのが難しく、歯科医院で除去してもらう必要がある。
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「口の中の病気・・・・虫歯も歯周病も、細菌が起こす感染症です。」
と患者さんに必ずお話しするのですが、なかなか理解していただきにくい。
なので、位相差顕微鏡という細菌を生きたまま見られる顕微鏡を購入し、ご自分のバイオフィルムの中の細菌を見ていただくようにしています。
ほぼ全ての方は・・・・・・・うじゃうじゃと細菌がたくさん。
中には元気に飛び回っているヤツも。

さすがに、これはインパクトがありました。

「えっ。もう見たくない」
「唾を飲み込むのがいや。」

とか言って驚かれます。

この細菌をできるだけ少なくしたいわけです。
でもお口の中は複雑な形、そしてじめじめ。
確かにブラシもフロスも頑張っていただかないといけないのですが、それでも限界があります。

そこで、スタッフに協力をしてもらって、消毒薬でこの細菌を減らすことができないかと実験をしてみました。
するとビックリ。
驚くような効果が位相差顕微鏡で確認できました。

その方法はまた来週にでも・・・・・・

バイオフィルムと歯周病と薬物療法(3DS)#2に続く


  
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2010年10月01日

厄介な歯周病


昔は歯槽膿漏と言っていましたが、今は歯周病ということが一般的です。

歯周病とはこんな病気
今までは、「歯周病菌が原因。しっかりプラークコントロールをしましょう。」と患者さんにお話ししていたのですが・・・・・・


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奥羽大教授が歯周炎の原因細胞突き止める

奥羽大薬学部生化学分野の大島光宏教授は5日までに、これまで原因が特定されず、細菌を除去する治療が主流だった歯周炎=歯槽膿漏(のうろう)=について、歯周炎患者の歯肉の線維芽細胞に原因があることを突き止めた。
大島教授が中心となって行った日大、筑波大、スウェーデンのウプサラ大、ドイツのフンボルト大との共同研究で、論文が8月、権威ある米歯学専門誌「ジャーナル オブ デンタル リサーチ」電子版に掲載された。
「細菌の影響」というだけでは説明がつかなかった部分が解明され、歯周炎治療に新たな方向性が見つかった。
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もう15年ほど前に、「遺伝的に歯周病菌に対する耐性がない人が白人で10人に2人、日本人のデータはないのですが、中国人で10人に5人います。」という話を聞いたことがある。
確かに、お口の中がそう不潔ではないのに、急速に歯周病が進行する方がいる。

これからは、歯周病の治療法が大きく変わるかも。
ホームページも作りなおさないといけなくなるか。

でもここ、「細菌の影響というだけでは」というところ。
やはり直接の原因は歯周病菌ですから、プラークコントロールは大事です。


 
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2009年12月01日

分割抜歯よりクラウンヘ#4

分割抜歯よりクラウンヘ#3より続く

この方の左下の奥歯にも問題があった。


▼の歯。


レントゲンを撮ってみると、▼の部分は歯周病で根の先まで歯を支える骨が溶けてしまっている。
抜歯が必要。


前後のブリッジとクラウンをはずし、▼の歯を抜歯する。


仮のプラスチックのブリッジをセットして傷が治るのを待つ。

分割抜歯よりクラウンへ#5へ続く

 

 
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2009年09月09日

きれいになりたい#5

きれいになりたい#4より続く

治療計画に同意していただけたが、すぐに歯を削ったりはしない。
まずこのプラークコントロールのお話から始める。
なぜ歯が悪くなるのか?歯石はどういうものか?なぜ歯石を取らないといけないのか?歯周病はどんな病気か?全てを理解していただいた上で
プラークコントロールの技術を身に付けていただく。

 
たくさんの歯石が付いているので、まずプラークコントロールがしやすい環境を作るために歯ぐきの上の部分の歯石を落としていく。
一番問題になるのは、歯と歯ぐきの間にある溝の中の歯石なのだが、炎症がある状態でそこまで取ると非常に痛い。


下の前歯の裏側は一番歯石がつきやすいところ。


除去した歯石。かなり量が多い。

 
大まかな歯石取りが終わったところ。

きれいになりたい#6に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月22日

歯周病の新治療器開発へ

歯周病の新治療器開発へ 東北大とリコー光学など連携

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東北大と精密機器製造のリコー光学(岩手県花巻市)などが連携し、新しい殺菌技術を応用して歯周病などの口腔(こうくう)感染症を治療する機器の研究開発プロジェクトが始動する。活性酸素と可視光レーザーを照射し、殺菌力がより強い「フリーラジカル」と呼ばれる物質を生成、病原性細菌を死滅させる。実用化されると、従来の器具では届かない部位の治療も可能になり、患者の負担軽減も期待される。

プロジェクトは、新事業創出を目指す産学官連携の取り組みを委託契約で支援する経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」に採択された。2010年度末までの事業期間中に試作機器を開発し、動物実験で治療効果や安全性を検証、次の臨床研究に向けた土台を整える。

共同研究体は東北大、リコー光学のほか、光、レーザー応用部品機器の設計・製造などを手掛けるパックス(仙台市)と、全体を管理するインテリジェント・コスモス研究機構(ICR、同)で構成する。

 東北大大学院歯学研究科の研究グループなどによると、歯周病の治療は病原菌を含む歯根表面の歯垢(しこう)を超音波式などの器具ではぎ取るのが一般的だが、深い部位には器具が届かず十分な治療効果が得られない場合があった。人工歯根(インプラント)の周囲炎では歯根の表面形状が複雑なため、歯垢を除去しにくいケースも多い。

開発するのは、活性酸素の一つの過酸化水素を噴霧するとともにレーザー光を照射し、フリーラジカルを局所的に発生させる機器。不対電子と呼ばれる不安定な電子を持つフリーラジカルは、ほかの物質から電子を奪って酸化する力が強い。過酸化水素とレーザーが届けば治療できるため、従来手法より治療可能部位などが広がる。

歯学研究科の菅野太郎助教らの研究グループと東北大未来科学技術共同研究センターが07年から共同研究に入っていた。将来の商品化をにらみ、レーザー関連装置も製造するリコー光学などを巻き込んだ体制で開発を加速させる。
 ICRは「東北のものづくりの力を生かした医歯工連携で、全く新しい考え方の歯科治療器を東北から生み出していく取り組み。ぜひ成功させたい」と話している。
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これはいいかもしれない。

過酸化水素水(オキシドール)はもちろん消毒薬ですが、レーザーにも殺菌作用があります。
この2つの併用とそこで発生するフリーラジカルの作用は、かなりの効果が期待できるのではないかと思います。

しかし魔法の治療法ではありません。

歯周病とはこういう病気

一時的に歯周病菌を殺菌しても、24時間経てばプラークは成長しますから。

でも急性の炎症とか、重度の歯周病をある程度安定させることは可能でしょう。
実用化を楽しみにしています。


posted by maruoka-yoshimitsu at 08:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月23日

歯周病の歯の固定を兼ねたブリッジ#1


上の前歯は、左の犬歯以外は全部セラミッククラウンで被せてありますが、▲の歯が問題です。


裏側を見ると、▲の部分がプックリ腫れています。


切開をすると血と膿が出てきます。重度の歯周病になっています。

歯周病の歯の固定を兼ねたブリッジ#2に続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

不連続の2本の奥歯を失っているブリッジ@


初診時
▼の歯が重度の歯周病になっています。


裏側を下からみたところ。
歯と歯ぐきの間にある溝にプローベという器具を入れてみます。


正常な歯ぐきでも3mmの溝はありますが、ここは9mmの深さがあります。
それだけ歯を支えている骨が溶けているということです。治療は不可能ですので、抜歯が必要です。


この歯の2本奥の歯はすでに失われており、ブリッジが入っていました。
ブリッジを除去し、前の歯もブリッジの土台にするために削ります。


抜歯をしました。


すぐに仮のプラスチックのブリッジを合わせ、傷が治るまで入れておきます。

不連続の2本の奥歯を失っているブリッジAに続く

 
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2008年12月18日

骨削除A



骨削除@より続く


前回の処置より1ヶ月経った。
歯と歯ぐきの間の溝にプローベという器具を入れると・・・・・


出血をしてくる。

 
仮のクラウンをはずしたところ。
歯肉の状態は良くない。
原因はその下にある。


歯ぐきを開けたところ。
原因は▲の部分。
歯の質の端と骨がほぼ同じ位置にある。

健康な歯肉を保つためには、この歯質の端と骨は3mm離れていなければならない。


骨を削除し、その距離を取る。


歯ぐきを戻し、縫合したところ。

地味だが、歯を長持ちさせるためには大事な処置である。


 
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2008年12月16日

骨削除@

 

▲の部分が問題。


金属を除去したところ。
歯ぐきが腫れている。
歯ぐきが腫れている原因はその下にある。

まずは準備。


腫れている歯ぐきを電気メスでカットし、


仮のプラスチックのクラウンを入れる。
そして歯周病の治療をする。

骨削除Aに続く


 
 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月25日

歯周病と歯周ポケット




▲の部分の歯ぐきが腫れている。
歯と歯ぐきの間にはポケットと呼ばれる溝がある。
正常値は3mm。


腫れている部分の溝の中に、プローベという溝の深さを測る器具を入れてみる。


10mm以上の深さがある。
これだけの深さがあるということは、歯ぐきの下の歯を支える骨が溶けてしまっているということ。


プラークコントロールや歯石取りをすれば、一旦は腫れは引く。
しかし、この深い溝の奥まで常にきれいにしておくことは不可能に近いので、腫れは繰り返す。

ということは、骨の吸収が広がることになる。
そうなると、この歯の前の歯に悪い影響が出ることが予想される。

なので、抜歯も治療のひとつの選択肢となる。


 
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2008年10月06日

歯周病とポケット@




少し歯ぐきが荒れているところがあるが、一見健康そうに見える。


歯と歯ぐきの間には溝がある。
これをポケットと言う。
正常値は3mm。
この器具の先端の▲のメタルの部分は、3mm。
その上の黒い部分も3mm。
この器具をそっと溝の中に入れてみる。


3mm+2mmで、ポケットの深さは5mmということになる。
歯周病が進行している。
つまり、歯ぐきの下の骨が溶けている。


こういうこと。

続く


 
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2008年09月01日

歯周病の手術 フラップオペレーション



▼の歯が歯周病である。


歯と歯ぐきの間の溝が、深くなってしまっている。
つまり、周囲の骨が溶けているということ。


その溝の内側の病気の歯ぐきをメスで薄くそぎ取る。

 
そぎ取った歯ぐき。


歯の根を露出させたところ。
▲の部分、歯の根が二つに分かれている股の部分の骨が溶けているのがよくわかる。
この部分を徹底的にきれいにし・・・・・・


縫合して手術は終わり。


一週間後、抜糸をしたところ。
きれいに治っている。

 
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2008年06月09日

歯周病の全身への影響




[シカゴ 5月27日 ロイター] 


歯周病によりがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が27日明らかになった。
インペリアル・カレッジ・ロンドンのドミニク・ミショー博士らが専門誌に発表した。
歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、がんを患う可能性が全体的に14%高いことが判明した。
論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」としている。
これまでの研究では、歯周病で心臓病や糖尿病の発生リスクが高まる可能性が示されていた。

 
 

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2008年03月26日

延長ブリッジ@


▼の歯が末期の歯周病


歯と歯ぐきの境目に、このプローブと呼ばれる器具を入れてみる。


この歯と歯ぐきの境目の溝の深さは、正常値は3mm。
この歯は、11mm以上入ってしまう。
歯を支えている骨が、ほとんど根の先まで溶けてしまっているということ。
抜歯が必要。


骨がなくなっているため、抜歯をした後インプラントができない。
なので、延長ブリッジという方法で治療をする。
そのため、前の3本の歯を削っておく。


抜歯をした後。


抜歯をした歯。
▼の部分に歯石がたくさんついている。

延長ブリッジAに続く

 

  
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2008年02月19日

歯周病の迷信A

 
歯周病の迷信@より続く

ホームページの歯周病のページの更新をしています。
画像の配置などは違いますが、その原稿を順次アップしてみます。
それで、「こんなことがわからない」「こんなふうにした方がいい」など、ご意見をいただければありがたい。

今回の更新にあたっては、あまり専門的な知識に関して述べず、とにかく

1.歯周病の原因は感染であること。つまり細菌が出す毒素で歯を支えている骨が溶ける病気であること。
2.歯周病は慢性疾患であるので、自分では進行していることがわかりにくいのです。そのために定期的に専門的なチェックが必要なこと。
3.治療より予防が大事なこと。

このことをわかっていただけるようなページにしたいと思っています。

【歯周病の迷信】

その弐 歯は抜かない方がいい?

そうとは言い切れません。
早く抜いてやらないと、今なら救える歯まで失いかねません。

      

●の歯は末期の歯周病です。
根の周囲の黒くなっている部分は骨が溶けています。
この歯根の表面が不潔なために、歯周病菌が出す毒素で
骨がどんどん溶かされています。
早く抜かないと▼のエリアの骨もどんどん溶けていきます。
そうなれば■の歯まで失うことになります。

 
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2008年02月15日

歯周病の迷信@

ホームページの歯周病のページの更新をしています。
画像の配置などは違いますが、その原稿を順次アップしてみます。
それで、「こんなことがわからない」「こんなふうにした方がいい」など、ご意見をいただければありがたい。

今回の更新にあたっては、あまり専門的な知識に関して述べず、とにかく

1.歯周病の原因は感染であること。つまり細菌が出す毒素で歯を支えている骨が溶ける病気であること。

2.歯周病は慢性疾患であるので、自分では進行していることがわかりにくいのです。そのために定期的に専門的なチェックが必要なこと。

3.治療より予防が大事なこと。

このことをわかっていただけるようなページにしたいと思っています。

【歯周病の迷信】

その壱 年をとるから歯が悪くなるの?

いえいえ違います。
歯周病は歯周病菌によって起こります。
歯周病は、不潔な(プラークコントロールができていない)状態で長年生活をしてきた結果なのです。
お風呂に入らず生活をしているホームレスの人の皮膚は、どんな状態になりますか?

   

ホームレスの病気で年間を通して一番多いのは皮膚病だという。
朝のトイレでも濡れたタオルで身体を拭きながら、ボリボリとかいているホームレスの姿も見られる。
入浴も限られ薬もないために、体臭で周りの人を不快にする以上に、本人の健康状態を悪化させかねない。(Livedoorニュースより)








歯周病の迷信Aに続く

  
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2008年02月08日

フレアーアウト@


この方。


こんな状態。
何が問題かというと・・・・・・


裏側からこのように、ワイヤーと接着剤で固定されている。


前歯は咬み合わない。


歯と歯の間のスペースを接着剤で埋めてあるのだが、それは歯と歯の間があいてきたから。
咬み合わない・・・・・つまり、力がかかっていないにもかかわらず歯と歯の間にスペースができてくるということは?

歯周病によって土台が緩んできたから、歯が前方に移動してきたわけである。
これをフレアーアウトという。
なので、固定をしっかりとする必要がある。
(もちろん、歯周病の治療をしっかりしたうえで)
今回は、前歯6本を連結したクラウンで固定することにした。


現状の模型を作り、


その上で、最終的にどのような歯の形にするかを設計する。

フレアーアウトAに続く

 
  
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2008年02月06日

歯周病のページB


歯周病のページAより続く
 


プラークコントロールができるようになれば、次はスケーリング&ルートプレーニングを行います。

スケーリングとは歯石を取ること。

ルートプレーニングとはザラザラになっている根の表面をツルツルにすること。

歯石をなぜ取らないといけないかは、こちらを参照してください。

当院に来られた患者様に、「歯石は何のために取らないといけないかご存じですか?」と聞くとほとんどの方は答えられません。

「う〜ん。虫歯?」

というようなお答が返ってきます。

現在3千人以上の患者様の治療をしてきましたが、正確に答えられたのはお1人だけでした。
その方は、京都大学の理系のある講座の准教授でした。

「歯石を取りたい」と皆さんおっしゃいますが、何の為に取るのかをほぼ100%の方が理解しておられないわけです。
歯周病に関する正しい知識を持っていただかなくてはならない、大きな理由の一つです。

まずプラークの正しい知識を知っていただき、正しいルートプレーニングの方法を身につけていただきます。

そして、まず大まかに歯ぐきの上についている歯石を取ります。
問題になるのは、歯ぐきの下についている歯石なのですが、まだプラークコントロールが不充分な状態では、歯ぐきが腫れています。
その時に歯ぐきの下まで器具を入れると、出血も多く、とても痛いのです。

このため、「歯石取りは痛い」「歯石取りは嫌だ」ということになってしまいます。
なので、最初は痛くない程度の歯石取りをします。
これは、プラークコントロールがしやすい環境を作るためのものと考えて下さい。

歯石の表面はザラザラですし、特に下の前歯の裏側は歯石がつきやすく、歯と歯の間が歯石で埋まっているような方もいます。
それではフロスも通せません。

続く

 


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2008年02月05日

歯周病のページA

昨日の記事に関してコメントをいただきました。
非公開を希望されていますので、表示はされていませんが、それについて気になったことで、また皆さんにわかっていただきたいことを書いてみます。

歯周病の直接の原因は「歯周病菌」。
これだけです。
あと、その進行を早くする因子としてDNA、咬み合せの異常などがあります。
なので、治療するにしても予防するにしても、まずはプラークコントロールです。
これができなければ、どんな薬も治療も意味がありません。

ですが、歯ブラシだけで「磨け!磨け!」だけではそうきれいになるものではありません。
フロスや他の補助器具を使い分けることも重要です。

ですので、歯科医院を選ぶには、このプラークの知識を最初にきちんと説明されている医院がよいでしょう。
磨けと言われても、何を取らないといけないのかわからない状態ではそれは無理です。

それと、私たちが一番大事だと思っていることは、プラークコントロールができていないからといって・・・・・・決してそれを責めないことだと思っています。
特に患者様の人格を否定するような責め方はもってのほかです。
それをすると、患者様の気持ちは一挙に離れてしまいます。

次に大事なことは、スケーリング&ルートプレーニング。
これについてはまた明日。

歯周病のページBに続く

 
 
 
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2008年02月04日

歯周病のページ


今、ホームページの「歯周病」のページを作り変えています。

歯周病に対する認識に関しては、私たちと患者様の間には大きな隔たりがあります。
それをわかっていただくのはなかなか難しい。

なので、専門知識をたくさん載せるより、一般の皆様にとにかく理解していただけるようなページを作ろうと思っています。

わかっていただきたいのは・・・・

歯周病は細菌によって起こる感染症であること

感染によって、歯を支えている骨が溶けていく病気であること

治療より予防が大事なこと


今はここまで来ています。

それで、ご覧になっている方にお願いがあります。

歯周病に関して、

どんなことが分かりにくいか?
どんなことが知りたいか?

ページ作りの参考にしたいと思っていますので、ご意見をいただければありがたいなぁと思います。
コメントに入れていただければ幸いです。

よろしくお願いします。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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