2008年04月16日

口腔底ガンのあとH

口腔底ガンのあとGより続く

私は、患者様には、「義歯は義足と同じようなものですよ。だから同じ『義』という字でしょ?」とご説明する。



現在はロボット工学や、材料学が進歩し、ハイテクの義足が登場している。
おかげで、両足義足のマラソン選手や、走り高跳びの選手も登場してきた。

ではこの人たちは、高性能の義足を装着した瞬間から、スタスタ歩け、走って、跳ぶことができただろうか?
それは無理だ。



やはり、ゆっくりと歩く練習から始め、躓いたり転んだりしながら何ヶ月もかけて新しい義足に慣れたはず。
また、本人も周囲の人もそれを当り前だと思っている。

しかし、義歯に関してはそうではないように思う。
新しく義歯を作って入れたその日から、噛めるのが当たり前だと思われていないだろうか?

歯科治療に関しては、このような一般の考え方と違うイメージを、なぜか持たれている場合が多い。

他にもある。
例えば健康保険以外の治療に関すること。
健康保険外の治療に関して「治療費は○万円かかります」とご説明すると、

「それでやれば一生持ちますか?」

という質問がよくある。
私のお返事はこうである。

「かぶせたもの-セラミックなどが虫歯になることは決してありません。
でも中は、ご自分の歯です。
ですので、治療に先立ち、虫歯の原因と、もう虫歯を増やさないようなお手入れの方法についてお話をしました。
また、すべて治療が終わっても、メインテナンスということをいたします。
これは異常がなくとも定期的に、来院していただき、クリーニングとチェックをすることです。

このように私たちは、長持ちできるようなお手伝いをさせていただきますが、どれぐらいもつかは△△さんのお手入れ次第-虫歯の原因をどのように取り除いておくか-なのです。」

「でも、○万円もかかるのですし・・・・」

「△△さんは車はお持ちです?」

「はい。あります。」

「どんな車ですか?」

「クラウンです。」

「そうですか。クラウンでしたら、新車で4〜5百万円でしょうか?」

「そうですね。」

「△△さんはその車を買う時に、『一生持ちますか?』と尋ねましたか?」

「・・・・・・・・」

続く

 

 
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2008年04月14日

口腔底ガンのあとG


口腔底ガンのあとFより続く

いい入れ歯があればすぐ噛めるようになるのか?
入れ歯で噛めるようになるには時間がなぜ必要なのか?

この写真をよく見ていただくとわかっていただけると思う。


歯の咬み合わせの面の面積は案外狭い。 
ここに食べ物が保持されないと、咬み砕くことはできない。

その役目は入れ歯ではない。

舌、唇、頬がその役目を担う。 


また、口の底(舌の下側)の形や筋肉の動きも大きく関係する。
底が抜けている状態では、食べ物を上にあげることはできないから。

通常はこの4つの部位の筋肉がその役割を果たしている。
食べ物を咬み合わせの面に保持し、それを右や左や、前や奥と移動させ、食べ物を小さくしていく。(もちろん無意識に)
そして小さくなったら、口の奥に移動させ、それをのみこむ。

入れ歯は裁断と粉砕の役目をするだけで、この食べ物の移動には関与しない。
(もちろん不具合は入れ歯は、このスムーズな食べ物の移動を阻害する。)

つまり、食べるということに関しては、これらの筋肉の動きが大きな役割を果たすことになる。

続く

 
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2008年04月10日

口腔底ガンのあとF

口腔底ガンのあとEより続く

前回、いいハサミだけでは物は切れないと書いた。
しかし不良品のハサミでは、また切りにくい。


このロール状にした固めのコットンをしっかり噛みしめていただく。
痛くはない。
噛んだときに痛いのに、「噛んでください」というのは無茶である。
もちろん入れ歯の咬み合わせはよくないのだが、問題外というわけではない。


軟らかいクッキーを・・・・


噛んでみていただく。


手でクッキーを口に入れて、一回は噛み砕けるのだが、ここから先に行かない。

つまり、ハサミを使いこなせていない状態。
歯どうしが噛み合う面積は、狭い。
そこに、食べ物が乗らないと、食べられない。
一回目は噛み合せて食べ物を砕くことができても、呑み込むことができる大きさにまで小さくできない。

口腔底ガンのあとGに続く

 
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2008年04月09日

口腔底ガンのあとE

口腔底ガンのあとDより続く

口腔底ガンのあとDの最後に、「いい入れ歯があれば、必ず咬めるようになるのか?」と質問をした。

答えは「NO」。

ここでハサミを例に考えてみる。
「いいハサミだけあれば、物は切れるのか?」


これをハサミで切りたい。
このまま、ハサミを閉じても・・・・・


もちろん切れない。
当たり前の話である。
切るためには・・・・・


左手で切りたいものをハサミの刃の間に入れ、


しっかりと保持しながら、右手に力を入れて、ハサミを閉じていくと、


初めて、切れるわけだ。

わかっていただけました?

口腔底ガンのあとFに続く

 
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2008年04月07日

口腔底ガンのあとD

口腔底ガンのあとCより続く

前回、義歯には「時間」が必要であると書いた。
「時間」には二つの要素がある。
義歯が完成するまでの時間と、義歯を入れる方が新しい義歯に慣れるまでの時間。

ここでは義歯の作成方法については述べないので、関係をするのは、「義歯に慣れるための時間」。
もちろん、具合の悪い義歯を「慣れるまで我慢してください」という意味ではない。

私が新しい義歯をセットした日には、こうお話する。

「まず、頑張って出来るだけ長い時間入れてください。
気持ち悪さに関しては、入れていないと慣れません。
気持ち悪いからといって出せば、いつまでたっても慣れません。

お口の中は軟らかく、デリケートです。
ですので、今日入れた新しい義歯を入れて噛むと、痛いところが出てくるかもしれません。
新品の硬い皮靴を履いたら、靴ずれができるようなものです。
でも靴ずれと違って、義歯があたって痛いのは、ガマンしても絶対に治りません。
ですので、痛いところが出た時は、義歯をはずしてすぐに電話をしてください。
少し調整すればよくなります。

あと、義歯に慣れるのは時間が必要です。
「入れ歯」と言うと、「あ〜。年や。」と、老化の象徴のように感じられますが、私はそうは思っていません。

例えば、事故で片足を失ったら、義足をつけますよね?
私は「入れ歯」は義足のようなものと考えています。
ということは、どんないい義足を作っても、その日からスタスタ歩ける人はいないということです。
まず、義足で立つ練習、そして伝い歩き、それから転んだりしながら、ゆっくりと歩く練習をしますよね。
これと同じで、義歯にもリハビリが必要です。

なので、今日からは「リハビリをするのだ」と考えて下さい。
痛くない限りは、まず小さく軟らかい食べ物から食べて下さい。
しっかり、ゆっくり咬んで、決してあわてないこと。

○○さんは、今まで義歯が不自由でしたから、噛み方を忘れています。
噛み方を思い出しながら、しっかり奥歯で噛んでください。」

ここで、問題。

いい入れ歯があれば、必ず咬めるようになるのか?

ヒントはこれ




口腔底ガンのあとEへ続く

  

 
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2008年04月04日

口腔底ガンのあとC

口腔底ガンのあとBより続く

ここで、義歯について考えてみる。

結構「入れ歯が合わない」と悩んでいる方が多い。
そのような場合は、まずじっくり観察をする。

「なぜ、合わないと感じているのか?」

それを見極めて治療を始めないと、非常にカッコの悪い思いをする。

特に、総義歯においては、歯科医の間で「難症例」と言われるものがある。
要するに、迂闊に手を出すとえらい目にあうヤツ。
例えばこんなもの。



いわゆる「土手がない」と表現される。
特に左側は、土手と言うより、断崖絶壁。
私が手がけた総義歯の中で一番の難症例だろう。

   

この部分は舌と口の底の筋肉で保持するような形にしてある。
また、左右の形が大変アンバランス。
   

通常の歯ぐきの土手がある方の総義歯はこのような形となる。


一般の方に違いがおわかりいただけるだろうか?

このような作り方をしたから、この難症例も成功した。
証拠に、新しい義歯をセットして、「もし具合の悪いところがあったら電話してください」と言っておいたが、そのあと一度もお電話はない。
問題なく使えていると思う。(それだけのことはした。)

もしこの方の義歯を、普通のやり方で作ったら、99.99%うまくいかない。
「先生、入れ歯が動いて動いて・・・・」
「奥が痛くて咬めません・・・・」
「どうも気持ち悪くて・・・・」

そして毎日のように削ったり、足したり・・・そしてさらに具合が悪くなって・・・

「先生。もう前の入れ歯を使ってます。」

orz
orz
orz

大変格好の悪い思いをすることになる。(歯科医の皆さんはおわかりいただけますよね?)

ここでは総義歯の作製法についての専門的、技術的なことは述べない

では、新しい義歯と今までの不自由な義歯とを比べた場合、なぜ新しい義歯が不利なのか?
それは・・・・・・・・

時間

口腔底ガンのあとDに続く


 
 
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2008年04月03日

口腔底ガンのあとB

口腔底ガンのあとAより続く

まず、改造した義歯をセットし、嚥下(飲み込む)に障害がないかを確認した。
さあ、どうなるか・・・・・

   
松花堂弁当とはいかないが、用意しておいたお弁当をゆっくり食べてみていただく。


これだけ食べられた。

これだけ?と思われるかもしれないが、今まで流動食しか食べられなかった方が、固形物を咬み、それを飲み込めた。
今まで車椅子での生活をされていた方が、ゆっくりと2、3歩歩きだしたところと思っていただいたらよい。
これで、治療の方向が見えたわけだ。

ここで、発音の確認。

「お名前を言ってください。」
「○○○○」
「ご住所をお願いします。」
「□□□□□□・・・・・・・・・・・」

義歯が不自由な方にとって、住所をはっきり発音することは難しいことが多い。
初診時にはかなり聞き取りにくかったが、はっきりと聞こえる。

この方の治療にはいつも奥様が同行される。
そして、診療室にも一緒に入られ、心配そうに治療の様子をご覧になっている。

「奥さん。どうでしょう?私は発音がかなりはっきりしたように感じるのですが?
 私の気のせいでしょうか?」
「いえ。はっきりしました。
 前とは違います。へ〜。」

お二人の表情がパッと明るく変わる。
ここで、ある程度の信頼関係ができたと言っていいだろう。

口腔底ガンのあとCに続く

 
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2008年04月02日

口腔底ガンのあとA

口腔底ガンのあと@より続く

   
義歯をはずして、お口の中を横から見たところ。
お口の前方部分の組織が大きく失われているのがよくわかる。

これからすることは、私がこの方を治療できるのか?幸せにしてさしあげることができるのか?を確かめるため。
不確かな状態で治療をはじめて、もしうまくいかなければ、それは患者様に大きな負担を負わせてしまうことになる。

これからやることがうまくいかなければ、「申し訳ありません。残念ながら治療をお引き受けすることはできません。」と言わなければならない。

やること・・・・・
失った組織を補って、どう変化するのかを見てみる。

 → 

 → 
お口の中に液状のプラスチックを流し込み、今までの義歯に空間を埋める部分を盛り上げる。

   
これだけの組織を失っている。
このためうまく食べられず、発音も不明瞭であった。

今回の治療は二回目。
初めて私の病院に来られた日に、軟らかいクッキーを食べてみていただいた。
全く食べられなかった。
咬めないというより、全く小さくならない。
そして塊をそのまま出されていた。
咬む練習も必要なのだが、この失った組織のスペースに食べ物が落ち込んでしまうことが大きな原因と考えた。
さて・・・・・


補修した義歯を入れてみる。
痛みはない。

 → 
これは私の昼食用のコーンスープ。
まず飲んでいただく。
問題なく呑み込める。

口腔底ガンのあとBに続く

 
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2008年04月01日

口腔底ガンのあと@


この方。

「下の入れ歯が合っていない。」
「流動食しか食べられない。」

   
横から見たところ。


上顎を下から見たところ。
上の義歯も合っていない。


下の義歯。


義歯をはずしたところ。

   

問題はこの下顎。
口腔底ガンの手術を5年前に受けた。
顎の骨と口の底の組織を大きく失っている。


ガンを切除したあと、皮膚を移植している。
そのため▲の部分に見えるのは体毛。

   
左がこの方の下顎の模型。
右が前歯を失っている他の人の模型。
比べると、どれくらいの組織を失っているのかよくわかる。

いきなり「じゃあ、いい入れ歯を作っていきましょう・・・・」
では、ダメなのである。
いろいろと考えなければならない。 

口腔底ガンのあとAに続く

 
  
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2008年03月07日

部分義歯の問題E

部分義歯の問題Dより続く

全てのクラウンとブリッジをセットした状態。
 ← 
             治療後                              治療前

   
             上顎                                下顎

   
             右側                                左側

完成した新しい義歯
   
             上顎義歯                                下顎義歯

このような義歯を金属床義歯と言う。
義歯は古くなったら作りなおせばいいと、使い捨てのように思われている方があるが、そうではない。
作りなおしても、全く以前と全く同じ義歯は作ることができない。
すると慣れるまでまた時間がかかる。

このように金属でフレームを作っておくと、プラスチックの部分は補修しながら、使い慣れた義歯を長く使っていくことができる。

以下新しい義歯をセットしたところ
左側が治療後、右側が治療前
 ← 

上顎の義歯は大きくなった。
抜歯をしたこともあるのだが、残っている歯を守るためには義歯の面積は大きほうがよい。

歯がある時は、咬む力は歯の根の表面積が負担する。
それに代わるのが義歯の内側の表面積。
なので、広い方が有利である。
いたずらに小さくしてしまうと、残っている歯にかかる荷重が大となる。

 ← 

 ← 

 ← 

 ← 

 ← 

 
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2008年03月04日

部分義歯の問題B

部分義歯の問題Aより続く


上顎の奥歯は歯周病が進行し、根が露出してしまっている。

   
抜歯の前に、義歯の改造ができるように準備をしておく。

   
抜歯をした。
歯の根は歯石などで汚染されている。


その場で義歯にプラスチックの歯をつける。


お口の中に入れたところ。

部分義歯の問題Cに続く

 
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2008年02月29日

部分義歯の問題@

   
歯を失い、部分義歯を入れておられる。

   
正式には、歯をすべて失った場合に入れる義歯を「総義歯」、一本でも歯が残っている場合に入れる義歯を「局部床義歯」と言う。

   
上顎

   
下顎

   
右側

   
左側

この部分義歯のメリットは、治療が簡単であり、患者様の負担が少ないこと。

そしてデメリットはいろいろとある。

気持ち悪い。
しっかり咬めない。
見た目が悪い。
入れ歯の動きが金具のかかった歯に伝わり、その歯を悪くしやすい。

その中での最大のデメリットは、お口の中が不潔になりやすいことだと思う。

横から撮影した写真を見ると、その構造の複雑さがよくわかる。
インプラントはそのデメリットがない治療法であるが、下の前歯があった部分は、骨が著しく吸収しておりインプラントが困難である。
またこの方はインプラントでの治療を希望しておられないので、義歯にて治療をすることとなった。

しかし、ここで考えないとならないことは、部分義歯のデメリット。
つまり、部分義歯の構造をいかにシンプルにするかということ。
これを考えながら、治療プランを立てる。

部分義歯の問題Aに続く

  
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2008年02月27日

抜歯と同時の仮の義歯B


抜歯と同時の仮の義歯Aより続く

   
歯ぐきの整形をし、縫合する。


事前に抜歯後の歯ぐきの形を想定し、このような仮の義歯を作っておいた。

   
セットしたところ。


外見も問題ない。


この場所は、最終的にはインプラントでの治療を予定している。
抜歯前にCT撮影を行い、インプラントが可能なことを確認してある。

 
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2007年12月14日

抜歯後の義歯

末期の歯周病で抜歯をしたその後。
この方は、義歯による治療を選択された。


抜歯後の傷が治ったので、型を取り、


義歯を作る。


口の中に入れたところ。


金具が見える。


 
義歯による治療の利点
・簡単
・治療費が安価

義歯による治療の欠点
・気持ちが悪い。
・見た目が悪い。
・しっかり咬めない。
・義歯の構造は複雑なので、口の中が不潔な環境になる。
・義歯の動きが金具のかかった歯に伝わるので、残っている歯にかかる負担が大きくなる。

 
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2007年12月05日

オーソドックスな治療 B

オーソドックスな治療 Aより続く

奥歯は抜歯をしたり、残せる歯はクラウンで治療した後、最終の義歯を作った。


上顎
 ← 
             治療後                              治療前


 ← 




下顎
 ← 
             治療後                              治療前


 ← 




 ← 
             治療後                              治療前


最近はインプラントが大流行りだ。
もちろん私もインプラントをするし、インプラントを否定はしない。
具合の悪い義歯で悩んでおられる患者様にとっては、福音だと思う。

しかし最近の歯科医院のインプラントに関する広告などを見ていると、「???」と感じることも少なくない。
特にいろんな手術を併用するケースや、大がかりなインプラント治療に関しては。

歯科の一般開業医がそこまですること・・・・・というより、治療が終わった直後はいいのだが、何年かしてトラブルが起きた時、どうフォローするのか、他人ごとながら心配になる。
そこには患者様の困った顔が見えるから。

この患者様は確かに上下ともに義歯である。
でもこの義歯に慣れていただければ、ご年齢から考えてまず歯のトラブルで困られることはもうない。

私はインプラントで派手な治療をするより、こんな地味な治療をしっかりすることが開業医の勤めだと思っている。
予想できる最悪の事態を想定し、そのようなことになった場合、自分でフォローができない治療はしないというのが、私の現在の考え方である。

患者様の人生、私の人生、どちらもかけがえのないもの。
人生を精一杯楽しみたいものです。

 


 

 
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2007年11月29日

根面アタッチメント B

根面アタッチメント Aより続く


型を取ったあと、封鎖をしてあったものを、


除去した。ここに、


メールを接着剤でセットしたところ。


義歯の内面の古いメールを除去する。


その部分にアプローチできるように外側から穴を開けておく。


メールの上にフィメールをセットしたところ。


義歯を口の中に入れ、充分なスペースがあるか確認する。


フィメールの上にプラスチックを盛り上げ、


外側からまたプラスチックを入れてフィメールを固定していく。


大まかにフィメールが固定された。


内面をきれいに仕上げる。


外側の穴も完全に封鎖する。


完成し、義歯をセットしたところ。
この内部にアタッチメントが入っている。
義歯はかなり力を入れないと外れない。

 
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2007年11月28日

根面アタッチメント A

根面アタッチメント @より続く


古いアタッチメントのメールを除去したところ。
もうあまり歯の質が残っていないので、慎重な作業が要求される。
もし薄い壁が割れたり、奥のほうで穴があいてしまうと抜歯をしないといけなくなってしまう。
この型を取り・・・・・


模型を作り、このようなものを作る。


下は、歯の中に入る金属製のポストとメールを一体化したもの。
上は義歯の内面に埋め込まれるフィーメール。

 
フィーメールはこのように入る。
写真で拡大をしてみるとそう小さく見えないが、一番幅の広い所で4mmしかない。

 

パチンとどこかに飛んで行ってしまったら、探し出すのは非常に困難。

このアタッチメントはスイスのCendres&Metaux社(センザメトー社)のミニクリックという商品。
このセンザメトー社は私が一番信頼をおく会社。
歯科用の金属やこのようなアタッチメント関係では世界一だと感じている。(ただしお値段はお高いが)

明日は、これを実際にセットしていく。

根面アタッチメントBに続く

 

 
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2007年11月27日

根面アタッチメント @


さて、この方。
下顎には総義歯が入っている。


こんな義歯。


義歯をはずすと、お口の中はこうなっている。
向かって左は2本の歯が残っており、根面アタッチメントと言うもので総義歯を安定させている。
右側にはインプラントが一本入っており、ボールアタッチメントで義歯を維持している。
治療終了後16年経過している。


これが総義歯の裏側。
服についている「ホック」のようなものが埋め込まれている。
これをフィーメールという。
これが歯やインプラントの先端の構造物(こちらはメール)にパチンとはまりこむ。
フィーメールは「女性」、メールは「男性」という意味もある。


▼の部分のフィーメールが劣化してきて義歯がゆるくなってきたので、この部分のアタッチメントをやり直すことにした。


フィーメールがまだ販売されておれば、その部分だけ交換することも可能だが、もうこのタイプが販売されていない。
また義歯の下にある歯は虫歯になりやすく、▼の付け根の部分は何度かプラスチックを詰めて治療している。
そんなこともあり、今回はメールをすべて取り外して歯の内部に異常が起こっていないかを確認し、全てやりなおすことにした。


余談だが、このインプラント。
16年前にここに埋め込んだときは、▼の部分まで歯ぐきがあった。
義歯の下は過酷な環境なので、通常のインプラントとは比較しにくいが、現在、前歯の部分にもインプラントが盛んに行われている。
前歯インプラントの周囲の歯ぐきがこのように下がっていった場合、クラウンの下から金属部分がニョキッと露出することになるわけだが、その時はどんなふうにフォローしたらいいのだろう?

根面アタッチメントAへ続く

 
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2007年11月12日

とりあえず今#2

とりあえず今#1より続く


下の歯は抜歯が必要。
エアーを吹き付けただけで動く。


抜歯をした。


抜歯をした歯。
たくさんの歯石が付いている。


このような重度の歯周病で抜歯をした場合は出血が多い。


縫い合わせる。

 
この抜いた後の顎の状態を予想して、事前に作っておいた総義歯を、その場で合わせていく。。
裏側にはこのようなゴムのような材料を流し込んで、隙間を補正する。


しっかりと咬める。


安定はよい。

次はこの下顎に合わせて、上顎に何かとりあえずの仮の歯を入れることを考える。

とりあえず今#3に続く

 
 
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2007年10月30日

歯周病で抜歯から義歯へ#2

歯周病で抜歯から義歯へ#1より続く


抜歯後1ヶ月。
傷は治った。
この方は反対側の臼歯も失っている。
これが今まで抜歯をためらっていた理由。

「入れ歯を入れないといけない。」

義歯以外の治療法もあるのだが、様々な理由で今回は義歯を作る。

 
完成した義歯。


義歯を入れたところ。

 ⇒ 
義歯を入れる前と入れたところを横側より見たところ。

 ⇒ 
入れる前と入れた後。

義歯はいちばん簡単な治療法だが、欠点としては、

@不快感
Aしっかり咬めない。
B義歯の動きが金具のかかった歯に伝わるので、その歯がダメージを受けやすい。
C形が複雑なので、口の中が不潔になりやすい。

患者様にとっては@が、歯科医学にとってはBが一番の問題である。

 
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