本日この部位にインプラントを入れる。
もうこの患者様には5本のインプラントを入れている。
もちろんそれらは全て成功している−と言ってもまだ上に歯を作ってはいないが。
この部位が最終となる。
骨の状態が悪く、なかなか最終プランが決定できなかった。
この症例はホームページに詳しい経過を載せるので、仔細は割愛する。
まだ4本ご自分の歯が残っているが、どの歯も先々の見通しは暗い。
しかし本日の手術がうまくいけば、予後の悪い4本の歯を抜歯し、インプラントだけでまったくご自分の歯と同じようなブリッジを入れることが可能となる。
ここまで何度もご説明をし、何度も話し合いながらここまでたどり着いた。
「先々のことを考えると、この場所にはあと2本入れたいのです。
今日、1本は確実に入れることができると思います。
しかし、もう1本は非常に短いインプラントを考えていますが、それでも骨の状態が悪ければ手術はしません。
それは実際に骨を見てからの判断になります。
私は決して無理な手術はしません。」
「はい。よくわかっています。
私が見てもここは下がって(骨がない)いますねー。」
1本は入った。
問題はその奥。
しばらく見て、計測して、考えた。
確率は1/2。
悪いほうに転んだときの患者様の顔が浮かんだ。
入れなかった。
冒険家は言う。
「退く勇気も大事」
冒険とは危険を冒すこと。
その人たちでもこう言う。
歯科医は冒険家ではない。
命を救えるかどうかの瀬戸際なら、0.1%の確率に賭けることも必要だろう。
しかし、歯科医は患者様を不幸にしないことを治療の大原則にしなければならない。
平川さんもこうなってしまったようだし。


