2007年10月10日

折れた歯の根と脳梗塞



金属のクラウンで被せてある奥歯が何かおかしい。


歯と歯ぐきの境目にこのような器具を挿入してみると、


このように8mmも入っていく。
この部分の溝の深さの正常値は3mm。
何か異常が起こっている。


レントゲンを撮ってみる。
▼の所で歯の根が折れているのがわかる。
そこから感染を起こし、歯の根の間の骨が吸収されてしまっている。(黒く写っている部分)
この歯は神経がある歯。
神経があるのにこのような折れ方をするのは珍しい。
この方の咬む力は非常に強いと推測できる。
残念ながら、こうなると抜歯しかない。
しかし・・・・・


この方は脳梗塞のため、バイアスピリンという薬を服用している。
脳梗塞は脳内の血管が血の塊で詰まる病気。


この薬は血液を固まりにくくするお薬。
つまり出血した場合、血が止まりにくくなっている。
そのため、主治医と相談し、抜歯の3日前よりこの薬の服用をストップしてから抜歯をする。


抜歯を始める。
歯の頭の部分をつかんで抜くと、周囲の骨が吸収しているため、前の根は簡単に抜ける。
当たり前の話だが、折れた根は残っている。


その根も取り出した状態。


抜いた歯の全体。


炎症により骨が溶けたあと(レントゲンで黒く写る部分)は、不良肉芽と呼ばれるものに置き換わる。
▼がその不良肉芽。


その拡大。

あと9ヶ月ほど待って、骨が充分に回復しておればインプラントをする予定になっている。
ちなみに、バイアスピリンは抜歯の翌日から服用を再開していただく。

 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 外科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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