平成16年3月のレントゲン。
▲の歯のあたりで咬むと時々痛いとのこと。
治療をしたのは5年以上前。
レントゲンでは異常は見られない。
割り箸を咬んでもらっても、その後ろの歯が痛いような気がするとういうような状態。
はっきりしない。
とりあえずクリーニングなどをして、もうしばらく経過を見ることにした。
平成19年6月
咬むと痛いとのことで来院。
上顎の奥歯。
よく見るとその内側(舌の側)の歯ぐきに穴が開いており、周囲をおすと膿が出てくる。
レントゲンを撮ってみると、▲の先の部分が黒くなっている。
これは、この部分が細菌感染を起こし、骨が溶け、膿胞と呼ばれる膿の袋ができていることを示す。
さてどうするか?
神経がない歯はこのような感染を起こしやすく、単純な感染ならば歯の内部(神経が通っていた管)を消毒してやれば治る。
しかし私は、いろいろな状況、症状より、この歯は「根が割れている」と判断をした。
その場合は、早く抜歯をしないと、感染が周囲に広がり、この歯の隣の歯にも悪い影響を及ぼす。
しかし・・・
割れ目が「ヒビ」の間は、割れているかどうかはレントゲンでもわからない。
「ヒビ」の部分が開いてきて、「割れ目」となって初めて確認できる。
しかし、そのときはさらに炎症が広がっていて、歯を支えている骨が大きく吸収されていることが多い。
なので・・・
ここが、歯科医としての経験と判断。
もし抜歯をして、割れていなければ、治療可能な歯を抜歯したことになってしまう。
抜歯をした。
器具を入れていくと、
ここまで入る。
この部分の穴とつながっている。
抜歯をした歯。
▼の所に、まっすぐに太い亀裂が入っているのがわかる。
ここが感染源になっていたわけである。



経験から言うと、痛みが出た少し前に、ヒビが入り、そこから感染が始まって痛みが出たのではないかと推測できます。
ただその後ろの歯には、レントゲンに映るほどたくさんの歯石がついており、歯周病の急性炎症での痛みであった可能性もあります。