「人間というもの」より続く
Tさん、Fさん、あなたたちは何のために働きますか?
一言で答えて下さい。
じゃあ、私の答えを言います。
私はお金のために働いています。
どうでしたか?
同じ答えでしたか?
それとも違いましたか?
誤解されてもいいんです。
もう一度言いますが、私はお金のために働いています。
お金を稼ぐのは大変です。
嫌な思いをして、我慢をして、クタクタになるまで働かないとお金は得られません。
でもそれは私たちの患者様も同じですよね。
嫌な思いをして、我慢をして、クタクタになるまで働いて得たお金で治療費を払って下さっています。
それが私たちの生活を支えているのです。
それを決して忘れてはなりません。
私もお金は使います。
それは自分のために使います。
そのために働いています。
本であったり、映画のDVDであったり、色んな人と話をしながら楽しく飲んだり食べたり、服であったり(お洒落は美的感覚を養うためにとても大事なことだと思います)、趣味のものであったり。
そういうものにはお金を惜しみません。
それは私の心を豊かにし、治療や患者様に対する接し方に大きな影響があると思いますから。
でも私の車は日産のノートの試乗車落ちの中古です。
祇園には最後いつ行ったのかもう憶えていません。
私が一番贅沢をしているのはスタッフだと思っています。
これからはスタッフは7人になります。
お掃除の安井さんを入れると8人です。
日によっては一日に来られる患者様の数より多いときがあるかもしれません。
それでいいと思っています。
それは全ては患者様のためにと思っているからです。
もうわかるでしょう?
だから私は懸命に働くのです。
「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない。」 『鏡の国のアリス』
あなた方の教育にお金も時間もたっぷりとかけるつもりですが、それは患者様のためです。
今回結婚のため退職する衛生士も、私のクリニックに来た当初は小山衛生士がまだ小さい子供を妹さんに預け、週に1〜2回でしたがその教育のためだけに無理をして来てくれ、一から衛生士業務を教えました。
確かに経費はかかりましたが、それは全て患者様のためだったのです。
これからの研修期間の間、このことを絶対に忘れて欲しくはないのです。
決して私のためではありません。
最初に戻りますが、患者様からいただいた治療費でその経費がまかなわれます。
あなた方が患者様に喜ばれる衛生士になることができたとき、初めてそれが患者様に還元されることになります。
昨日のエントリーでは仕事というものについて、かなり厳しいことを書いたかもしれません。
でももうわかってくれてはいると思いますが、診療は5時には終ります。
過酷な労働をしろと言っているわけでは決してありません。
あくまでも姿勢のお話です。
今から80年前、デビスカップの決勝戦に出場し、ウインブルドンのセンターコートで当時の王者チルデンを苦しめた日本人がいました。
そのテニスプレーヤーの名前を清水善三と言います。
彼の言葉にこんなものがあります。
「タバコをすって、お酒も飲んで、夜更かしして、それでテニスも上手くなろうなんて欲張りだよ。」
私はこの言葉が好きなんです。
言い換えれば
「楽をして、人に頼って、休みもたっぷりとって、それでいい技術を身につけようなんて欲張りだよ。」
となるでしょうか。
しばらくは、診療が終っても多少の居残りはしてもらうことはお話しましたよね。
私もできるだけお付き合いはします。
それは患者様のためでもありますが、もちろんあなた方のためでもあります。
私の病院で正しい知識と卓越した技術を身につけることができれば、あなた方は一流の衛生士になれます。きっとなれます。
どこへ行っても恥ずかしくはないはずです。
それはまた、私があなた方にできる最大のプレゼントです。
物やお金はいつかはなくなります。
でも内面に蓄積された財産は、いくら時間が経っても色あせたり朽ちていくことは決してありません。
今日のエントリーの最後に、今私が一番好きな言葉を書いておきます。
辛いときにはこの言葉を思い出してください。
あなたが 虚しく生きた今日は
昨日 死んでいった者が
あれほど生きたいと 願った明日
そうそう
もう1人非常勤のスタッフがいました。
今日は私に付き合って休日出勤してくれています。
「勤勉、辛抱、分相応、もったいない」に続く


