2007年07月27日

「人間というもの」TさんFさんへ#2

8月1日より当院に勤務する衛生士さんたちへの手紙です。

「迎春準備」より続く

先週スタッフに話をしなければいけないことがありました。
それを、これからの手紙の枕として使ってみます。
このブログはスタッフもよく見ていますので、嘘がないように、私が喋ったままをあえて加筆修正をせず、憶えている限りそのまま載せます。
( )で説明が必要な部分は補ってあります。
そして、この話の後半の部分は削除をしています。

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今日はいい機会なので、「仕事、医療、休み」について俺の考えを言っておく。
俺は困った患者さんがいたら、どんな夜中でも、どんなに(お酒を)飲んでいても、どんなに熱があってもここに来ているのは知ってるよね。
なぜだと思う?
医者だから?
違うよ。もっとシビアだよ。
それはそれで俺の生活が成り立っているから。
そうしなければならないから。

俺の家は文房具の商売をしていた。
俺は小さいころからこう言われて育った。

「商売人と言うのはたとえ1円のものでも買ってもらったら、領収書を書いて『ありがとうございました。』と頭を下げるのが商売人だ。」

それが仕事っていうものだよ。
まだ新しい人は知らないと思うけど、病院が(経営的に)楽になったのはここ数年。
その前は、月末になったら嫁さんがやってきて、
「来週、(治療費は)いくら入る?」
と聞いていた。(月末の支払いのため)
そして、請求書を順に並べ、
「この順番に払っていこう。」
とよく相談していた。
10数年間、年のうち半分はそんな状態だったと思う。
数百万円の赤字が出た年もあった。

小山さんはよく知っているよね。
当たり前の話だけど、そんなときでも給料の支払いが遅れたことは一回もない。
ボーナスを下げたことも一回もない。
普通の会社なら利益がなければボーナスは出ないんだよ。
そして、どんな損害が出てもそれを責めたことも一回もない。

なぜだと思う?
それは俺がそうしたいから。
その反対は絶対にしたくないから。
だから懸命に働く。
自分のプライドのためにそうしている。
今でも、しておかなければいけないことに気づいて夜中に目が醒めたら、そのままここに来て仕事をしている。
いちいちそんなことは誰にも言わないけど。
仕事とはそういうもの。

次は休みについて。
有給休暇を100%消化して下さいということは、「休みは有給で取ってね。そのかわり病院はできるだけ開けますよ。」ということ。
どんないい治療をしていても、しょっちゅう閉まっている病院なんか、なんの役にも立たない。
俺も今は少し余裕もできたので、1週間でも10日でも休んで旅行に行くことはできるし、行きたいよ。
でもなぜそれをしないと思う?
そうしたら、患者さんが困るから。
だから行かない。

有給休暇なので、いつ、だれと、どこに行こうがそれは自由だ。
俺は「有給下さい」と言われて、そんなことを聞きもしないだろ?
仕事と有給休暇では仕事のほうが優先されるんだよ。
でも、いくら忙しい時でも「その日はダメ」と言ったことも一回もない。

時間はきちっとしていると思うよ。
普通はミーティングは仕事が終わってからだよね。
でも俺は勤務時間内にやっている。
これもね、俺がそうしたいからそうしている。

以下・・・・・

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話しをしたまま正直に書きました。
それで私の仕事に関する考え方、姿勢をよく理解してもらえると思いますから。

衛生士としての教育というと、「スケーリングのテクニックから」なんて思ったでしょう?
私の病院と他の歯科医院と多少差があるとすれば、治療技術の上にある「人間というもの」を大事にしていることではないかと思っています。
「人間というもの」というのは患者様についても言えることですし、私たちについても言えることなのです。

私の師である川村泰雄先生がよくおっしゃっていました。

歯が1本だけやってきて、『治して下さい。』とあなたの診療室のドアをノックしますか?
歯はその人のお口の中に植わっているのです。
あなたが治すのは人間、その人自身なのですよ。


皆さんは私の病院の今の姿を見られて、最初からこうだったと思うかも知れません。
しかしこうなるのには19年かかりました。
でも決して苦しいとか、やめたいとかは思いませんでした。
まだ若かったですし。
なんと言っても仕事が好きでした。
仕事が好きというより、何かに集中して懸命に努力することがとても面白い。
それが人生の醍醐味かと。

ストレスこそ人生。修羅場は男の花道。(by 丸岡芳充)


またあなた方にとって幸運なのは、指導教官になる小山衛生士が本格復帰した直後だったことです。
小山衛生士とは川村先生の講習会のため泊りがけで大阪まで一緒に行きましたし、それで10年以上前に私の診療室がダイナミックに変わっていった過程を経験してくれています。
私の右腕でもありますし、それよりもはや戦友と言っていいのかもしれません。

ああっ!もちろん他の講師たちも充実してますよ。
(「また、小山さんばっかりー」って言われそうですし・・・ 笑)


今日は大谷衛生士が受け付け業務の研修プログラムを作成中。

一つ一つについての解説は明日から始めます。

「すべては患者様のために」へ続く

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療ポリシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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