私は風邪をひいても病院には行かない。
ひたすら食べて寝る。
と言っても、患者さんの予約が入っているので、38〜39度ぐらいの発熱では休まない。
休めないのだ。
早く診療時間が終わることを祈りながら耐える。
十数年前だったと思うが、熱が40度を超えたことがあった。
多分インフルエンザだったのだろう。
そのころは今のように、すぐにインフルエンザと診断できるような検査は一般的ではなかった。
朝なんとか出勤して仕事を始めたのだが、そのうちに手が震えだした。
「これはアカン」と思い、スタッフに午後からの患者さんに電話をしてもらって休診にした。
さすがに病院に行って点滴をしてもらったのだが、翌日も熱は下がらず休診。
開業して25年目になるが、体調不良による臨時休診はこの一日半だけ。
まあ、よく頑張ってきたものだとは思う。
風邪の時は、できればゆっくり休みましょう。
私が風邪で病院に行かない理由は以下のため。
この前、友人が風邪で病院に行ったら、血液検査までされてなんだかんだで、負担金が5000円ほどになったとのこと。
無駄な出費はしなくてもいいんですよ。
でも、インフルエンザは別ですから、ご注意。
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抗生物質、発汗、ビタミンC…実は間違いだらけの風邪対策
「現役医師として医療に従事する傍ら、民間伝承的な知識の真偽を検証していますが、医学の進歩・発展とともに、これまで常識と思われていた風邪に関する知識のなかには、実は医学的に間違っていたと考えられるものに多々遭遇します」
と語るのは、医学博士で医療ジャーナリストの森田豊さん。
みんな思い込んでいるようだが、実は間違っている風邪対策を、森田先生に教えてもらった。
〈抗生物質〉を飲むと治りが早いと思う人は多いようだが「抗生物質が、風邪を引いている期間を短くする」という科学的論文は存在しない。
日本呼吸器学会が成人気道感染症の指針の中で「風邪に抗生物質は無効。細菌性二次感染の予防目的の投与も必要ない」('04年5月)としている。
ほとんどの風邪の原因はウイルス。
抗生物質は細菌に対しては効果があるが、ウイルスにはないという。
'90年代までは「風邪のひき始めには昔からの〈発汗療法〉が効果的」といわれたが、現代医療ではこれも間違った対処法だという。
正しくは、体全体の温度を下げ(太い血管のある場所などを冷やす)、高い体温から生じる体力の消耗を避け、かつ発汗による脱水を予防することだ。
発汗で体温を下げるよりも、むしろ脱水に注意が必要と指摘されている。
さらに、〈ビタミンC〉をたくさんとることで、風邪自体が治ることはない。
この説が広まったのはアメリカのポーリング博士の『ビタミンCと風邪』という本がきっかけだった。
その後のさまざまな研究で、ビタミンCをとると風邪の症状がよくなるという事実は、残念ながら確認できていない。ただ予防としては、少なからず効果があると報告されている。
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