顎関節症の治療をする場合には、必ず確立された咬み合わせの理論に従って治療を進めなければならない。
私はこのドーソン先生の咬合理論に従って治療を行っている。
この本の初版は1974年。第二版の日本語訳が出版されたのは1993年である。
内容に関しては専門的になるのであまり触れないが、この考え方はアメリカの歯学部では「咬合学」の教科書として今も使用されている。
ただこの本の内容は難しく、日本では大学教授でも理解するのは困難と言われてきた。
私も最初購入し読み始めたときは、いいことが書いてあるのはわかるのだけれどもはっきりと理解することはできなかった。
しかし縁あって、大阪の川村泰雄先生の主宰する研修会に参加し、この咬合理論を2年かけて学んだ。
それでやっと理解し、実際の診療で実践することが出来るようになった。
理解してみると、理論としてはそう難解なものではなく、実に明快で実践的であり、理論上の無理がない。
事実、ホームページにアップしてあるこの症例やこちらのように、実にスムーズに治療が進んでいき、もちろん顎関節症は完全に治っていった。
このように治療に関して一番大切なことは「正しい理論」であり、それがはっきりしていない状態で患者様のお口の中をいじることは非常に危険なことだと思う。
10年前から顎関節症は患っていたのですが、特に支障はなにもなく生活をしていました。
しかし、一昨日の朝起きると、口が開かず、咀嚼時に左顎に痛みも覚えるようになりました。
近くの口腔外科に行ったところ、ひとまず痛み止め(?)としてロキソニンを頂き、2週間ほど安静にして様子を見ようとのことでした。
現在、指一本分くらいしか口が開かず食事に困っています。
顎をできるだけ動かさないように安静に…といわれたのですが、安静にしておくのが良いのでしょうか? まだ3日目ですが、安静にしておくと、口が開くようになるのか、不安でメールさせていただきました。
顎関節症の症状には波がありますので、しばらくすればまた口は開くようになります。
ただ、原因が解決されていない以上、また口は開かなくなるでしょう。(当たり前の話ですね。)
そのような症状の時に、鎮痛剤を服用してもほとんど意味はありません。
また、口腔外科は抜歯や口の中の手術を専門に扱う診療科ですので、顎関節症の知識と治療技術を持っている歯科医がいることはまれですので、これもあまり意味がありません。
詳しいことはこのブログではなく、丸岡歯科クリニックのホームページの顎関節症のページを参照してください。
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金曜から口が1cmしか開かなくて、食事にも支障があり、めげていたのですが、今日(火曜)、急に改善に向かい、口が開くようになりました。
おかげさまでホッとしました…。
勿論、原因が解決したわけではないので、再発の危険は高いですが…。
顎関節症による開口障害が見られても、緊急を要する(そのまま永久に開かなくなるとか)ということは少ないのでしょうか?
現在は福岡市に住んでおりましが、この春から京都への引越が決まっております。直接病院でお世話になるかもしれませんが、その時はよろしくお願いしますM(--)M
今までに2人ほど指一本分しか口が開かない状態がずっと続いている患者様があったと思います。
口が開かない状態では、型を取ることもできませんので、2〜3週間後にもう一度ご予約をお取りするのですが、どの方もいらっしゃらなかったと思います。
なので、そういう状態が永久に続くのかどうかはわかりません。
これは私の単なる感じですが、患者様のお話を聞いていると、治療をしないで放置しておくと、顎関節症の症状は、段々ひどくなるように思います。
口が開かなくなる間隔が短くなる。
口が開く量が段々少なくなる。
口が開かない期間が長くなる。
などのようです。
問題は、このような状態が長く続くと、顎関節の内部にある関節円盤という軟骨が変形を起こします。ひどい場合は穴が開いたりします。
そうなるともはや回復は不可能となります。
なので、何事もはやめの治療が大切かと思います。