昨日の出来事。
午後4時半ごろ、「さぁ。今日もそろそろ終わり。」と思って、自分のデスクのところに行った。
私のデスクは受付のすぐ後ろにある。
なので、患者さんが受付で喋っていることは全て聞こえる。
すると、突然ドアが開いて、30過ぎの女性が入って来た。
「いいですか?」と・・・・・
「初診か。まああと30分あるし。」と思っていたら、受付に座っていたスタッフに、「ここ、どういったらええん?」と地図をさし出して聞いた。
私の病院の入口はとても入りにくく感じるらしい。
税理士さんにもよく言われる。
「先生のとこは、何をやってるかわからない。
とても入りにくい。
スリガラスを透明に変えて、中が見えるようにしましょう。
それで、前に観葉植物でも置いて。」
とね。
でも病院である。
たしかに、コマーシャルも必要なんだが、来られている患者さんのプライバシーを守ることが一番重要なはず。
なので、上記の案は却下されている。
その入りにくいドアを開けて、道を尋ねると言うのはちょっと・・・・・・かなり変わった人である。
年に1〜2人ある。
もし入りやすかったとしても、道を尋ねに病院に入る勇気は私にはない。
「どこですか?」
「ここ。ここ。わからへん。」
「ああ。四条烏丸。それなら河原町を四条まで行って・・・」
「そんなん、わからんわ。」
「この前の道をこっちへ・・・」
「わからへん。もう、ええかげんや。もうええかげんやわぁ!」
「旅行ですか?」
「そうや。旅行で来とるけん。田舎から。」
「ああ。それなら、歩いたらちょっと距離ありますよ。」
「ええっ!もうええかげんやわ。足痛い。歩けへんやろっ!」
こんな話が延々と続いている。
それも、大きな声で。
ヤメテヨ。
クレームつけられてるみたい。
後で聞いたら、彼女の持っていた地図というのは、バスの路線図だったとのこと。
いくら京都の道は碁盤目と言っても、田舎から突然来て、バスの路線図だけで観光はできまい。
それより、偉いのはさすが当院のスタッフである。
こんな話に、嫌な顔もせず付き合っている。
しかしあとで、
「あんなん、適当にあしらえよ。」
と言うと、
「あしらうも何も、私、 殺されるかと思いました。」
とんでもない人だった様子。
私は、野人が女に化けて都に出てきたのだと思った。
野人か?タクシー呼べ篇 に続く
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