「危機 やさしい人」の続き
まさか、それから梅宮さん一家とのお付き合いが始まるとは夢にも思わずに・・・
それから無事ナオミさんの問題の歯の治療を終えた。
「この歯はこれで大丈夫。」
「先生。私ずっとかみ合わせの具合が悪くて悩んでるの。
全体見て、治して欲しい。
もう顎がだるくて、だるくて。」
「ウッ。」
ここで断るわけにもいかず、顎関節症の検査をしてみた。
とりたててかみ合わせの異常はなかった。
顎関節のレントゲンを撮ってみると、左右の顎関節の形、位置のバランスが悪い。
このために軸ぶれを起こしているのかもしれない。
このことを説明して、とりあえずバイトプレートを作り、治療の必要な歯をかぶせなおした。
結果は、全く症状がなくなったとはいえないが、「だいぶマシ」となった。
(ナオミさんは、今でも不定期ながらメインテナンスに来られているが、最近は顎関節症の症状を訴えられることはない。)
そんなある日。
「先生。ナオミさんのお家の方で、梅宮さんという人からお電話です。」
「エッ!」
「ハイ。丸岡です。」
「先生。あの時に一回見て欲しい言うてたやろ。
今日治療中の仮の歯が取れたんや。
そんで、先生のとこ行きたいんや。」
「はあ。では一度拝見しましょう。」
梅宮さんが来られた。
かなり長い仮のブリッジが取れていた。
残っている歯と歯ぐきの状態もかなり悪い。
「先生。かみ合わせの具合が前から悪い。
仮の歯を何回もやり直したけど、しっくりいかん。
治るか?」
「ウーン。
かみ合わせをどうこういうより、歯と歯ぐきの状態がかなり悪いようです。
今ブリッジの土台になっている歯も抜歯が必要かもしれません。
一度詳しい検査をしてからのお話になります。
今日のところは、このブリッジを仮止めのセメントでつけておきます。
検査をご希望でしたらご予約をお取りください。」
さてどうなるかドキドキものだった。
お帰りになったあと、スタッフに、
「どうだった?」
「また電話すると言われてお帰りになりました。」
この後、梅宮さんとお会いすることはもうなかった。
顎関節症は心理的ストレスでも起こると言われている。
私はナオミさん、梅宮さんの症状はストレスが原因ではなかったかと推測している。
やはりこの関係の方々のストレスは大変なものなのだろう。
現にもう1人の顎関節症の方の治療をすることになった。
___続く___
2005年03月12日
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