出産のため退職したスタッフの後任選びに、昨年から準備をはじめ、来る日も来る日も面接をした。
なかなか思うようにならなかった。
当院では人間関係でのトラブルや、怒鳴ったりということはないが、それなりの技術、見識が要求をされるので、かなりの覚悟はもって来て欲しいと昏々と説明をする。
「20〜30人面接をして採用できるのが1人。そのうち3人に2人は自主退職をされます。
相当に勉強してもらう必要がありますが、その覚悟はありますか?」
「ハイ。ホームページで治療の内容と雰囲気を見て、ここで働きたいと思います。」
となる。
場所のこと、長時間勤務の多い歯科医院のなかで9時から5時で仕事は終わり。
週休2日で有給休暇も100%消化。
個室の診療室。
このあたりに引かれて応募される。
しかしだ。
最短で2日で退職した人もいた。
現実感がまるでない。
そして、これが私のところだけの話ではない。
私の仕事をしてくれている別々の技工所の2人の技工士さんにこの話をしたら、異口同音に、
「先生。今、それどこの病院でもそうですよ。
先週新しく入った子やなと思ってて、今週行ったらもういません。
皆さん、困ってはります。」
とのこと。
私の病院は、幸い歯科技工士の免許も持っている有能な歯科助手が見つかり、瓢箪から駒、ホッと胸をなでおろしている。
技工士の仕事をしてもらうつもりはないが、2年間専門学校で歯に対する基礎知識をしっかり身につけているというのは大きな強みである。
これからの教育期間が少し大変だが、このような人材はなかなかない。
ラッキーだった。
またこの間、大きなお腹で電話番にきてくれている前主任衛生士。
10年勤務して出産のために2年前に退職した元スタッフは、子供をお母さんに預けて手伝いにきてくれている。
本当にありがたかった。
もちろん、在職中のスッタフたちが一番大変だったと思う。
感謝している。
恥をさらすようでなかなか書けなかったのだが、やっと目処が立ったので、現実を知っていただくために書いてみる。
ここ最近、就職してすぐに退職した人たちを考えると、よくこれで今まで働けていたものだと思う。
歯科医院のレベルが低くなっているのか?
『今時の子』では片付けられない問題もある。
面接に来た衛生士には必ず4つの質問をする。
ホームページは見てこられましたか?と専門的な質問である。
まずホームページ。
求人票には「ホームページを見てくること」と記入をしてあるのだが、まだ2人に1人は「コンピューターがないので、見ていません。」と答える。
コンピューターを持っていることが必須ではないのだが、私達は専門職なのだ。
それぐらいは当たり前だと思うのだが。
もし持っていなくとも、インターネットカフェなどで見ることは可能だし、友達もいるだろう。
自分の一生が決まると言ってもよい重要なことなのだから、それを見てこないというのはどういうことなのか?と思ってしまう。
専門的な質問。
ここに書くと問題漏洩になるので具体的には書かないが、そうですね、看護士に「腎臓はいくつありますか?」と聞くようなレベルの三つの質問。
なんとまあ。この質問に全て答えられる衛生士は10人に1人もいない。
これで歯石取りなどまともにできるはずもない。
よく患者様が「半年前に歯石を取りました。」と言われ、レントゲンを撮ると、レントゲンでわかるほどの歯石が残っていることがあるのもうなずける。
もちろん今勤務しているスタッフは、この質問に全て正しく解答ができた衛生士である。
2005年02月26日
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