そこで2〜3人のメンバーがひそひそ・・・
「あれなぁ。ワシ行かんぞ。」
あれと言うのは、5月26日の会合。
京都の某有名焼き肉店で行われる予定だった。
「ほな、変えましょか?」
何の話しかと思っていたら・・・・・ユッケ。
ああ、そうだったなぁ。
「生肉食べんかったらええっちゅうもんやけど、焼く前に生の肉箸でつまむやろ。
それにバイ菌が付いてるかもしれん。
きちっと箸変えたらええけど、そんな厳密にはいかん。
君子危うきに近寄らずや。
ワシは行かん。」
なるほど・・・・
そんな風に感じる人もいるんだと思った。
私も生肉は食べるが、一口か二口で十分だし、なければないで構わないのでどちらでもよいのだが。
で、医学的的なことを。
今回の食中毒は腸管出血性大腸菌O111で起こった。
大腸菌は珍しい菌ではなく、腸を持つ生き物にはほぼ100%いる。
大腸菌にもいろいろな種類があり、問題になるのは病原性大腸菌と呼ばれる毒素を出す大腸菌。
腸管出血性大腸菌はベロ毒素を出す。
一時流行性したO157も同じ仲間。
これらが怖いのは、毒素により赤血球が壊され溶血性貧血がおこったり、腎臓が攻撃されると、
急性腎不全を来たし,溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすことがある。
小児や高齢者では痙攣,昏睡,脳症などによって死亡することがある
特徴は、
@潜伏期間は平均3〜5日と長く,原因が特定しにくいため感染が広がりやすい。
つまり、焼き肉屋に行ってその夜から下痢などがおこったら、焼き肉屋の何かの料理が悪かったんじゃないか?と考えるが、数日たってから症状がでるので思い当たることがいろいろあってわかりにくい。
A腸管出血性大腸菌は非常に少ない菌量でも感染、発症させる。
数百個の菌で感染が起こると言われている。
数百個と言えば多いように感じるが、大腸菌数百と言えば、ユッケの細切り肉1片で充分の菌数。
今回の事件でも、口をつけたぐらいの方が亡くなっている。
つまり、食べたか食べてないかはっきり覚えていないような量でも、運が悪ければ死に至る。
ユッケ#2に続く
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