寝る前に読む本をと思って買った。
2002年の芥川賞受賞作品。
バスソープや香水を扱う会社に勤める今時の青年が、地下鉄の中である日ふとしたきっかけで、今時の女性と会話を交わす。
その女性は、青年がいつも昼休みを過ごす公園で同じように昼休みを過ごす女性だった。
内容はこれだけ。
芥川賞選者の村上龍の選評は
「『何かが常に始まろうとしているが、まだ何も始まっていない』という、現代に特有の居心地の悪さと、不気味なユーモアと、ほんのわずかな、あるのかどうかさえはっきりしない希望のようなものを獲得することに成功している。」
なのだが・・・
高校生のときに、ラジオの深夜放送で流れた村上龍の「限りなく透明に近いブルー」が芥川賞に決まったときの報道を覚えている。
「暴力とセックスとドラッグと・・・」
早速読んで、なぜこれが芥川賞に選ばれたのか不思議でしかたがなかった。
芥川賞の失墜はここから始まったと思う。
村上龍は私は嫌いではない。
しかし、それは通俗小説家としての村上龍である。
そして、彼は小説家をなりわいとする、ビジネスマンでしかない。
中学の時に、『純文学』の意味がわからず調べたことがある。すると、「読者を意識せずに書かれた小説」といった意味のことが書かれていた。
私は『純文学』とは、「人の心の中から昇華するあらゆる人生の意味を文字で表現したもの」と思う。
一昨年のあの受賞作は、その評「今時の女子高校生が、何気ない日常を綴った・・・」で、全く読む気がなくなった。
だれが、今時の高校生の何気ない日常など知りたいのだろう?
芥川賞は純文学作品に贈られるものである。これらは純文学などでは決してない。
この「パークライフ」も全く内容、意味がない。
村上龍の感じたという不気味なユーモアは、そのかけらもない。
スターバックスのことがだらだら述べられているだけ。
それなら、この本は直木賞ものである。
中篇なのだが、終わり方があまりに唐突で、同じ文庫の次の中篇に続くのかと思ってしまった。
評価 ××××
2005年01月10日
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