2008年08月18日

歯科医療崩壊D 何を信じるべきか?#1

歯科医療崩壊Cより続く

FOXチャンネルに、Dr.HOUSEという番組がある。
詳しい内容はまたいつか書くつもりだが、このDr.HOUSEは全米で治療を受けたい医師のNo.1にランキングされている。

そのハウス先生の口癖は・・・・・・・

「患者は嘘をつく。」



さて、ここで歯科の問題に戻る。
以下はあるところに書き込まれたある患者さんのご家族のコメント。
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私の家族は、やはり難しい親不知(おやしらず)で、充分な説明もなしに若い先生にいじられ、結局抜けなかった上に大量出血。

でも、抜けなかったのは、執刀ミスで大量出血してしまい、処置が続けられなかったからだと思います。

抜歯(結局ぬかなかったけど)で大量出血、しかも帰宅後も出血が止まらず、またここへ救急車で搬送。

3時間かかってやっと止血したと思ったらあくる日は輸血だなんて信じられますか? 
抜歯で輸血だなんて。

輸血そのものにもリスクがあります(事実これには同意書がありました)。
拒絶反応で何かあったらどうしてくれるんでしょうか。

でも、帰宅後歯を抜いたからこれくらいの血が出るのは普通なのかな?と思って放置したら、出血多量で命を落としていたかもしれません。

遠くに住む歯科ドクターの知人に聞いたら、その歯が抜けないなんて考えられない、技術不足としか言えない、レントゲンを前もって撮って検討していないのもあり得ない、若いドクターの研修材料にされたのがアリアリだと驚かれました。

自分のような個人病院でこんな医療ミスを起こしたら、即刻つぶれる、とも言っていました。

でも●●はプライドが高いから、レントゲンも渡さないだろうし認めないだろうと・・・。

みなさん、歯一本で、殺されたくなかったら、ここには行かないほうがいいです。
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以下はこのコメントを知った医師が書いたコメントです。
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私は当院の職員であり、**********に書かれている様に、患者さんが救急車で搬送された時に実際に止血処置を行った者です。
皆様に真実を述べたく、投稿させていただきたく存じます。

まずこの患者さんですが、もともとの全身疾患のため、血液をさらさらに保つ(血が止まりにくくなる)薬を内服されている、高齢の方です。
以前より疼痛を感じていた左下親知らずが、急性感染を起こし、感染源除去のために処置をする必要があると診断されました。

なぜなら親知らずの急性感染は、一気に膿が喉にたまって窒息する恐れや、血中に菌や、毒素が回ってショックを引き起こしたり、骨髄炎を引き起こす可能性があるからです。
そのため、抜歯をした担当医は、まず急性症状を抑えるために抗生物質の投与を行いました。このまま抗生物質の大量、かつ長期投与を続けるか、外科的処置を行うかの判断は非常に難しいですが、高齢者でもあり、薬の長期の内服のほうが、外科的処置よりも体に悪いと診断しました。

そして親知らずとその近くを走る神経、血管も把握できるレントゲン(パノラマ)を撮影し、もっとも侵襲の少ない手術計画を立てました。
また、手術に備えて、血液がさらさらになる薬も、前もって一時中止する措置もとりました。
そして、当院で完全滅菌下での手術となったわけですが、実際に粘膜を剥離すると親知らずは、下顎骨と完全に癒着しており、抜歯をするならば下顎骨を大きく削り取らないといけない状態でした。
この状態はレントゲンでは診断不可能でした。

患者は高齢者であり、また外来での局所麻酔処置であったので、そこまでの侵襲は加えるわけにはいかず、親知らず周囲の感染している骨のみを除去し、止血を確認し、さらに出血のリスクを減らすために粘膜を完全に閉鎖し、再出血を抑える処置を行いました。
以上の処置は担当医のほか、複数の医師との術中討論の結果出されたものでした。

しかしその後、もちろん痛み止めも十分に使用はしていましたが、麻酔が切れると患者さんは痛みが出現したのだと思います。
通常であれば数日間で痛みは消えて、終了となるのですが、高齢者は循環動態が非常に鋭敏で、少しの痛みにも反応し、血圧は上昇します。
さらに普段から使用している薬の影響は完全には消えませんので、出血のリスクは高まります。
それらの因子が重なり、再出血を起こしたのだろうと思われます。

もちろん外科的処置が第一の出血の原因ですが、もし外科的に病巣を掃除していなければ炎症の広がりも大きかったと思われます。
そうして救急搬送となったわけですが、止血は困難を極め、4人がかりで3時間程度かかったことを記憶しております。
総出血量は帰宅後から予想すると500mlくらいであろうと思われました(1000mlの出血で、死の危険性)。

そのまま帰宅させるわけには行かず、入院してもらい、さらに高齢者の血液を再生する能力を考えると、輸血が望ましいため、実施にいたりました。

以上がこの事象の流れであります。高齢者は非常に全身管理が困難であり、確かな知識と、技術を持った施設でしか、外科処置はできません。
また当院は地域の医院で処置ができないような親知らずの抜歯を依頼され、手術を行う施設です。
**********に投稿された方、お気持ちはお察ししますが、どうか感情的にならずに、もし少しでも疑問点があればいつでも納得のいくまでご説明させていただきますので、またご連絡ください。
失礼いたします。
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少し解説をしておくと、この患者さんは脳か心臓に梗塞(血の塊が詰まる)の病気があり、また血が詰まったりしないように血液を固まりにくくする薬を飲んでおられた。
この薬を飲んでいると、血が止まりにくい。
それは事前にやめて、また抜歯の前から感染予防のための抗生物質も処方されていた。
レントゲンで検討をし、抜歯が良いだろうと診断をした。

歯ぐきと骨の中に埋もれている歯なので、まず歯ぐきをめくって見えるようにしてから、抜歯を始めた。しかし、歯は動かない。
歯は直接骨にくっついているわけではなく、歯根膜と言われる薄い膜が根と骨の間にあり、その膜のあるスペースに力をかけると歯は抜ける。
しかし、時々この膜がなくなり、根と骨が直接くっついているような場合がある。
これが癒着と言われるもの。レントゲンで診断をするのは難しい。
このような場合の抜歯は非常に困難になる。

もちろん周囲の骨を削ってしまえば歯を取り出すことができるが、高齢でもありそれはやめた。
そのあとは、周りの歯ぐきを寄せてきつく縫合をし、止血しているのを確認して帰ってもらった。
これは、担当医だけではなく複数の医師が治療に参加し、検討して決めた。

しかし、高齢者の血液の流れなどの変化は刺激に敏感なので、帰宅後、術後の痛みに反応して血圧が上がった。
血圧が上がるということは、ポンプ(心臓)から高い圧力で血液が押し出されることなので、再び出血が起こった。
また、血を固まりにくくする薬の影響もあった。

出血は多く、その出血を止めるのに4人がかりで3時間かかった。
そのため、入院をしてもらい輸血をした。

これがこの医師の書かれている内容である。
おわかりいただけたでしょうか?

歯科医療崩壊E何を信じるべきか?#2に続く

 


 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 丸岡私見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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