2006年12月30日

ワーキングプアと「ループ理論」

今ワーキングプアという言葉が注目を集めている。

ワーキング プア(working poor)は、正社員並みにフルタイムで働いても(またはその意思があっても)生活保護水準以下の収入しか得られない就業者のこと。直訳では「働く貧者」だが、働く貧困層と解釈される。アメリカなどにおいては、失業者ではなく就業していることから、失業問題としては把握されていないものの、その賃金水準が低く、また技能の向上や職業上の地位の向上の可能性が低いことから隠れた労働問題として捉えられている。
ワーキングプアにあたる所得の世帯数は、日本全国で700万ほどと推定され、深刻な社会問題になりつつある。
(Wikipediaより)

NHKの特集で表面に出てきた問題であるが、これを捉える場合「社会として」という言葉が常に付きまとうが、これは決して社会保障で解決できる問題ではない。
もはや社会としての努力では解決できない問題となってしまっている。
つまりますますワーキングプア層は自己増殖的に増大していく。
ここにその理由を「ループ理論」としてこの背景を分析してみよう。

バブル崩壊後、企業は生き残りの道を模索してきた。
盛んに行われたのがいわゆる「リストラ」といわれるもの。
これはrestructuringの略で、本来の意味は「再構築」である。
組織、生産構造などを無駄のないように再編成するという意味なのだが、リストラは人員整理の代名詞となってしまっている。
つまり、企業は収益を確保するためにまず第一に人件費の削減に手をつけた。
当然、無能な社員の首切りが行われる。そしてその穴埋めとしてパート、アルバイト、派遣社員を雇用することになる。
それは人件費において増大していく社会保険料などの負担を軽減し、企業の収益を徐々に改善させていった。

しかしその構造は、底辺の労働者の賃金を低下させ、社会的地位を不安定なものにする。
そして不安感を持ちながら生活する労働者の消費意欲を低下させ、社会全体の消費が一見伸び悩むように見える。

例えばあなたがワーキングプアとなった場合、どのような消費行動をとるだろうか?
まず第一に重視するのが「価格」であろう。
より安価であることが選択の第一となるはずである。その次に品質となる。
つまり、製品は安くなければ売れない。

いわゆる構造というものを汎用でとらえた場合、正三角形の形をとると仮定すると、


tri.jpg


この図のように真ん中から下は全体の75%を占める。
つまり大企業で大量生産される商品を消費する大部分は中間層以下のいわゆる大衆である。
前述のように、大量生産品はもはや「安価」ということが売れるための第一条件となる。
そのため企業はコスト削減を第一に考えないといけない。
コスト削減に大きく影響するのが「原材料費」と「人件費」」なのだが、原材料費は昨今の原油価格の高騰などにより、削減には限界がある。
となると、残る道は人件費の削減しかなくなる。

今年は企業の収益が大きく改善し、税収も大きく伸びた。
しかし統計上では、一般の所得の伸びは現れていない。
これにはどういう意味があるのか?

企業の収益は伸びているわけであるから、当然給与も上昇している。
しかし、その上昇のしかたが今までとは変わってきているのがその理由。
大きく給与が上昇している社員と、上昇しない、もしくは給与が下がる社員がはっきりしているわけである。
これを平均すると見かけ上所得は上昇していないように見える。

戦後60年の日本の復興、経済発展は奇跡といっていいだろう。
多少の紆余曲折はあったにせよ、全体としてみれば右肩上がりの発展であり、そこでも一番特異であったことは、社会全体が平均的にそうであったということ。
つまり、能力があるものないもの全てが右肩上がりの成長の恩恵を受けられたということであり、そこにピリオドが打たれたのがバブル崩壊である。
今、ワーキングプアを語るに当たって一番の問題は、この特異であった期間を基準として考えられているということ。
この期間が特別であったわけであり、反対に今の構造のほうが資本主義経済としては当たり前の状況なのだ。

古来、文明は下層階級や奴隷による苛酷な労働によって支えられてきた歴史がある。
そこに蓄積された不満により王朝が転覆するということもしばしば起こった。

成熟した社会では、そのような階級が存在することが当たり前なのである。
このワーキングプアは日本だけの問題ではない。

記憶に新しいニューオーリンズの水害で、繰り返し報道されたあの光景。
水浸しになり、生命の危険にさらされながらも自分の家から避難しない黒人たち。
あの光景を「頑固な」「無知な」ととらえてはいけない。
あの黒人たちはワーキングプアなのである。
それも日本のそれより深刻な。

一軒家に住んではいるが、その価格は日本のそれより桁が一桁安いものであるし、借家も多い。
そして、あの黒人たちはクレジットカードはおろか、銀行口座すらも持っていないケースがほとんどである。
つまり、あの水浸しになった家が彼らの全財産なのだ。
それを失うということは・・・
だから離れるわけにはいかなかったわけである。

ヨーロッパにおいてもそれは同じ状態といえる。
例えばフランス。
成熟した文化の国である。
しかしその底辺を支えている労働力はアフリカ系などの移民によるものであり、これがワーキングプア層。
なので、最近はしばしば抑圧された移民や下層階級による暴動が起こっている。

つまり、ワーキングプアは出現するべくして現れた問題であって、社会保障などで解決できる問題ではないのだ。

前述したように、これからの製品は安くなければ大量には売れない。
企業は価格を安くするためにはコストを下げなければならない。
コストを下げるためには人件費を削減しなければならない。
なので、自社の社員を明確に二分して考えていく。
単純労働者と管理者や技術者。
単純労働者には労働対価しか支払われない。
労働対価であるので、定期昇給や今までのベースアップなどはもはや考慮されない。
(日本経団連は2006年12月、2007年春闘の経営側の指針となる「経営労働政策委員会報告」の中で、短期的な業績の向上はボーナスのみに反映させるべきだとの姿勢も示し、「(賃金表そのものを書き換えるなどして賃金を一律に底上げする)市場横断的なベースアップはもはやありえない」と明記している。)

また下請けをもっと多く使い自社の製造ラインのコストを下げようとする。
コスト削減のため、下請けに更なるコスト削減を要求する。
そのため下請けの企業も、人件費の削減のため労働者の賃金を下げる。
下請けの労働者の消費意欲は減退し、さらに安い製品を購入しようとする。
当然、より安価な製品しか売れなくなる。
多数派の下層労働者が大企業の顧客であるから、このような消費行動により、大企業はさらに安い製品を市場に投入しなければ売り上げが伸びない。
そのために更なるコストの削減が必要となる。
そして、さらに賃金が下がる・・・

その証拠に、最近は景気は回復傾向にあるといわれているが、消費者物価は上昇せず、デフレ傾向からも脱却していない。

これがワーキングプアが自己増殖していく「ループ理論」であり、このようにもはや抜け出す道は残されていない。
しかし、本来は需要と供給のバランスというものがあり、このおかげで今までは無理な体勢はゆるやかなスパイラルを描いて補正されてきた。

自然界の食物連鎖を例にとってみよう。
たとえば食物連鎖の頂点に立つライオンとその餌となるシマウマ。
ライオンはシマウマを捕食することで生きている。
ライオンの数が増えるとシマウマの数は減っていく。
当然餌となるシマウマが減ると、ライオンの数も減っていく。
ライオンの数が減ると、今度はシマウマの数が増えていく。

このようにうまくバランスがとれ、そのためシマウマが増えすぎてサバンナの草が食べつくされないようにもなっている。

ここでライオンを大企業に、シマウマをワーキングプア置き換えてみる。
シマウマは減ることがあるが、ワーキングプアは今まで述べた理由でもはや減ることはない。
当然人間社会であるので、生活保護などで生存は保障されているからシマウマが死に絶えることもない。
つまりライオンの数は減らず、もはや自然な調整が効かないのである。

といっても、今まではその調節機能が働いていた。
好景気になれば労働力が不足する。
そうなれば賃金を上げて労働者を募集しないと労働力は確保できなかった。
しかし、現在はロボット技術の発達により、単純作業はあるコストをかければ機械化することができる。
あるコストとは、上昇した賃金に見合うコスト。
つまり、今下請けなどに回ってくるほとんどの作業は、機械化するよりコストが安いと企業が判断した作業であるから、それ以上のコストになれば機械化されるわけである。
そうなると今度はシマウマが食べる草がなくなってしまうこととなる。
結局、シマウマはライオンの近くの危険な場所の草を食べなくては生きていけないから、最終的にはライオンの餌食になってしまう。

つまり、ここでも「ループ理論」が成り立ってしまうわけである。

では、これからの企業というものはどういうふうになっていくのか?
SF(サイエンスフィクション)は単なる空想の産物ではない。
「人が思うことは成し遂げられる」という言葉のとおり、そのときは夢物語であったことも必ず現実化する。

特にこのスピードは非常に加速度を増している。
私が子供のころ、今のようなコンピューターの発達、テレビ電話などほとんどの人がその実現を予想もしなかった。
ロボットにしても、アシモのような人間型のロボットは夢以外のなにものでもなかった。
しかしもうそれは現実である。

そのSF小説で近未来が描かれるとき、複合企業が政府に近い役割を果たしているという姿がよくある。
わかりやすいのが「ロボコップ」であろうか。
この映画では企業が警察業務の請負をしている。

つまりこれからは、企業が政府の役割を果たしていく。
小泉政権の時代「政冷経熱」といわれ、中国や韓国とは政治的にはほとんど交流がもたれなかったが、その間にも企業のトップは要人と会談を持ち交流を深めていた。
2005年9月に奥田経団連会長(トヨタ自動車会長)が胡錦濤主席と靖国問題で極秘会談をし、胡主席の要請により奥田会長は靖国参拝の中止を小泉元総理に要望、中止にはいたらなかったが、その結果小泉元首相は平服で、ポケットから100円硬貨を取り出して賽銭箱に投げ入れるという一般人と同じ参拝スタイルになったと言われている。
こうなればもはや民間の外務大臣である。
このとき政府の外務大臣はどんな働きができただろうか?

もう日本の大企業は小さな政府といってよい。
雇用はもちろん、教育、社会保障すら自己完結型で行っていける力を持っている。
来年に予定されている税制改革も、企業に非常に有利な改革である。
これはなるべくしてなっている流れであり、もはや押しとどめることはできないのだ。
このようにもはや政府が規制できないわけであるから、企業が政府になっていくと言い切っても過言ではないだろう。

こういう流れからもワーキングプアの問題はもはや小手先の政策では解決できないのだ。
しかし、私はこれでいいと思ってはいない。
このままでは確実に日本の国力と日本人の尊厳は失われていく。
そのためには、構造の改革より「意識」の改革をしていく必要に迫られている。

続く
posted by maruoka-yoshimitsu at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 丸岡私見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月29日

プランニングからセラミッククラウン#5

今日は朝から雪が降っていてとても寒いです。
昨年の忘年会もそうでした。
亀岡から通勤しているスタッフは帰ることができず、退職したスタッフの家に泊めてもらっていました。
今日は、そこまでにはならないようですね。

さあ今日が治療の最終日。
最終日こそ気を引き締めていかないといけません。



兼好法師が書いたといわれる「徒然草」の第百九段の「高名の木登り」という話。

木登りの名人が、男に高い木の上の枝切りをやらせて、それを下から監督している。
枝切りが終わって、切っていた男が降りてくる。木登りの名人は下でそれをジーっと見ていて、もう飛び降りても大丈夫なところまで降りてきたところで、はじめて「危ないから注意して降りろ」と言った。
木を切っていた男が「飛び降りても大丈夫な、こんなところまできて、何でそんなことを言うのか」と聞くと、「上のほうにいる時は自分でも緊張しているから心配ないのだ。
飛び降りても大丈夫と思ったぐらいの時が一番危ないのだ」と答えたのです。
高名の木登りの話の最後に蹴鞠のことが書かれています。バレーボールを足でやるような昔の高貴なスポーツですが、その蹴鞠で、難しいボールをうまく蹴ったあとに、やさしいボールがくると必ず失敗してしまう、というのです。

楽しい忘年会と休みを前にして、事故など起こしてしまったら楽しい気分がいっぺんに台無しですから。
今日はいつも以上に緊張して治療をするつもりです。

プランニングからセラミッククラウン#4より続く


下の前歯のこの処置から2ヶ月経過。
抜歯をした後は歯ぐきが下がり、隙間ができるので、仮のブリッジにプラスチックを盛り、一度修正している。


抜歯をした後の傷も治ったので、この部分の型を取り、


セラミックのブリッジとクラウンを作る。


裏側。


完成したセラミックブリッジとクラウンをセットしたところ。


プランニング模型。

プランニングからセラミッククラウン#6に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月28日

プランニングからセラミッククラウン#4

今年は明日29日まで診療します。
でも明日は早めに診療を終え、大掃除をして大忘年会の予定です。
忘年会はスコルピオーネ祇園というところです。
際コーポレーションという会社がチェーンのように展開している飲食店の一つです。
この会社は町屋や古い建物を改装して、どの店もとても趣味のいい素敵なお店に仕上げています。
たまたまスコルピオーネ吉右で働いている方がお二人患者様としてお見えになり、知りました。

さて楽しみは後にして、お仕事お仕事。

プランニングからセラミッククラウン#3より続く


▼の歯は横に飛び出してしまっており、この周囲には食べ物が押し込まれやすい。
そういう状況が続くと、歯周病の進行が早くなる。
特にこの場合は前後の歯に対する影響が心配であるので、飛び出している歯を抜歯することによって、前後の歯をきちんと守ることを第一に考える。


抜歯をした。


前後の歯を削り、


プランニング模型からこのような仮のプラスチックのブリッジの概形を作っておき、


合わせて、セットする。

プランニングからセラミッククラウン#5に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月27日

プランニングからセラミッククラウン#3

プランニングからセラミッククラウン#2より続く


この上顎の前歯を削り、


このような仮のプラスチックの仮の歯を作り、


セットする。
(あー、削ったところの写真がありません。きっと、撮り忘れたのだろうと思います。イヤダイヤダ)


プランニング模型。

このように治療は、下の前歯→上の前歯→下の奥歯→上の奥歯の順番に進めていきます。
これは専門的な理由があるためで、決して適当にやっているわけではないのです。

プランニングからセラミッククラウン#4に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:10| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

プランニングからセラミッククラウン#2

プランニングからセラミッククラウン#1より続く


この変色し飛び出している前歯を、


抜歯し、横の歯も削る。


最初に作ったプランニング模型から、このような仮のプラスチックのブリッジの概形を作っておく。


この概形にプラスチックを盛ったり、削ったりしてその場で合わせ、セットする。


プランニング模型。


一週間後
 
プランニングからセラミッククラウン#3に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:37| Comment(1) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月25日

プランニングからセラミッククラウン#1

今年ももうわずかですね。
さあ、ラストスパート。

一昨日は息子の希望で「エラゴン」という映画を見に行きました。
映画は二流作品ですね。
場所はMOVIX京都
基本的に私は映画館にはいきません。
それには理由があるのです。
そして昨日はそれが起こってしまいました。

私が座った席の横には、必ず上映中しゃべる奴か、ポップコーンを食べる奴が座るというジンクスがあります。
一昨日はポップコーンでした。
1時間45分の上映時間の間、ずーっと「がさごそ」「ぱりぱり」ポップコーンを食べているのです。
もう気になって、気になって。
映画館の売店で売っているものですので、「食うな」とも言えず最悪でした。
しかし1時間45分の間、間断なくポップコーンを食べ続けられる能力はすごいと妙に感心したりもしたのですが。
松竹の皆さん、売店で売るのは飲み物だけにしてもらえませんか?
そうしていただかないと、私はもう映画館には行きません。

さて、気をとりなおして、
この方。
当院のホームページをご覧になってお越しになりました。
「きれいにしたい」

初診時


前歯の歯並びを気にしておられました。


特に下の前歯は変色と、歯周病が進行しています。


この状態を模型にします。


下の前歯。


この模型を治療をするのと同じように削り、ワックスで歯の形を作ります。
プランニング模型です。


下の前歯はこのようになります。
これがこれから治療を進めていく上での設計図となります。
これは必ず必要なものです。
設計図が無い状態では、きちんとした家は建ちませんから。

 ⇒ 
上顎

 ⇒ 
下顎

プランニングからセラミッククラウン#2に続く

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 治療プラン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月22日

セラミッククラウン06.12.22

今日も予約表は真っ黒です。
2時間の治療の方が2人。
頑張って何とかのりきります。

この症例のその後


歯の中の治療が終了し、土台を補強している。
この型をとり、


セラミッククラウンを作成。
これを、


セットして、治療終了。

 ⇒ 
治療前                                治療後

 
たぶん今日はおまけはできないと思います。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月21日

セラミッククラウン06.12.21

このごろとても忙しく・・・・・
とても疲れています。
なので、今日は簡単に。
今日もとても忙しいので、
明日も簡単になるかと。


ここに、


これを、


セットして本日の治療終了。



ちょっと時間が空いていますので、こんなサイトの紹介を。

いじめられている君へ いじめている君へ

いじめられている子供といじめている子供にその道のエキスパートがアドバイスをしています。

私は野球にほとんど興味がないのですが、その中でも好きな人が5人います。
松井秀喜選手、イチロー選手、古田敦也監督、大澤親分、村田兆治さんです。
その中の松井秀喜選手の言葉

「立ち向かわなくてもいい」

君は、無理して立ち向かわなくていいんだ。

学校やクラスにいても楽しくない。仲間にうまく入れない。
それなら、それで、別にいいんじゃないかな。
だれかがつくった世界に君が入らなければいけない、ということはないんだよ。

それより、君には、居心地のいい場所で、自分の好きなことに夢中になってほしい。
何かに没頭(ぼっとう)することによって、いやなことが気にならなくなることって、あると思うんだ。逃げるんじゃない。
自分から好きな世界を選ぶんだ。
その中で同じ夢を持った友だちに出会うこともあるだろう。新しい仲間ができるかもしれない。

ぼくは小さいころ、体が大きいだけでなく、太っていた。
それを悪く言う友だちがいたかもしれない。ぼくはまったく気にならないタイプだからコンプレックスを感じることもなく、ただ大好きな野球に没頭していた。
そのうちに、自然と体も絞(しぼ)れてきた。もちろんいい仲間とも、たくさんめぐり合うことができた。

だから君にも大好きなことを見つけ、自分の夢を持ってほしいんだ。
スポーツが好きな人もいれば、音楽が好きな人もいるだろう。
何かを書いたり、つくったり、見ることでもいい。
どんなことでもいいんだ。
大好きなものに出会えたら、それを大切にして欲しい。

君をいじめている人がいるとしたら、その人もきっとつらい気持ちでいると思う。
だって、人をいじめることが夢なんて人はいないはずでしょう。
いじめは夢の遠回りなんだ。その人にも、自分の夢を早く見つけて欲しいと言いたい。
後悔(こうかい)するような時間は、短い方がいいからね。

だから、いま君が立ち向かうことはないんだ。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

役得と極上のサービス

さてこの方のその後


2週間後の状態。
すっかりきれいに治っている。

で、このお礼にということで今日はお食事に誘っていただいた。
まあたまにはこんな役得もある。


四条縄手下がる「廣びろ」というお店。
ちなみに、お品がきには一切金額は記入されていない。


カワハギの薄造り
これは私の大好物。
肝で作る共ダレが大好きなんである。
フグより美味しい。






タグのついた超一級の蟹
残念ながら、この蟹は私の口には入らなかったのだが、いいものを見せていただいた。(この蟹ではない)

食事をしていると、スーツを着た60歳ぐらいの男性が入ってこられた。
店主と親しげにお話をされている。
常連さんらしい。
この蟹はその方のご注文。
一体いくらするのか?

しばらくすると妙齢の女性が入ってこられた。
「時間ぴったりやろ?」
一目でその筋の方とわかる。
いわゆる「同伴」と言うやつ。


お二人で焼き蟹にして、バリバリと召し上がる。
一匹あっというまに無くなった。
そこでホッと一息つかれていると、店主が男性に「これ忘れてはったでしょ?」とラップに包んだ小さな箱を差し出した。
「何や?」
「この間、タバコ忘れて帰られましたよ。」
「そうか。酔ーてて全然覚えてへんわ。」

店主がラップをはがす。
一枚。
さらにもう一枚のラップで包まれていた。

そう、気が抜けないようにラップで二重に包んであったのだ。

これが心のこもったサービス。
もちろん最高級の蟹を一匹オーダーできる常連に対するサービスであるということがミソだが。(ちなみに蟹ミソは甲羅焼きで食べられていた)


雲子とウニたっぷり。
とても熱くて、唇を火傷。


写真をとる前に、食べてしまった。




蟹の身たっぷりの蒸寿司。
(実は私は蟹はそう好きなほうではありません。蟹より伊勢えびのほうが好きです。何かの折にはお気にとめておいてください。笑)

 

  
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

延長ブリッジとヴェニスの商人

  

ヴェニスの商人

1596年、貿易の中枢として栄える運河の街ヴェニス。
無一文の情熱家バッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)は愛する人ポーシャ(リン・コリンズ)に求婚するため、友人アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)に資金援助を頼み込む。
手持ちがない彼は宿敵の高利貸シャイロック(アル・パチーノ)から借金をするが、全財産を載せた船が難破し期日までに返済ができなくなり、裁判にかけられることに。
シャイロックが借金返済の違約金代わりとしてアントーニオに要求したのが、「人肉一ポンド」。
借金の何倍も金を積んでも許さないシャイロックは、証文通り心臓に近い肉一ポンドを要求するのだが・・・。

昨日観ました。いい映画でした。
高利貸シャイロックを演じるアル・パチーノの演技は秀逸。圧倒的な存在感ですし、全体の画像もきれいです。

もう結末はご存知のように、「証文どおり、肉を1ポンド切り取れ。それが法だ。しかし血の一滴でも流してはならん。そして肉は1ポンドきっちりでなくてはならん。たとえ1万の1ポンド多くても少なくてもいかん。」と言われてシャイロックは断念するわけです。

しかし、ここで一休さんなら、
「はい。わかりました。では肉を切り取るまえに、アントーニオの体から一滴残らず血を抜き取っていただきたい。」
と答えるでしょうね。
シェイクスピア破れたりというところでしょうか。

まあ、冗談はさておき、


▼の部分の歯が2本ありません。
骨の状態もよくなく、インプラントもできません。
もちろん入れ歯は嫌です。
どうするか?


仮の歯をはずすとこういう状態。
型を取り、


このような模型にします。


そしてこのようなブリッジを作ります。
延長ブリッジと言い、一番後ろの歯は宙に浮いている状態となります。


下から見たところ。


セットすると、


このように、一本だけ歯を増やすことができます。
この場合、増やせる歯は一本だけです。
二本歯を作ってしまうと、テコの原理で前の歯に大きな力がかかってしまいます。


実際のお口の中。
仮の歯をはずして、


ここに、


延長ブリッジをセットしました。


治療前


治療後

これで治療終了です。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月15日

ホワイトニングとセラミッククラウン#2

ホワイトニングとセラミッククラウン#1より続く


準備が整ったところで、この型を取り、


模型の上でセラミッククラウンを作る。


セットしたところの裏側

 ⇒ 
            治療前                   治療後

 ⇒ 
            治療前                   治療後

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

ホワイトニングとセラミッククラウン#1

今日は過ごしやすい一日ですね。
昨日は大変忙しく、おかげで昨夜は熟睡しました。
風邪が流行っていますが、皆さんは大丈夫ですか?

さて、この方




初診時

ホームページをご覧になられてお越しになりました。
きれいになりたいとのこと。


下の歯のホワイトニングをすることにしました。
このようなトレイとよばれるものを作って、


この中にホワイトニング用の薬剤を入れて、歯にセットします。
このまま寝ていただいて、一ヶ月半ほど待ちます。
これをホームブリーチ(漂白)といいます。

オフイスブリーチといって、診療室で短期間に行う方法もありますが、色むらなどができやすく、また後戻りもしやすいので私はこの方法をとっています。


ホワイトニング終了です。
なぜ上の歯をしないのか?


上の歯は、セラミッククラウンでカバーする必要がありますので、ホワイトニングはしません。
このように歯を削って、


仮のプラスチックのクラウンを作ります。


セットしたところ。
歯ぐきが落ち着くのを待って、型をとりセラミッククラウンを作っていきます。
それはまた明日。

ホワイトニングとセラミッククラウン#2に続く

 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウンブリッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月13日

抜歯、仮のブリッジ

おはようございます。
今日の京都新聞の朝刊の第一面の記事です。

京都府内公立高生徒に格差社会の影-授業料の減免割合が過去最高

格差社会は確実に広がっているようですね。
その中でも、

「学力による高校の序列化が進んだ府南部では、減免率が低い高校ほど進学率が高く、逆に減免率が高い高校ほど進学率が低いという『負の相関関係』が特に鮮明になっている」と指摘し、親の収入の差が子の進学状況に反映する「格差社会」の現状を問題視している。」

ということ。
もうこれは後戻りさせることができない状況にも思えます。
詳しいことは、「格差社会」をご覧ください。
このことについて最近思うことはまたアップするつもりです。

さてこの方


▼の歯が歯周病に侵され、抜歯が必要です。


局部的に骨が吸収しているため、グラグラという状態ではないので、歯の根を2分割し、抜歯をしています。
▼の部分にまだ根が半分残っています。
こうすることによって、患者様の負担は軽くなります。


抜歯が終わって、縫合をしたところ。


事前に、このような仮のブリッジの概形を作って用意しておきます。


その場で、プラスチックを盛ったり、削ったりして合わせてセットします。
歯が抜けたままでお帰りいただくようなことは決してありません。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月12日

何のための勉強か?

宮本哲也さんの紹介
4Ch 情熱大陸 2006.12.10放送



算数塾講師・宮本哲也、47歳。
試験なしで先着順に、生徒を選ばず入室させているにもかかわらず、首都圏最難関中学への進学率80%以上という驚異的な実績を誇る算数教室を主宰するカリスマ講師だ。
彼は自らを「無手勝流(むてかつりゅう)算数・家元」と呼び、質問は一切受けない、子どもたちに考えさせる、という「教えない」スタイル、いわば「指導なき指導」を展開している。自身が考案したユニークな教材と緊張感あふれる授業展開により、子どもたちに自ら問題に向かう学習姿勢を身につけさせる。
「生きる力としての学力を身につければ、ささやかな副産物として入試の合格が得られる。」そう語る宮本が子どもたちに望むことは何なのか?彼が考える算数の本当の目的とは?番組では、算数のカリスマ講師・宮本の人物像そして無手勝流算数の真髄に迫り、算数の面白さを再発見する。   「情熱大陸」ホームページより




最初の5分ほどは見逃したのですが、確かにこの紹介の通りの塾でした。
ほとんど宮本さんは何もしゃべりませんし、教えもしません。
子供達に課題を与え、子供達がひたすらその問題を解きます。
問題は黒板に書かれ、一部のパズルを除いてはプリントすらありません。
質問も許されませんので、授業が終わるとそのまま子供達は帰るだけです。
宮本さんは徹底して世話をすることもありません。

小学生の問題と言ってもナメてはいけません。
小学校5年生の塾生に出された問題が出ていましたが、それは有名中学の入試問題に相当する難易度です。
たぶんこれを読んでおられる方はほとんど?たぶんどなたも解けないと思います。

今宮本さんの出す算数パズルが教材の人気ランクトップを独占しています。
そして「もっと難しいパズルを」との要望から、宮本さんがその問題の作成をされている様子も取材されていました。
完成するまで、寝ない、食べない、教室から出ない。
たった一問に60時間をかけていました。
さて完成。

完成したパズルが解けるのか?実験です。
そこに呼ばれたのは東大生6人。
もちろん宮本さんの教え子たち。
つまり卒業して最低6年たっていても教え子達はやってくるわけです。
結果は6名中解けたのが東大大学院生ただ一人。

結果はともかくとして、その後にこの生徒たちが宮本さんを囲んで食事をし、プレゼントを渡していました。
まあテレビ取材であるということを差し引いても、この師弟関係には何か切っても切れない繋がりがあるようです。
宮本さんは生徒の世話をしないと書きましたが、趣味のスキューバダイビングのための旅先で、塾生ひとりひとりに絵葉書をだしていました。

さてここで宮本さんの言葉です。

「ここは算数塾です。
中学に合格することを目的としていない。
だって、そこにパラダイスがあるわけじゃないですよ。
ハードルを越えると、もっと高いハードルがあるわけですよ。
そのハードルを飛び越えることを喜びにしなければ幸せにはならない。」

つまり、これが教育に一番重要な「信念」だと思います。
これがあるから、これが伝わるから子供達は黙ってついてくるのでしょう。



先日の日曜日に読んだ本です。

「バカとは何か」和田秀樹

この和田先生は精神科のドクターでありますが、鉄緑受験指導ゼミナールを主宰されています。
この塾はまあ早く言えば「いかに効率よく東大に合格するか?」を目標にしています。
もちろん和田先生も東大医学部卒。このゼミナールの講師も全員が現役の東大生です。
和田先生の考えはこの対極にあるものでしょうか?

内容の抜粋です。


「受講生の中でも学校の勉強と両立しないという悩みを訴える受講生は多い。
学校の宿題が多すぎるとか、教師がうるさくて、こちらの指定した勉強ができないというのだ。
こちらとしては、志望校や本人の学力に合わせた宿題を出しているつもりだし、少なくとも、今学校の指定する宿題をすることで受験学力が上がっていないのだから、そっちを放っておいても、こちらの勉強をやってほしいのだが、なかなかその割り切りができない。
結果的に、上手に割り切れた受講生の多くは志望校の合格を果たすのに、元の学力が高かったり、まじめな生徒であるのに、学校の勉強にこだわりすぎる生徒の合格実績は芳しいものといえない。
最近、受験勉強で鍛えられる頭のよさの最たるものとは、このような、今自分が何をなすべきかの判断であったり、学校のお仕着せでない自分の勉強をできるようになることではないかと思いようになってきた。」



決してこのような考え方ややり方を批判するわけではありません。
需要と供給の問題ですし、私塾でありパブリックではありませんので。
でも、「学校のお仕着せでない自分の勉強」というのは東大に合格するためだけの勉強なのでしょうか?
和田先生は、このように要領よく合格した学生のほうが社会に出て役に立つと言われていますが、果たしてそうなのか極めて疑問です。
今大学では新入生に補習をしないと大学としてのまともな講義ができなくなっています。
それは本来人間として身につけておくべき常識的な、もしくは高等教育を受けるに当たって必要な知識や考え方の習得がおろそかになっている現場があるからだと思います。
履修単位不足の高校の存在も大きな問題になりましたし。
また和田さんはこうも述べられています。

「鈍臭い奴、要領の悪い奴は、私から見るとバカだと。」

私は、例え要領は悪くても地道に努力をし続けられる人間こそ、社会に出て役に立つと思っています。
所詮付け焼刃は付け焼刃。
社会に出れば荒波でそんなものはすぐにはがれます。
困ったことは、付け焼刃がよく切れると思っている付け焼刃が多いということでしょうか。

つまり生きることの目的をなんととらえるかです。
大学に入学することが最終目標ではないはずです。
大学が最後のパラダイスではありませんから。

私は私の2人の子供達には、自分の目標は自分で決めるように言ってあります。
大学に行くのか行かないのかも自分で決めればよいと。
ただ目標が決まれば、それに到達するための努力は決して惜しんではならないが、しかし受験勉強だけでもダメだとも教えます。
つまり、本を読み、映画を観て、人とも交わり・・・人としての内容を膨らます努力を今のうちにしておかないといけないとも。

大学は所詮4年間です。
それが最終ゴールではありません。
社会に出たときどのような人間になっているか?
最終的には人生80年、最後に目を閉じるときにどのような心持ちで永遠の眠りにつくことができるのか?それが問題ではないでしょうか?
勉強とはその為のものでしょう。

最後に宮本さんの言葉です。
「私は教室にいたい。それは子供達からエネルギーをもらえるからなんだと思います。なんと言っても子供達がすばらしい。」

これが教育者の言葉ですね。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 丸岡書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月11日

抜歯、仮義歯装着、リベース

今年もあと3週間になりました。
これからは大変忙しくなるのですが、どういうわけかこの土日はポッカリ予定が空いており、本を読んだり最近始めた数学の問題を解いたりゆっくりと過ごせました。
いろいろ考えることもでき、結構有意義でした。
夜の11時から始まる4チャンネルの「情熱大陸」で、最近話題の算数塾を主宰している宮本哲也さんがとりあげられていました。
その中で大変考えさせられる言葉がありました。
やはりその道の達人、それもポリシーを持ったかたの言葉は深いですね。
それについてはまた明日アップしたいと思います。

さて、この方。

どういう状態かは見て判断してください。
私もコメントは控えておきます。
前歯4本は抜歯をしないとどうしようもありません。


抜歯をする前に、模型上で抜歯をした後の状態を想定して、このような義歯を先に作っておきます。
これには多少の経験を要します。


抜歯をしました。


抜歯をした歯。


その場で義歯をセットします。
狂いなく入っているのがわかります。


1ヶ月経過し、歯を抜いた後もほぼふさがりました。


歯を抜いた後は、歯ぐきが下がっていきますので、入れ歯と義歯の内側の間に隙間ができてきます。


義歯の内側。


ここに液状のプラスチックを流し込んで、


口の中に入れて、歯ぐきに合わせて固まるのを待ちます。


プラスチックが固まった状態。
口の中から取り出すタイミングを誤ると変形したり、また取り出すのが遅くなると完全に固まり、他の歯に引っかかってはずせなくなたりしますので慎重な操作が必要です。


プラスチックを削って形を整え、研磨をします。


お口の中にもどしました。
これをリベースといいます。
これで治療は終了です。

終了?そうです。
この方はこれ以上の治療を希望されていません。
それが私がお口の中の状況についてコメントをしなかった理由です。

それと、昨夜はNHKで「ワーキングプア」の特集をしていました。
昨夜で3回目の特集です。
どの回も、見た後は非常に後味が悪く感じます。
詳しいことはまたエントリーするかもしれません。
このような問題はどうしても「社会として・・・」という結論になりがちなのですが、果たしてそうなんでしょうか?

 

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 入れ歯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

16年経過


私が開業してすぐぐらいに治療を始めた方です。
18本のセラミッククラウンを入れ、義歯を作りました。
それ以後メインテンナスに欠かさずおいでになり、いい状態を保っていました。
さすがに16年を経過していますので、歯ぐきが下がったりしていますが、ほとんど手を加えることなく快適に過ごされていました。


上顎


下顎

前回のメインテナンスのときに、かなり体調が悪く病気がちであるとおっしゃっておられて心配をしておりました。
そうしたところ、今年になって一度もメインテナンスにお越しになっておりません。
さきほどご自宅にお電話をさしあげたのですが、「この電話は使われておりません。」とのことでした。
身寄りもなくお一人で生活をされておられましたので、何かあったのでしょうか。
大変気がかりなのですが、これ以上はなんともしようがありません。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | メインテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月07日

メルボルン大学の教授

一昨日の夕方。
デイパックを背負った一人の中年女性が入ってこられました。
お顔は日本人のようにも見えます。
受け付けに来られて話しはじめると英語でした。

お話をおうかがいすると、歯にトラブルがあるとのこと。
では「とりあえず見せてください」というと、心底ほっとされた様子でした。
よほど心細かったのでしょう。
そして「クレジットカードは使えますか?」とのことでしたので、「問題ありません。」とお答えしました。


お名前などを書いていただいていると、このようにオーストラリアのメルボルン大学の教授でした。
メルボルン大学はオーストラリアで二番目に古い名門の総合大学です。
ちなみに歯学部もあります。


診療室に入っていただき問診をすると、
「インドから昨日、日本につきました。
 そうしたら突然歯が壊れて大変困っています。
 とがった歯の角で舌が切れそうで、とても恐ろしい。」

この歯のレントゲンを撮ってみると、神経がありません。
神経がない歯は割れやすいのです。

「それでは、仮に詰めておきましょう。
 オーストラリアに帰ったら、きちんと治療を受けてください。」
「よかった。
 2週間日本に滞在してそれから帰るので、お願いですから2週間は大丈夫なようにしておいてください。
 せっかくですから、美味しいものをいっぱい食べたいのです。」
「大丈夫ですよ。心配しないで。」


本来はクラウンで被せないといけない歯ですが、こういう事情ですのでプラスチックを詰めて、きれいに研磨し治療終了です。
「OK フィニッシュ」と言うと、
胸の前で手をあわせて喜んでおられました。

旅先で体にトラブルが起こると大変心細いものです。
私も家族で台湾に行ったとき娘が40度の高熱を出し、大変困りました。
ホテルの方に事情を話し氷をお願いしたら、袋に氷をいっぱい詰めタオルとともに部屋に持ってきてくれました。
そのときに日本語で、

「だぃじょぶ。だぃじょぶ。
 熱下がらなかったら、病院いく。
 注射一本うつ。
 すぐよくなる。
 だぃじょぶ、だぃじょぶ。」

と言ってくれました。
中国人独特のイントネーションで、普通のときに聞けば笑ってしまうような日本語だったのですが、そのときは本当にホッとしました。
手持ちの解熱剤を飲ませ、一晩中体温計とにらめっこをしましたが、次の日の朝には熱は下がり、無事旅行を続けられたのは幸いでした。
それから日本に帰ってもしばらくはこの、

「注射一本うつ。だぃじょぶ。だぃじょぶ。」

が家の中で流行って、何かと言えばみんなが「だぃじょぶ。だぃじょぶ。」と言っていました。
今となればいい思い出です。

この教授もいい御旅行を続けられていると思います。
でも私の英語はこの「だぃじょぶ」レベルですので、オーストラリアに帰られたらギャグにされていることでしょう。


 

追記
・台湾を旅行するなら、タクシーが早くて安くて便利です。住所を見せるとその前まで確実につれていってくれます。
・故宮博物院はお勧めしません。時間の無駄です。
・ホテルをチェックアウトするとき、上記のだぃじょぶのおじさんが近寄ってきて、小声で、「娘さん よくなてよかたね。でも、あなた、今度一人でくる。いいとこ紹介するよ。」とウインクをして去っていきました。

 

 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 治療その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月06日

紅葉も終わり

この日曜日の京都はすごい観光客でした。
でもそろそろ紅葉も終わりなんでしょうか?
残念ながら私は全く見る機会がありませんでした。
まあ、毎年のことですが。
なので、せめて写真で紅葉の名残を惜しみましょうか。



心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ。

星の王子様




花はその花弁のすべてを失って果実を見いだす。

タゴール




他人の過失を見るなかれ。
他人のしたこととしなかったことを見るな。
ただ自分のしたこととしなかったことだけを見よ。

ブッダ




りんとした気持ちでいれば、
七呼吸の間に判断がついてしまうものである。

葉隠




たいせつなのはどれだけたくさんのことをしたかではなく、
どれだけ心をこめたかです。

マザー・テレサ




彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、
これに反して私は、何も知りもしないが、知っているとも思っていない。

ソクラテス

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 丸岡私見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

開咬と進化論

今日は朝から冷え込みますね。
京都でも初霜、初氷が観測されたようです。
私は昨夜は久しぶりに熟睡をしました。目覚めは爽快でした。
寒かったですが、キーンと澄み切った朝の空気はさわやかですね。

さあ今日も頑張ってまいりましょう。

下の写真をご覧下さい。


この方はもう10年ほど、2ヶ月に一回きちんとメインテナンスに来られています。


この方は先月初診でお越しになって、今治療の最中です。

このお二方に共通することがあります。
わかりますか?

どちらの方も前歯が全く咬み合っていませんでしょう?
でも、お口を開けて写真を撮ったわけではないのです。


上の方の奥歯


下の方の奥歯

このように奥歯はしっかり咬み合っています。
このような状態を開咬(オープンバイト)といいます。

またここで共通することは、この咬み合わせでも、お二人とも咬みにくいとは思っていらっしゃらないということです。
もし、標準的な咬み合わせの方が、突然このような状態になれば大変不自由な思いをします。

顎関節症の症状がでてくるかもしれません。
そして、まず麺類は食べられません。
麺類はまず前歯で押さえて、噛み切りますから。
でもこの方達は、全く問題なくおいしいラーメンをすすっておられます。
なぜそれが可能か?

ダーウィンが1859年に「種の起源」を発表しました。
なぜか「進化論」は弱肉強食の理論として理解され、環境に適応した強いものだけが生き残るというようなイメージでとらえられていますが、決してそうではありません。
そうであれば地球上に存在するのは、最も環境に適応した一つの種だけということになりますから。

ダーウィンは1831年から1836年にかけてのヴィーグル号で地球一周する航海中に、世界中で環境に適応した様々な生命を目にします。
そしてその様子を、自然選択、生存競争(正確には「存在し続けるための努力」とでも呼ぶべき概念)などの要因によって、環境に適応しうる形質を獲得した種が分岐し、多様な種が生じると説明しました。

つまり、どのパズルのピースも無意識に自分のはまり込む場所を選択し、生命としてそこに落ち着く努力をしているということです。

これが「適応」です。
上記お二方のような咬み合わせでは、本来なら、前歯で押さえられない、咬み切れない・・・それを補うために「舌」が発達します。
つまり舌で食物を上顎の前歯の裏側の付け根の後ろの歯ぐき(硬口蓋)に押さえつけ、またつぶしているのです。
そのため、その部分の歯ぐきにはどなたにでも凸凹があり(口蓋ヒダ)それをしやすくなっています。
なので、こういう咬み合わせの方の舌は平均よりも大きく、また舌の筋肉もよく発達しているのが普通です。
何年も何十年もかかって適応してきたわけです。
この場合は「環境に適応」というよりも、不十分な機能を他の器官が「代替」をしているのですが、ある意味「進化」といえるのかも知れません。

このような方に一般的な「正常」を押し付ける必要はありません。
もちろん症状が出たり、不便さを感じ始めるようでしたら治療ははじめますが。
そうでなければ、常にコンタクトを取り、異常が起きていないかをチェックしていくのが歯科医の仕事となります。

 
 
posted by maruoka-yoshimitsu at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月04日

歯周病で抜歯、義歯改造

今日はとても寒いですね。
やっと12月と言う感じでしょうか。
私丸岡の自宅は病院から自転車で5分ほどなんですが、今日はマフラーから何から完全防寒で来ました。
さて今年ももう少し。
頑張っていきましょう。


初診時。
上顎の前歯にブリッジが入っているのですが、土台となる歯が一本は歯周病でグラグラ、もう一本は虫歯になってブリッジと外れている状態。
風をかけても動きます。
このままでは模型を作る型もとれません。
型を取るときにブリッジが抜けてしまいそう。
また、患者様も気持ちが悪いので、さきにこちらをなんとかして欲しいとのことでした。


歯周病がひどい歯。
プラークがたくさんついています。


レントゲン写真。
歯の根の周りの骨が溶けてしまって、全く無くなっています。

もう抜歯しかありません。
でもこれを抜歯してしまうと、当然歯がなくなります。
それでは大変こまりますので、抜歯をしたら即座に、歯を入れられるようにする必要があります。


まず麻酔をしてから、前歯の型をとります。
患者様には「そのときに取れるかもしれません」とご説明をしておきます。
でも今取れてもかまわないのです。
どちらにせよこれから抜歯をするわけですから。


型をはずします。
こういうときに限って取れないものです。
取れて欲しくないときに限って取れます。
歯科治療にも「マーフィーの法則」は存在します。

この型のなかにプラスチックを流し込み、固めると、


こんな人工の歯ができます。


抜歯をしました。


除去したブリッジ。


こんな義歯を入れておられますので、


不必要になった金具を取りさり、


先ほど作っておいた人工の歯を接着します。


歯ぐきの部分のピンクのプラスチックを盛り上げ、


形を整えます。


改造した義歯をセットしたところ。

これでやっと精密な検査ができるようになりました。

 
posted by maruoka-yoshimitsu at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする